おとまち 音楽の街づくり事業

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持続可能な社会資産の創造へ

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「おとまちが目指すべきもの」

日本財団 町井則雄さんインタビュー ~後篇~2014.03.26

町井則雄氏
町井則雄氏日本財団 経営支援グループ
CSR企画推進チームリーダー
1968年生まれ。日本財団に入会。阪神・淡路大震災発生直後から被災地に入り、災害ボランティアの支援を担当。「日本財団公益コミュニティーサイト『CANPAN(カンパン)』」の企画・開発や、企業のCSR活動を一覧化したデータベースサイト「CANPANCSR プラス」の開発を行う。現在は企業が取り組むCSRをサポートするための業務を中心的に行っている。

音楽やエンターテインメントが持つ新たな可能性、そしておとまちに期待すること

日本財団 経営支援グループCSR企画推進チームリーダーの町井則雄さんへのインタビュー後篇。町井さんとおとまちとの出会いや、新たな市場を創出することについて、そして町井さんが考えるおとまちがこれから目指していくべきものについてお話を伺いました。
町井さんがおとまちを知ったきっかけをお聞かせください。
我々日本財団は、2年前に東京ミッドタウンのデザインハブで「世界を変えるデザイン展」という、世界の貧困層の課題を解決するプロダクトを集めた展覧会を行いました。イベント自体は多くの注目を集めて成功したのですが、自分の中に大きな課題が残りました。というのも、世界中の企業からの出展があったにも関わらず、日本の企業はわずか2社しか出せなかったんです。その2社もまだBoP事業と呼べる内容ではありませんでした。日本が世界に誇るグローバル企業は1社も展示できなかったということが、日本企業の世界における役割を考えた時に非常に悔しかったのです。

そんな悔しさもあり、次の「未来を変えるデザイン展」では"日本の企業"にある程度絞って、日本の企業がやろうとしている社会課題の解決を社会に正しく理解してもらうための企画展にしようと思いました。そこで我々がリサーチした日本の企業の紹介したいプロジェクトの一つが「ヤマハ音楽の街づくりプロジェクト」でした。
町井さんはおとまちについて、これがビジネスになるという手応えを感じられたのでしょうか?
僕らもまだ明確な答えを持っているわけではないのですが、たとえば、どこの国にもある"郵政省"。なぜ郵政省が存在するのか私たちは普段意識しません。しかし、A地点からB地点まで手紙という"情報"や"物"が安価な金額で届けられるというのは、近代国家の条件のひとつなんです。つまり国の施策としてやらなくてはいけなかったことなのです。

しかし時代が進んでインフラが整備されてきたときに、「これはビジネスになる」と思った企業が現れ、国や制度と戦ってビジネスにしました。具体的にはヤマト運輸なんかがそうですね。元々は税金で行われていた公共事業が新しいビジネスになった瞬間です。

イノベーションには、こういったドラスティックな考え方が必要です。それは"マーケットをつくる"ということとニアリーイコールだと私たちは考えています。

ヤマハは楽器を作るメーカーとしての色を強く持っていますが、30年後にはもしかしたら街づくりの会社として認識されているかもしれない。たとえばアップルも昔はニッチなパソコンメーカーでしたが、今は違う。アイポッドやiPhoneによって消費者の行動様式を変えるまでにいたりました。そもそも創業者のスティーブ・ジョブズは、アップルを単なるPCメーカーだとは思っていなかった。私はおとまちというプロジェクトについてはそのようなポテンシャルを感じています。なぜなら、街づくりにはたくさんの課題があるからです。そして音楽やエンターテインメントは祖父母から孫まで3世代がつながることができる、優れたコミュニケーションツールです。そして今の若い世代は特に、イベントなどデジタル化できないリアルな「場」を強く求めています。
おとまちがこれから目指していくべきものはなんだと思われますか?
プロジェクトとして進化させていく過程で重要なのはやはりマネタイズだと思います。単なる企業の社会貢献ではなく、本業を通じた社会貢献であるべきです。単に寄付をするだけというのも一時的には良いのですが、それは持続可能ではありません。
音楽というツールを通した社会課題解決のケースを作っていただきたいです。確実にエンターテインメントという分野はこれからも伸びると思います。なぜなら社会課題の解決につながる可能性を秘めているからです。いまはまだ業界全体が商業主義的なところから抜けられていませんが、徐々にシフトしていくと思います。ですので、コストとしてではなく投資として捉え、新しいことに挑戦していってほしいです。築き上げたネットワークと、培った経験、そして磨いたブランドの3つはそう簡単に盗めません。だから必ず最初にやることには大きなメリットがあるんです。

まだ我々が気づいていないだけで、テレビという通信に広告を組み合わせて巨大なマーケットを作り上げたようなことが、街づくりでも絶対にできるはず。突き抜けることができるはずなんです。
ボイス
大きくなった企業では、成功体験の中で仕事をするのがどうしても楽なのですが、今こそ「社会課題を解決する」という原点に立ち返らないと新しい事業は起こらない、という実感が私にもあります。大変なことではありますが、最近は企業のトップの方々や、若い方々の意識は強くなっているようにも思いますし、おとまちも特に若い方からの問い合わせが増えており、非常にやりがいを感じています。
おとまち/佐藤雅樹
おとまち/佐藤雅樹
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