伊奈学園総合高等学校(埼玉県)

CLARINETS Spirit of Yamaha Clarinets

全国大会出場校に聞く!部員たちの本意が活きる伊奈学園の活動と音楽づくり
伊奈学園総合高校は、全校生徒が2400人いるマンモス校。吹奏楽部も、中学生を含めて部員250人を越す大所帯だ。全員集合するとご覧のとおり(これでも全員ではない!)

中学、高校、そして一般と、3部門で全国大会出場という偉業を果たした埼玉の伊奈学園。それらのバンドすべてを指揮している宇畑知樹先生に話を聞いた。

この記事は、月刊誌「バンドジャーナル」2007年12月号~2009年4月号に掲載された内容を一部改定して転載しており、取材当時の内容になります。制作:音楽之友社

埼玉県立伊奈学園総合高等学校 埼玉県立伊奈学園中学校 吹奏楽顧問 宇畑 知樹先生の写真
埼玉県立伊奈学園総合高等学校 埼玉県立伊奈学園中学校 吹奏楽顧問
宇畑 知樹先生

今年、中学、高校の吹奏楽部、OB吹奏楽団と3部門で全国大会出場を果たした埼玉県の伊奈学園。総勢300人近いメンバーを指揮するのが、顧問の宇畑知樹先生だ。宇畑先生はこの学校の第1期生。武蔵野音楽大学(トランペット専攻)を卒業後、同校に赴任したそうだ。
「友達と一緒に吹奏楽部を創り、僕が初代部長を務めました。音大2年のときに、顧問の先生の代わりに指揮をしたのが最初で、それからもう20年になります」

だが、赴任して最初の4年間は、どうしても全国に行けずに悩んだという。
「その頃は『俺についてこい』という感じだったのですが、5年目ぐらいから、歌やリトミックを取り入れ、生徒のリーダーに練習を任せ始めたんです。そうしたら次第に良くなって、全国大会に行けるようになりました」

大所帯での活動形態はユニークで、高校生は、普門館を目指すチーム、マーチングのチーム、管楽合奏コンテストなどに参加するチームの3つに分かれている。
「どのチームで活動するかは自分で選ばせています。去年はマーチングをやったけれど、今年は普門館を目指してみたいと変えることもできるんですよ」

それにしても、大人数をまとめて高いレベルを維持するのは、相当大変に違いない。その練習方法を聞いてみると……
「全員が、毎月1人30分の個人レッスンを受けています。レッスンの先生には、エチュードやロングトーンなど基礎練習を中心に見ていただく。その部員に合った奏法を教えてもらい、それが合わさったときに美しいものができればと思っています。僕はバンドの音を作ることを中心に行っています。」

余計な心配をせずに音楽を表現できる楽器を

埼玉県立伊奈学園総合高等学校吹奏楽部 練習風景の写真
6年前にできたばかりの同中学は、全校生徒240人のうち吹奏楽部員は45人。今回初の全国大会出場を果たした

バンドのサウンドは、
「クラリネットならクラリネットのセクションで、1つの響きがあるべき」と考えているそうだ。「そのためには、響きにムラがなく、部員が吹きやすい楽器を使うのが一番。しかも、調整がちゃんと行き届いて、常に安定した状況を保てる楽器が必要です。そういう方針で部員に吹き比べさせて選ばせたら、自然にヤマハの楽器が増えて、全国に行き始めた10年ぐらい前から大半の楽器がヤマハになりました。やはり、吹きやすければ、本人が余計な心配をせずに音楽を表現できますからね」

事実、生徒の相性や好みに合わせて選んだ結果、クラリネットの機種は統一されていない。SEやCSなどバラバラだ。
「各々の顔が違うように、音色が違ってもそれを混ぜるのが僕の仕事。もちろん音程が良いことが大前提ですよ。調律していないピアノで音楽できませんから」

埼玉県立伊奈学園総合高等学校吹奏楽部 練習風景の写真
練習は高校と同じ場所で行われ、宇畑先生と部員が念入りに打ち合わせをして、効率のよい練習メニューを組んでいる

また、打楽器をヤマハにしてから、バンドの響きが格段に向上したと強調する。
「最後の仕上げで気になるのは打楽器です。ヤマハの打楽器は、サウンドもメンテナンスも常にベストの状態が保てるので、絶対的な信頼を寄せています。鍵盤打楽器についても、メーカーによってピッチが違うという心配もありません」

ずばり、全国大会に行く秘訣は?
「難しい質問ですね(笑)。妥協しない、諦めないこと。すぐに部員のせいにしないことでしょうか。どの部員もみな可能性を持っていますから」

埼玉県立伊奈学園総合高等学校吹奏楽部 クラリネットパートの写真

クラリネットパートに聞きました!

クラリネットが大好き! というみなさん。「クラリネットは木の音がするところが好き」、「木管のきれいな音が出せるように練習しています」、「豊かな表現ができるように良い音をたくさん聴いています」、「暖かい音から厳しい音まで持っているところが好き。今の楽器は自分がイメージしたとおりに吹けるのでとても気に入っています」

宇畑 知樹先生に質問

Q クラリネットの音色で気をつけることは?
A 「金管楽器に音量で勝とうと考えるな、ということでしょうね。同系の音で勝とうと思うから聴こえないのであって、各々の色が違っていれば、無理をしなくても絶対に見えます。クラリネットは艶と色で勝負しましょう」

Q 美しい和音を作るためにどう練習している?
A 「きれいに合った和音を体感させるために、声を出して合わせたり、他の人の音に重ねて吹かせたりしています。それによって、メンバーが自発的に音程を合わせ、きれいな和音を作る力がつくように練習しています」

埼玉県立伊奈学園総合高等学校

今年創立25周年を迎えた同校は、生徒が自由に時間割を決める総合選択制を導入。人文や理数、体育など7つのコース(芸術コースの中には音楽もある)を選ぶシステムで、自分の進路に合わせてより専門的な授業を受けられるメリットもある。中高一貫も併設し、その実験的な教育システムは注目されている。部活動も盛んで、吹奏楽部は高校の部で吹奏楽コンクール、マーチングコンテスト、管楽合奏コンテストの全国大会で金賞や最優秀賞を受賞するほか、今年は中学の部やOBバンドも全国大会出場を果たした。

伊奈学園総合高等学校公式ホームページ別ウインドウで開きます

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