ベクトルは一つ、日本へ元気を、エネルギーを。そして恩返しを。世界のトップ・ジャズメンが集結した

「Live & Let Live - Love For Japan」

小曽根 真 & Friends 2011.7.27 Release.

チック・コリア、ゲイリー・バートンなど参加アーティスト達が録音現場で語る。

小曽根 真の呼びかけで世界のトップ・ミュージシャン達が東日本震災復興のために集結。 国も人種も超えて、音楽という世界共通の言葉で日本、そして日本人の人々に愛を贈ったアルバムが出来上がりました。このアルバムの収益の全ては公益社団法人メセナ協議会GBFund「芸術・文化による震災復興支援ファンド」に寄付されます。

Interview to MAKOTO OZONE

 まず僕自身が神戸の出身で阪神・淡路大震災を知っています。その場を経験したわけではないけれど、その後の復興支援のためにチャリティ活動を色々やってきました。今回の東日本大震災では、ちょうど芝居の仕事を抱えていて(注:井上ひさし「日本人のへそ」のこと)、気持ちはそこに向かっていても、その時はどうすることもできませんでした。
 以後、「自分に出来ることは何だろう、何をすべきなんだろう」と、ずっと考えてきました。そんな時、妻が「良い音楽を創ること、CDを創ること、それが被災されたみなさんの役に立つように」と、ぽんと背中を押してくれました。そこから広がっていったように思います。

 長年親しくしているミュージシャン達に呼びかけのメールを送りました。すると、ものすごいスピードで反応が。早い人ではものの2分で返事が!みんな、日本のために何かしたいと考えてくれていたので、コトはとんとん拍子に進んでいきました。「日本へ元気を、エネルギーを届けたい。そして今までの恩返しをしなくては・・・。」心は一つでした。
 CDというパッケージにしたのは、復興にはとてつもなく時間がかかるだろうし、長期戦になると思ったからです。一番大変なのは被災された現地の方々ですが、サポートする側・支援する人々も時間の経過と共にだんだん疲れてきます。だから世界中の人々がこのCDを手にとって聴いていただくことで、それが結果的に被災されたみなさんの少しでも助けになればと思いました。

 一番大変だったのはスケジュールの調整、みんな忙しいミュージシャンばかりですからね。僕自身がレコーディングでNYに居られるのはわずか3日間、そのうちの1日はフロリダのチック・コリアのスタジオへ飛んで行きました。彼のスタジオでレコーディングしました。
 パキートは自分のリハーサルの合間を縫ってスタジオに駆けつけてくれましたし、クリスチャン・マクブライドは決まっていたスケジュールをずらして、このCDのために協力してくれました。ランディ・ブレッカーなんかヨーロッパ公演から帰国して、J.F.K空港からスタジオに直行してくれたんですよ。録音が終わると彼は2時間かけて自宅へ帰っていきました。

 決して無理はしないで、負担はかけたくない、と繰り返しみんなに伝えていたけれど、全員のファースト・プライオリティがこのアルバムを創ることに向けられていたんですね。本当に感謝の気持ちでいっぱいです。全体のプロデュース・コーディネートは自分とユニバーサル・ミュージックの篠原さんとでやりましたが、みなさんがとても協力的だったので、どれだけ助けられたことか。例えば、アルバムに参加してくれたストリング・セクションのみなさんは、以前に僕が共演した指揮のジョシュアが自分のフェイス・ブックで呼びかけてくれ、あっと言う間にニューヨーク在住の弦楽奏者達が集まってくれました。みんなボランティアです。

 そして、このアルバムを世界に出すと決めた時から、日本語の歌を入れようと思っていました。本当に美しい日本語の音を世界中の人々に聴いて頂きたい、「ふるさと」は被災された方々にも届けたい歌。レコーディングのスタートでジェイク・シマブクロへ会いにスタジオに来てくれた妻の神野三鈴に突然頼んで歌ってもらいました。

