クラリネット奏者 赤坂達三さん

#09

赤坂 達三さん

クラリネット奏者

いつでも音が出せるスペースがある。これは何物にも代え難い贅沢ですね
 
クラリネットを始めたのは中学の時。ちょうどその頃ジャズの大御所、ベニーグッドマンの来日公演を武道館で見て、いろいろな音色を兼ね備えたクラリネットという楽器がますます好きになったんです。それで普通高校から音大に進み、十九才の時、留学を決意してフランスに渡りました。
 
フランスは専門教育がすごく発達していて、入学試験も卒業試験もクラリネットだけ吹ければいい。そのかわり、試験は厳しいですよ。猛練習が必要なのです が、パリも東京みたいに住宅事情が良くないので、壁が薄かったり、上下階に音が響いたり。それに規則が厳しい。何時以降は絶対音を出してはいけない、何時以降は風呂に入るな、とかね。じゃあ学校に行けば練習できるかというと、学校でも全員ぶんの練習室を用意しているわけではない。練習のためにわざわざ地下室を借りたりもしました。  
 
東京に帰ってからは、グランドピアノ可の住まいをさがしました。だけど、いくら音出し可の部屋といっても、夜中に音を出すのは憚られる。それで、アビテックスの二畳タイプを導入したんです。コンサートが終わって夜十一時頃帰宅して、それからでもちょっと音を出したり、楽器を触りたくなる時があるのです が、アビテックスがあれば、練習している、という気配すら感じさせずに、いつでも音が出せる。ちょっとリード選びをしたい、とか、譜読みをしたい、という時に、いつでも音の出せるスペースがあるというのは、すごく贅沢なことですよね。  
 
それにアビテックスは、音の響きが実に自然。二畳相当という空間で、吸音と反射のバランスがよく、楽器の倍音まできちんと再現して、本来の楽器の音色を損なわずに出すことが出来る。これはすごいことだと思いますね。練習場所がなくて困っているアマチュア奏者の方々にとっても、こんなに便利な商品はないんじゃないでしょうか。
 
 

アーティスト情報

 
あかさかたつぞう
1964年東京生まれ。国立音楽大学で学んだ後、渡仏。87年パリ国際音楽コンクール第1位、91年トゥーロン国際音楽コンクール第3位、日本木管コンクール第1位など輝かしい受賞歴を持つ。テレビ、ラジオにも多数出演、99年春のNHK連続テレビ小説『すずらん』主題曲を吉田美奈子とデュエット、大きな反響を呼ぶ。CDにはゲーデ・トリオと録音した『ブラームス、モーツァルト:クラリネット五重奏曲』(02年)など。

赤坂達三 Akasaka Tatsuzo Scope
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