第4回 続・メロディーと和音 - 短調 -

作曲入門講座

第4回 続・メロディーと和音 -短調-

リコどんのもとに1通の手紙が届きました。りこっちからです。

リコどん様、お元気ですか?

 

今度のレッスンを楽しみにしていたのだけど、私、ぴあっちの歌のツアーコンサートに一緒に参加することになっちゃって1ヶ月くらい家に戻れないの。そこで手紙に同封した「レッスンノート」をもとにして、作曲を続けてみて欲しいの。 今回は『短調の和音』がテーマとなるんだけど、リコどんが作曲した「悲しみ」という短調のすばらしいメロディーがあったじゃない?あのメロディーに和音を付けてみてね。

それでは今度会う日を楽しみにしてるよ。

 

りこっちより

早速リコどんはりこっちの書いてくれた「レッスンノート」を見始めました。

りこっちの「レッスンノート」

短調における和音

  • イ短調(aマイナー)における三和音と属七の和音
  • Iの和音における左手伴奏形の例(4分の3拍子)
  • 短調におけるカデンツの例
※和音の進行は前回話した長調と変わらないが、音階の7番目の音(ここでは『ソ』の音)が半音上がっているのに注意

和音の転回形

前回はリコどんの音の感性で選ぶように話したけれど、一応簡単に楽譜に示しておくことにするよ。
  • ハ長調Ⅰの和音における転回形
  • ハ長調Ⅴ7の和音における転回形
  • イ短調Ⅰの和音における転回形
  • イ短調Ⅴ7の和音における転回形
りこっち
「長調、短調のどちらも形の変化は同じ。和音におけるバス(最低音)の選びかたはとても大切だよ。今回は1つだけ使い方のコツを話しておくね。」
  • 和音の転回形の用い方
バス(和音の一番低い音)どうしを隣の音でつなげるようにすると、前に進もうとするエネルギーが生じるので、その音のエネルギーを感じながら転回形を用いてみると良い。いろいろ試しながらメロディーが生き生きと流れるバスを選ぶようにすること。
  • イ短調における転回形使用の例


りこっち
「リコどん、今回のレッスンは以上で終了だよ。"悲しみ"がどんな風に仕上がったか楽しみにしてるよ。」

リコどん リコどんはりこっちの心づかいをとてもうれしく思いました。ピアどんから借りたキーボードで何度もりこっちの書いてくれた「レッスンノート」を弾いてみながら、自分の作った「悲しみ」のハーモニーを思い描いていました。



それから3日後、和音の基本形だけを使って、「悲しみ」の和音を付けてみました。それからまた4日後にはリコどんの思いがこもった「悲しみ」の曲を完成することができました。
  • 和音の基本形による「悲しみ」
  • 和音の転回形を考え、完成した「悲しみ」

(基本形との違いが比較できるように、基本形も示してある)



今回の「音楽メモ」はりこっちの書いてくれた「レッスンノート」となりました。リコどんはりこっちからの突然の手紙で、楽しみにしていたレッスンがなくなり、少しがっかりしました。
でも、りこっちの「レッスンノート」をもとにして「悲しみ」のハーモニーを完成させたときはうれしくて、すぐにでもコンサートで旅をしているりこっちのもとに飛んで行きたい気分でした。