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Soavo-3

Interview(BP)Soavo-1(BP) / Soavo-3 開発ストーリ ー[ふたつのテーマで、個性を磨く]

“贅肉”を削ぎ落としてレスポンスを追求

ここでは、Soavo-1(BP)と同時発表された「Soavo-3」のお話を伺いたいと思います。Soavo-1(BP)はヨーロッパ市場からの要望で生まれたとお聞きしましたが、こちらは日本のオーディオファイルを意識したモデルだそうじゃないですか。

飛世: というより、ホンネとしては私たちが造りたかったスピーカーがこれだったんですよ(笑)。現在、世の中のメインストリームはダブルウーファーなんですが、シングルウーファーにはまた別の良さがあるし、マニアックな方向で行くならシングルのほうが使いこなし甲斐もある。ブックシェルフの箱を長くして、低域側のレンジを拡大したようなモデルがあってもいいじゃないかと思ったわけですね。

このスピーカーの音には、正直ちょっとびっくりしました。耳当たりは柔らかいのに音の輪郭がピシッと立っていて、分解能も非常に高い。シングルウーファーのせいか低音も芯が通った印象で、海外製品も含めて、この価格帯ではなかなか聴けないクォリティとバランスを持っていると思います。 上へ

飛世: この音がいいと言ってくれる人はHiFiマニア度の高い人ですよ。ヤマハファン度が高い、と言ってもいいかな(笑)。

キャビネットの形やサイズはオリジナルのSoavo-1と同じなのに、音の傾向はかなり違いますね。ブックシェルフ型のSoavo-2の俊敏さを活かしながら、低域をグンと伸ばしたような良さがある。

飛世: このSoavo-3も、Soavo-1(BP)も、どちらも基本設計はオリジナルのSoavo-1をベースにしていますが、ユニットなど技術的には既に第二世代と呼ぶべき内容で、なおかつ音のチューニングも大きく変えています。クルマに例えると、Soavo-1(BP)がクランクシャフトのバランス取りやポート研摩のようなファインチューンで音を滑らかに磨いていく方向であるのに対し、Soavo-3は軽量化して贅肉を削ぎ落としてレスポンスを追求する、といったイメージですね。 下へ

軽やかな低音を生み出すウーファー位置

ただ、初めて見る人の多くがそう感じると思うんですけど、ウーファーが独特な位置に付いてますよね。

飛世: そう思われますか。(笑)たしかに一般的なフロア型の3ウェイと比べると、ミッドレンジとウーファーの間隔が少し開いて見えるかもしれませんね。実はこれ、音響的にベストな位置を探った結果なんですよ。この位置だからこそ、ウーファーがラクに鳴ってくれるんです。

なるほど、そうだったんですか。確かにSoavo-3の低音は、下までしっかり伸びているのに、足取りが軽やかですよね。こういう低音はダブルウーファーでは難しい気がします。それと低音に限らず、優しいのにフォーカスがぴったり合った音というのは、ヤマハのスピーカーに限らず、これまでなかなか聴けなかったでしょう。

飛世: こういう音は最初から狙ってできるものではなくて、いろいろな要素と音づくりの方向性がうまく揃った結果だと言えるかも知れません。 上へ

聴く前はヴォーカルの立ち位置とか、そういうディテールに注力したスピーカーなのかなと勝手に想像していたのですが、実際に聴いて何より印象に残ったのは、音の消えかたや散りかたが非常にキレイだったことでした。こういう質の高い後味の良さというのかな、とても魅力的ですよね。

岡崎: ここ数年、音の聴きかたもだいぶ変わってきましたよね。抽象的な言いかたになってしまいますが、歌い手の姿ではなく、歌い手の魂に近づいた聴きかたになってきている気がするんです。

飛世: スピーカーの世界では昔から「音場型」「音像型」という風に区別されてきましたけど、これからはそれを超えて、歌なら歌い手がそこにいて、クラシックなら演奏会場にいるような、スピーカーの存在が消えるようなスピーカーを目指したいですね。 下へ

部品レベルからの精度追求が「音」に現れる

ところで、このSoavo-3を聴かせていただくと、スピーカーにも再び技術革新の波がやってきていたりするのかな?と思ってしまうんですが。

岡崎: いや、技術的な進歩というのはあまりないですね。むしろ、私たちのスピーカーづくりに関して言えば、開発の進めかたが少しずつ変わってきた、というのはあるかも知れません。

進めかたですか?

岡崎: たとえば料理の世界では、自分の求める味を実現するために料理人が畑まで野菜を探しに出かけたりするじゃないですか。今回はそれとちょっと似ているんですが、パーツ生産などの現場にどんどん足を運んで、実際に物づくりをされている皆さんと一緒に個々のパーツの精度を上げていったんです。彼らにはかなり無理難題も投げかけてしまったんですが、それに良く応えていただいて、一緒に畑を耕していくことができたと思っています。新しいSoavoの音は、そういう小さな積み重ねが大きなアウトプットとして出てきた結果だと考えています。 上へ

それはユニットの開発についてですか?

岡崎: ユニットもそうですし、キャビネットもそうですね。今回の2モデルについては、目指すべき音の方向性は最初からはっきり見えていましたから、開発上の苦労や迷いはそんなになかったんです。あとは、その目標をどう達成するかというプロセスだけの問題だったので、そのためにはやはり「畑」に行くしかないと。

飛世: Soavo シリーズを立ち上げるとき、久々のHiFiスピーカーということで、しばらく付き合いが途絶えていた国内各地の部品メーカーを再び訪ねて回りました。それを契機に、たとえばウーファーとミッドレンジのボイスコイルとか、DC-ダイヤフラムツィーターの巻き線とか、一時期海外で生産していたものを国内生産に戻したりしています。 下へ

そういう工場って、ちゃんと昔の技術は伝承されているんですか?

岡崎: というより、世界中探してもそこにしか残っていない。昔以上に難しい仕事をお願いしたりもしますから、その分野で世界一のメーカーでなければダメなんですね。

なるほど。でも、そういうお話を伺っていくと、ヤマハHiFiの世界が再び大きく広がりはじめていることが実感できますね。特に、音の個性が違う3タイプのフロア型が揃ったというのは、選ぶ側から見れば大いに魅力的じゃないですか。

岡崎: 開発を始めたころは、社内から「仕上げを変えたりウーファーを1個取るだけなのに、どうしてそんなに大変なんだ」などと言われたりして、なかなか意識の差が埋まりませんでしたが(笑)、音をお聴きいただけば、それぞれのモデルに込めた想いといったものが、きっとわかっていただけると思います。

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