 これも妻の言葉なのですが「僕らは今回の災害によって意識改革をしなくてはならない」と思うんです。これだけ世界がグローバル化と言われている中、正直言って、以前に起きたスマトラ島の大津波など様々な大きな自然災害に対して、とても大変なことが起こったと知ってはいても、自分達の地球で起こっていることとしてみんなが捉えていたかどうかは疑問です。理屈ではわかっているつもりでも、今回のことで僕自身もあらためて気がつかされました。

 みんなが「生きる」「生かされている」、「みんなが手を繋ごう」、このアルバムにはそんなメッセージも込めたつもりです。だからCDジャケットの中で、参加したメンバー全員が手を繋いでいる、これは今回ピアノの調律を担当したヤマハの曽我さんが撮ってくれました。ジャケットの中に掲載している写真もすべて彼が撮影しました。NYのスタジオに用意してもらったピアノも最高だったけれど、彼はカメラのセンスもすごいんですよ。

 そして、何と言っても、素晴らしいジャケットをデザインして下さったのが佐藤可士和さん!
もともと友人として親しくお付き合いさせていただいていましたが、今回のプロジェクトについてお話しすると、彼もアーティストの一人として参加して下さる事になったんです。ミュージシャンとはまた違った立場から、僕達の音楽を表現して下さったと思います。エネルギーにあふれた素敵なデザインでしょう?元気が出てきます。本当にうれしいです。

 様々な色が入っていて、人種を超え、肌の色を超え、宗教を超え、言葉を超え、音楽が本当にユニバーサル・ランゲージであることを表現できたアルバムです。ぜひ一人でも多くの世界中の方々に聴いて欲しい、そして被災された東日本のみなさんが一日も早く元気に、笑顔を取り戻せるように、心からそう願っています。

―― 2011.夏 東京にて 小曽根 真

Live & Let Live - Love For Japan
Live & Let Live - Love For Japan リブ・アンド・レット・リブ - ラヴ・フォー・ジャパン / 小曽根 真 & Friends
2011年7月27日発売
ユニバーサル・ミュージック UCCJ-2089 3,000円(税込)
<収録曲&参加アーティスト>
  • 1. ブルー・ボッサ (Kenny Dorham)
    チック・コリア(p), 小曽根真(p), ゲイリー・バートン(vibraphone)
  • 2. クヤヴィアク (Traditional song based on Chopin: Mazurka No.2)
    アナ・マリア・ヨペック(vo), 小曽根真(p)
  • 3. ゴールデイズ (Jeff "Tain" Watts)
    小曽根真(p), クリスチャン・マクブライド(b), ジェフ・テイン・ワッツ(ds)
  • 4. ヴァリエーションズ・オン・ア・ダンス (Jake Shimabukuro)
    ジェイク・シマブクロ(ukulele), 小曽根真(p)
  • 5. ノー・グレイター・ラヴ (Isham Jones)
    ランディ・ブレッカー(tp), 小曽根真(p), クリスチャン・マクブライド(b), ジェフ・テイン・ワッツ(ds)
  • 6. サマータイム (George Gershwin / DuBose Hayward)
    ゲイル・モラン・コリア(vo), チック・コリア(p), 小曽根真(p), ゲイリー・バートン(vibraphone)
  • 7. アダージョ (W. A. Mozart / P. D'Rivera)
    パキート・デリヴェラ(cl), 小曽根真(p), Zach Brown(b), Eric Doob(ds), Fung Chern Hwei,
    Gregor Huebnet,Rachel Golub, Jesse Mills, Cyrus Beroukhig & Andrea Oey(vl),
    Aleksandr Nazaryan & Ronald Laurence(vla), Leigh Stuart & Rubin Kodheli(vc)
  • 8. アム・アイ・ア・ドリーマー? (Improvisation by Makoto Ozone)
    小曽根真(p)
  • 9. ふるさと (Teiichi Okano / Tatsuyuki Takano)
    神野三鈴(vo), 小曽根真(p)
<録音>
  • 2011年4月29日東京、5月22日フロリダ、5月23~24日ニューヨーク

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