Yamaha Acoustic Mind 2019~Circuit~ レポート

アコースティックギターの魅力を伝えるギターの祭典“Yamaha Acoustic Mind 2019~Circuit~”がスケールアップ!ISEKIさん(exキマグレン)を総合プロデューサーに迎え6回目となった今年は、名古屋、大阪、福岡、広島を巡り、東京で千秋楽という、まさにタイトル通りの“Circuit(サーキット)”展開。5公演それぞれに多彩なアーティストを迎え、熱いステージが繰り広げられました。
アコースティックギターのポテンシャル、豊かな表現力を改めて感じさせたイベントの模様をお伝えします。

今年は全5公演にISEKIさん、大石昌良さん、磯貝サイモンさん、名古屋・東京公演にAnlyさん、大阪公演に“さくらしめじ”さん、福岡公演に植田真梨恵さん、広島公演に森恵さんをお迎えする豪華キャスティング。

磯貝サイモンさんがステージピアノ『CP88』を操りISEKIさんの『Workman』でステージスタート!1曲目から手拍子が鳴り響き、ノリの良いアップテンポな楽曲に会場内は明かりが灯ったようなあたたかい空気に包まれます。

ISEKIさん 使用ギター:LL36 / FGX5

漆黒のステージに残ったISEKIさん。スポットライトの中でバラードナンバー「プロミス」をしっとりと歌い上げます。熟成された相棒の『LL36』から紡ぎ出される粒立ちの良いアルペジオと熱唱が、聴く者の心をぐっとつかみます。

磯貝サイモンさん 使用ギター:LJ36 ARE / FG401 / CGX171CC

磯貝サイモンさんには全公演出演いただきました!自身の名前はサイモン&ガーファンクルの大ファンの父親が名付けた本名(サイモンは漢字)だと明かし、会場からは納得と驚きの気配が伝わってきます。ヤマハのポール・サイモンモデルが一番最初に買ったギターで、4歳からヤマハ音楽教室に通った『ヤマハの申し子』と自ら語る磯貝さん。Acoustic Mindツアーの前に選定いただいた『LJ36 ARE』で軽快に弾き語る姿に、心が弾んできます。

今回のツアーに向けて磯貝さんが書きあげた新曲「暗闇にセイハロー」をISEKIさんと熱唱。

ステージ転換の合間には、ISEKIさんの『LL36』、磯貝サイモンさんの『LJ36ARE』の特長紹介コーナーも。お二人の軽妙なトークが会場の笑いを誘います。

Anlyさん 使用ギター:LL36 ARESTORIA II

幼少の頃からブルース、カントリーミュージックなどを聴いて育ったというAnlyさん。愛用の『LL36ARE』の心地良く伸びるサスティンと透明感のある力強い歌声に会場内の空気まで澄み渡ります。今年の夏に発売となった『STORIA II』に持ち替え、足元のループペダルを操り、重なり合うギターや歌声でメロディックな旋律を披露。変則チューニングやスラム奏法も織り込み、アコースティックギターそのものの響きを活かしつつ、デジタル要素を採り入れた演奏に観客も釘付け。今回のツアーでは初日の名古屋とラストの東京公演に出演いただきました。

大石昌良さん 使用ギター:LS36

全公演出演の大石昌良さん。ISEKIさんからの呼び込みでステージに登場。“弾き語りエンターテイメントの幕開けです!”と客席に呼びかけると会場の温度がぐっと上がります。メンバー紹介(?!)では、一人でボイストランペット、スキャットを披露。「オンギター!俺とヤマハギター!」の発声と共にハイテクニックな高速スラップを見せつけ、客席も一気に沸き起こります。愛用の『LS36』と歌を武器に、弾き語りの可能性を追求し続け、表現の高みに挑み続ける姿に息をのむ思いです。最終公演となった東京公演のラストは、故郷の宇和島で漁師を営んでいた亡き祖父への想いを歌に込めたナンバー。祖父と共に過ごした頃の思い出、見送りの際には人目も憚らず「またこいよ!」と大声で叫ばれ面映ゆかった当時の自分を振り返る大石さん。観客の方々も、歌詞の一言一言、紡ぎ出される一音一音に込められた想いを感じ、それぞれが大切にしている人を重ね合わせながら聴き入ったことでしょう。

