ヤマハルーターでつくるブロードバンド企業ネットワーク

企業ネットワークの「VPN」と「VoIP」を推進

ヤマハ株式会社 AV・IT事業本部 マーケティング室 課長代理 平野 尚志 氏
ヤマハ株式会社
AV・IT事業本部
マーケティング室 課長代理
平野 尚志 氏

ヤマハは、ルーター開発・販売を開始してから今年でちょうど10年という節目の年を迎える。ネットワーク機器メーカーとして長い実績を積み、常に顧客の視点に立った製品を開発し、ソリューションを提案することで、大きな信頼を得ている。ヤマハ株式会社 AV・IT事業本部マーケティング室 平野尚志氏は、豊富な導入事例を基に、ヤマハが培ってきた実績と今後の展開について語った。

ネットワーク機器への取り組みは今年で10年という節目を迎える

ヤマハの通信機器開発・販売は、1987年の世界初のDSP(Digital Signal Processor)化を行ったアナログ回線用モデムLSIの発売に端を発する。これに続くISDN LSIの開発を基にして、ISDNリモートルーター「RT100i」の発売からヤマハのルーターが始動した。そして、インターネットVPNへの取り組みが本格的に始まったのは、1985年の「RT140e」(LAN×2 ポート、BRI×1ポート)、セキュリティーゲートウェイ機能のリリース(IPSec Version2 I-Draft対応)からである。

ヤマハでは、1998年から2000年にかけて「繋がる」という提案を中心にインターネットVPNの導入を行ってきた。具体的には、専用線やフレームリレー(FR)網から、距離に依存せず、定額なインターネットVPNへの置き換え、また、CATVによるインターネットVPNなどである。

ここでの問題点は、まず固定アドレスが必要なこと。これに関してはダイヤルアップVPN機能の提供で解決した。またバックアップ機能にはトンネルバックアップ機能の提供をおこない、スループットに関してはIPComp機能で向上を実現した。セキュリティーゲートウェイの実装には、常に既存ユーザー(ルーター設定者)の視点で扱いやすさを重視し、ISDN回線や専用線を利用するのと同じ考え方でインターネットVPNが利用できるような設計を行ってきた。

“使える”ネットワークの提案としてVPNルーター「RTXシリーズ」を投入

2000年から2002年にかけてのインターネットVPN導入のキーワードは、“使える”工夫である。ネットワークというものが社会にしっかりと根付き、動いていて当たり前の時代になったこの時期、ネットワークが切れたら大騒ぎであった。このような状況の中、企業はとにかく切れないネットワークを望んだ。そこで、ヤマハでは、「RT140i」の実績からISDNバックアップ機能を盛り込んだインターネットVPNを提案。

また“使える”という意味では、ブロードバンドを生かしたインターネットVPNを紹介。「RT300i」と「RT140e」でバックアップと帯域拡張を実現した。この間、手がけた企業においては、専用線と比べてかなりの通信コスト削減が実現している。平野氏は「専用線やIP- VPNからの置き換えで、コスト30%削減、年間1,200万円削減、コストを約4分の1に削減などを達成した企業もあります」とその効果を説明する。

さらに2002年から2004年にかけては、“使える”提案を行ってきた。ここで中心となったのはイーサアクセスVPNルーターRTXシリーズ「RTX2000」と「RTX1000」である。高速回線を利用したネットワーク全体のスピードアップ、低価格でのネットワーク構築、あるいはコストダウンなどを目的として導入を行った。

特に“使える”提案という意味では、ISDNバックアップ、ブロードバンドバックアップなど信頼性をさらに高めたバックアップソリューションの提供も実現。さらに、多拠点間接続に高性能センタールーターを低コストで導入できるのも大きな特長である。
これらによって、全国に多数の拠点をもつ企業に“使える”ネットワークの提供が可能となった。例えば、200カ所以上の拠点でPOS端末を数多く抱えるドラッグストアのインターネットVPNとISDNバックアップを整備し、顧客情報の吸い上げ、グループウェア、販促資料の配付など、実際に“使える”ネットワークを実現している。

さらに、ある製造業などには、既存のネットワークにインターネットVPNを追加して、帯域の拡張も行った。また、全国に15カ所の拠点を持つ流通業者においては、IP-VPNとインターネットVPNを併用して、回線と機器の両方を相互に冗長化するという構成の導入も実施した。その結果、信頼性の向上はいうまでもないが、パフォーマンスの向上とコスト削減も同時に実現することができた。そのほか、銀行や公共機関など、多くの企業や機関に実績を挙げている。

ヤマハが培ってきた10年の歴史

ヤマハが培ってきた10年の歴史

ヤマハの技術を結集して登場したイーサアクセスVPNルーター「RTX1500」

今後、インターネットVPNはどのように展開していくのだろうか。平野氏は講演の中で、「まず、ブロードバンドを活用した企業ネットワーク、VoIP利用ネットワーク、中小規模のインターネットVPNをどのように提案していくかです」と、3つの課題を挙げた。

ここで中心となるのがイーサアクセスVPNルーター「RTX1500」だ。RTX1500は、光化する閉域網で安心して使える拠点用ルーターで、独自のQosアルゴリズム「Dynamic Traffic Control」でブロードバンドの有効活用を実現した。「RTX1000」の機能を継承し、BRI 2ポート、閉域網対応、多彩なバックアップ機能など、さらに機能・性能が強化されている。

平野氏は、「閉域網とIPsecの並列によるインターネットVPNでの帯域拡張、閉域網とIPsecの直列による幹線と支線、閉域網とIPsecの多重化による高セキュリティーの確保が挙げられます」と、最近のトレンドを紹介する。
ヤマハは、VoIP利用のソリューションにおいても、IP統合による高負荷環境に対して「RTX1500」の高いパケット処理能力、QoS処理能力・精度でネットワークの安定運用を実現していくという。

PDFダウンロード(464Kバイト)

出典: 日経BP社「日経NETWORK」

ページトップへ戻るReturn to Top