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ロマン主義音楽の背景

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音楽史について学ぶ

19世紀の音楽

ロマン主義音楽の背景

18世紀のヨーロッパを支配していた啓蒙主義は、理性を偏重し過ぎ、伝統を軽視する傾向があったため、19世紀になると、それに対する反動としてロマン主義が生まれてきました。冷徹な理性よりも、人間に本来自然に備わっている感情を重視し、それを空想的、夢幻的、牧歌的な世界への憧れという形で表現したのがロマン主義です。ロマン主義はまた、なによりもまず個人の人間性を尊重する芸術でもありました。
ゲーテ
ゲーテ

シラー
シラー
特にドイツにおいてその傾向は著しく、1770年代の〈シュトルム・ウント・ドランク〉(疾風怒濤)とよばれる文学運動に始まったその運動は、ゲーテ(J. W. von Goethe, 1749-1832)やシラー(J.F. von Schiller, 1759-1805)などによって推し進められていきます。19世紀に入ると、さらに、シュレーゲル兄弟(兄アウグスト August W. Schlegel, 1767-1845。弟フリードリヒ Friedlich, 1772-1829)、ノヴァーリス(Novalis, 1772-1801)、ハイネ(H. Heine, 1797-1856)、グリム兄弟(兄ヤコプ Jacob. Grimm, 1785-1863。弟ヴィルヘルム Wilhelm, 1786-1859)などの作家や詩人などが輩出し、ロマン主義文学の花が開いていったのです。

同じ頃、フランスではシャトーブリアン(F. G. Chateaubriand, 1768-1848)をはじめ、ユーゴ(V. Hugo, 1802-85)、ラマルティーヌ(Lamartine, 1790-1869)、ミュッセ(A. de Musset, 1810-57)などのロマン派の詩人、ショパンとの恋愛で知られるジョルジュ・サンド(George Sand, 1804-76)などの作家が登場し、ロマン主義から写実主義的傾向が高まってきます。また、イギリスには、ワーズワース(W. Wordsworth, 1770-1821)、バイロン(L. Byron, 1788-1824)、シェリー(P. B. Shelley, 1792-1822)、キーツ(J. keats, 1795-1821)、テニソン(A. Tennyson, 1809-92)、ブラウニング(R. Browning, 1812-89)などの詩人が輩出し、デンマークには童話作家として有名なアンデルセン(H. C. Andersen, 1805-75)が現れます。

さらに19世紀の中頃になると、フランスにはゴンクール兄弟(兄エドモン Edmond de Goncourt, 1822-96。弟ジュール Jules de, 1830-70)やゾラ(E. Zola, 1840-1902)などが出て、自然主義の運動を展開し、《女の一生》で有名なモーパッサン(G. de Maupassant, 1850-93)も同じ時期に活動を始めます。自然主義の運動はイギリスにも見られ、ディケンズ(C. Dickens, 1812-70)やハーディ(T. Hardy, 1840-1928)などが活躍。ドイツではハウプトマン(G. Hauptmann, 1862-1946)が劇作面での仕事を遺しています。

ロシアでは詩人のプーシキン(A. F. Pushikin, 1799-1837)やゴーゴリ(N. Gogol, 1809-52)をはじめ、ツルゲーネフ(I.S. Turgenev, 1818-83)、トルストイ(C. L. N. Tolstoy, 1828-1910)、ドストエフスキー(F. Dostoevsky, 1821-81)、チェーホフ(A. P. Tchehov, 1860-1904)といった、私たちが日頃親しんでいる文豪が次々と輩出されています。
《人形の家》で知られるノルウェーのイプセン(H. Ibsen, 1828-1906)や、スウェーデンのストリンドベリ(A. Strindberg, 1849-1912)なども忘れることができません。

そうした文学面における多彩な活動と並行するように、美術の世界でも多くの重要な画家たちが登場します。強烈な色彩感で知られるドラクロア(F. V. E. Delacroix, 1798-1863)をはじめとして、コロー(J. B. C. Corot, 1796-1875)、ミレー(J. F. Millet, 1814-75)、ドーミエ(H. V. Daumier, 1808-79)などが現れて、写実主義、現実主義、自然主義といったそれぞれの特色を示しながら、ロマン主義絵画の世界を築き上げ、19世紀末の印象主義へと結びついていったのです。

一方、思想界も18世紀末から19世紀初めにかけて、ドイツにカント(I. Kant, 1724-1804)が出て、その批判哲学による近世的な人間像を打ち立て、その思想は、フィヒテ(J. G. Fichte, 1762-1814)、シェリング(F. W. Schelling, 1775-1854)、ヘーゲル(G. F. W. Hegel, 1770-1831)らへと受け継がれていきます。19世紀の後半になると唯物論のマルクス(K. H. Marx, 1818-83)が登場。また、同時代のフランスでは実証哲学が盛んでしたし、イギリスでは、ベーコン以来の経験主義哲学に基づいて、ミル(J. S. Mill, 1806-73)やスペンサー(H. Spence, 1820-1903)などが活躍します。こうした文芸方面や思想界の動きは、ウィーン体制の崩壊に始まる国民主義的な傾向と結びついて、しだいに現実主義的傾向を生み、写実主義や自然主義的な傾向を経て、19世紀末のデカダンスへとつながっていくことになります。

自然科学の世界も、産業革命を契機として、急速に進歩していきます。エネルギー不滅の法則の発見に貢献したマイヤー(J. R. von Mayer,1814-78)やヘルムホルツ(H. Helmholtz, 1821-94)、電池の発明者ヴォルタ(A. Volta, 1745-1827)や電磁気についてのさまざまな発見で知られるファラデー(M. Faraday, 1791-1867)、進化論のダーウィン(C. Darwin, 1809-82)、遺伝学のメンデル(G. J. Mendel, 1822-84)、医学のパストゥール(L. Pasteur, 1822-96)、符号式電信の発明者モールス(S.F.B. Morse, 1791-1872)や電話の発明者ベル(A. G. Bell, 1847-1922)、さらに電球をはじめとする多くの発明で知られるエディソン(T. Edison, 1847-1931)などが、この時代に続々と登場します。これらの人名を列挙しただけでも、私たちの現在の生活に、19世紀の人々がいかに重大な貢献をしたか、そして、これまでの世紀に比べて、文化や暮らしの進歩がいかにスピードアップしてきたかがわかるでしょう。

社会や政治の面からみれば、フランス革命により、ヨーロッパの絶対主義体制の一角が崩れた後、ナポレオンの出現と彼の敗退、その決着をつけるべく開かれたウィーン会議とそれによる反動体制、さらに民族国家の独立を目ざしての革命や国民運動といったように、社会体制を根本から揺り動かすような激動が続いた世紀でもありました。国によりそれぞれに事情は違っていたとはいえ、フランス革命によって打ち立てられた「人間は平等である」という思想は、人々の中に深く浸透していくことになりました。個人的な感情を大切にするロマン主義の思想も、つまりは、そこから生れてきたものといえます。
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