さくらしめじ 使用ギター:田中雅功さん LJ36ARE / 髙田彪我さん FGX5

結成5周年を迎えた現役高校生フォークデュオ“さくらしめじ”が大阪公演に登場。多彩なジャンルを歌う二人が、「さくら」のようなキラキラとしたひなたの気持ちや、「しめじ」のようなちょっぴりじめっ、とした暗い部分にも寄り添えるように、という想いからバンド名を付けたことを披露。若さ弾ける二人のギターとキラキラ輝くハーモニーに、会場も手拍子で応えます。最後は「一緒に踊りましょう!」と呼びかけ、客席総立ちに!『LJ36ARE』と『FGX5』の切れの良いストロークにあわせ、旋律をリードしながら歌い上げ、客席とステージが一体になって盛り上がります。

植田真梨恵さん使用ギター:LJ26ARESTORIA I

福岡公演では久留米市出身の植田真梨恵さんが登場。フィンガー、ストロークを混ぜ合わせ、『LJ26ARE』の多彩な音色が会場に響きます。メジャーデビュー5周年を迎え、ずっとそこにあるような、受け継がれるものをこれから作り出していきたい、と“今”の想いを語る植田さん。ラストナンバーは故郷久留米の伝統的工芸品である「久留米絣」をイメージして作った「勿忘にくちづけ」。フィンガーピッキングがしっとりと響くバッキングにあわせて歌い上げます。白い衣装に身を包んだステージ上の植田さんにオフホワイトカラーの『STORIA I』が映えます。

森恵さん使用ギター:LL26ARESTORIA III

広島公演には、福山氏出身の森恵さんが登場。ふくよかでレスポンスの良い『LL26ARE』の響きと歌声が心に染み渡ります。森恵さんのパワフルな歌声に、切れのいいストロークをかき鳴らしたり、ハンドクラップでパーカッシブにギターを鳴らして重ねあわせたり、独創的なループプレイを披露。自然災害が続いていたことに触れ、客席の皆さんと共に笑ってこの場で会えたことに幸せを感じる、と語る森恵さんの言葉がぐっときます。ラストナンバーの「いつかのあなた、いつかのわたし」は、どこか懐かしさを感じさせるメロディ。『STORIA III』が時に優しく、ときにダイナミックに寄り添います。

アンコールに応えてISEKIさん、大石さんが、アコースティックバージョンの「どんなときも。」を披露。お二人それぞれの“アコースティックマインド”が伝わり、心があたたかくなります。

アンコールのラストは「ようこそジャパリパークへ」の大合奏!今回、新たな試みとして、全公演に出演する大石昌良さんの楽曲「ようこそジャパリパークへ」を出演アーティストと一緒に弾くスペシャル企画を実施。ご応募いただいた方々は、本番前はちょっぴり緊張した様子でしたが、演奏中は皆さんとびきりの笑顔に。アーティストと同じステージに立てた幸せに満ちたアンサンブルは、会場を埋めた客席の方々の心にも届けられたと思います。

各会場ロビーでは、スペースに応じた形で展示試奏コーナーを設置。出演アーティストの使用モデルが写真入りのPOPを添えて勢揃い。ギターを弾いてみたり、展示されたギターやアーティストパネルと一緒に写真を撮られたり、会場限定のSNS投稿キャンペーンに参加されたり、皆さんそれぞれの楽しみ方でロビーでの時間を過ごしていただきました。

東京会場では『アコースティックギター体験レッスン』を開催。ISEKIさんの楽曲「LIFE」を題材に、ギター講師の中村康太さんが分かりやすく解説。“ギター演奏経験ゼロ”という参加者の方々も、最初は弾けるか不安な表情でしたが、弾けた達成感に思わず笑みがこぼれます。ギター弾ける自分って、今よりちょっぴり好きになれる気がしますね。


「Yamaha Acoustic Mind 2019~Circuit~」全公演が無事終了!ヤマハアコースティックギターと共に素晴らしい音楽を届けてくれたアーティストの皆様、本当にありがとうございました。アコースティックギターが持つ表現力の高さを再認識した5日間でした。

そして、会場に駆けつけて下さった大勢の観客の方々に、改めて心から感謝の気持ちを贈ります。これからもヤマハアコースティックギターを応援よろしくお願いします。
ありがとうございました。


10月19日 名古屋ボトムライン

10月20日 心斎橋JANUS

10月26日 福岡スカラエスパシオ

10月27日 広島CLUB QUATRO

11月3日 品川インターシティホール

フォトギャラリー

Photo by 山路ゆか(※一部写真を除く東京公演のみ)