【導入事例】有限会社 ハイ・ポジション 様 / PAカンパニー / 岐阜
Japan/Gifu Jul. 2026
有限会社ハイ・ポジションは、岐阜県を拠点に全国各地のコンサートやイベント、レコーディングスタジオ運営からコミュニティFMの制作・運行まで幅広く手掛ける音響会社です。このたび多様化するニーズに応えるためヤマハのデジタルミキシングコンソール「DM7」を導入しました。
その選定理由や使い勝手、便利な機能などについて、ハイ・ポジションの林 優志 氏、林 雅也 氏、夏目 祐生 氏、林 摩耶 氏にお話を聞きました。
(メイン写真左から)
有限会社ハイ・ポジション 林 摩耶 氏、
同 林 雅也 氏
同 林 優志 氏
同 夏目 祐生 氏
同 夏目 依吹 氏
幅広い音のニーズに応える「総合力」と全国を駆け巡る「機動力」
有限会社ハイ・ポジションについて教えてください。
林 優志 氏:
ハイ・ポジションは1992年に創業し、今年で34年目となります。PAを事業の主軸に据えつつ、放送音声や配信などにも対応するなど、「音」に関するプロ集団です。当社の特徴は、規模やジャンルを問わない幅広い対応力です。社内にはレコーディングスタジオを完備しており、ラジオ番組の収録や、地元コミュニティFM「シティエフエムぎふ」の制作・運行技術も担当し、自社スタジオからの生放送も行っています。
一方で週末には音楽ライブや各種イベントのPAを担当するなど、規模の大小を問わず多様な現場をこなしています。これまで30年以上にわたり、長良川や大垣の花火大会、1万人を超える規模のアリーナクラスのSR、また各種プロスポーツ試合の放送音声など、ライブ音響から放送音声まで、幅広い分野で実績を積み重ねてきました。
東京でのイベント実績なども貴社のウェブサイトで拝見しました。
林 雅也 氏:
岐阜を拠点としながらも東京など遠方の現場をこなせるのは、他社にはない「機動力」があるからです。日本列島の中心である岐阜という立地に加え、自社でトラックやバンなどを複数台所有しているので機材を自走で運べます。比較的若いスタッフたちのフットワークの軽さも相まって、近年では東海3県にとどまらず活動の場を広げています。
東京との繋がりから幕張メッセでの大規模イベントに協力したり大阪の現場に走ってほしいとオーダーをいただいたりと、機動力を生かしておかげさまで全国を飛び回っています。
「DM7」の導入の決め手は、ヤマハの本気度
このたびデジタルミキシングコンソール「DM7」、「DM3」が導入されました。まず「DM7」の導入理由を教えてください。
林 優志 氏:
スタジオ開業時のコンソールはヤマハの「PM5D」でしたが、以降は主に他社製のミキサーを使ってきました。今回「DM7」を導入したきっかけは、それまでメインで使ってきたミキサーの更新時期が来たことでした。
更新にあたりヤマハのデジタルミキサーを選定したのは、外部エンジニアからの指定が非常に多いことが挙げられます。特に「CL」や「QL」の指定がとても多いですね。でもこれまで当社は所有していなかったんです。それでこれまではサポートをしつつ他社ミキサーで対応してきました。しかし曲ごとに細かくデータが組まれるような現場では対応にも限度があり、今後は厳しいと感じていました。
そうした中で更新時期を迎え、さらに「CL」、「QL」が廃番というタイミングだったので今後の動向を見据えた結果、次のスタンダードになるのは「DM7」だと考えて導入しました。
「DM7」が次世代スタンダードだと確信したのですね。
林 優志 氏:
正直言って「DM7」は避けて通れない、という圧倒的な感じでした。ヤマハはPA業界のスタンダードである「CL」や「QL」を世に送りだしましたが、それらをあえて廃番にして「DM7」を打ち出してきた。そこには「次はDM7でいきます」というヤマハの強いメッセージを感じましたし、製品にかける本気度も伝わってきました。
実際に「DM7」で音を出してどう感じましたか。
林 優志 氏:
これまで使用してきたヤマハのデジタルミキサーでは、機種によって音の傾向に違いを感じることがありました。でも「DM7」は本当に素晴らしい音だと思います。さきほどヤマハの方に聞いたところではヘッドアンプのIC開発に何年もの歳月をかけたそうですね。やはり「DM7」への本気度はすごいと、そこだけでも実感します。
現場での他のエンジニアからの反応はどうですか。
林 優志 氏:
ヤマハの「CL」や「QL」の指定を受けた時に「DM7でお願いできますか?」とお願いして断られたことはありません。まだ「DM7」に慣れていないオペレーターさんでも、快く「大丈夫ですよ」と言ってくれますし、実際にまったく問題なく仕事されています。このように新しい機材であってもいつも通りにオペレートできるところが「DM7」が次世代のスタンダードであることの証しだと思います。
拡張コントローラー「DM7 Control」もあわせて導入されました。その理由をお聞かせください。
林 雅也 氏:
個人的にユーザーディファインドキーを物理ボタンとして手元に置いておきたい、というのが理由でした。もちろん本体サブ画面にも割り当て可能ですが、やはり物理キーとしてまとまってあると、安心感もスピード感も全く違います。それと追加になる2本のフェーダーも、実は良い仕事をしてくれます。現場でフェーダーを組んで「あと少し足りない」っていう場合があるんですよね。その時この2本があると助かるんです。まさに痒い所に手が届く機能だな、と実感する場面が現場で何度もありました。
「DaNSe」や「ダイナミックEQ」など、
様々な音響現場でまさに”使える”充実の機能
実際に音響の現場で使ってみて便利だった機能があれば教えてください。
夏目 祐生 氏:
僕の場合は以前使っていた他社製コンソールにあったシーケンスパッチのような機能があるのが、嬉しいですね。あとチャンネルストリップにインサートの枠があり、そこからパッチして中身を直接差し替えられるので分かりやすいです。いちいちラックを開いて作業しているとミスが起こりがちですが、チャンネルストリップからセレクトして触れるので安心です。
林 摩耶 氏:
私はこれまでモニター卓を担当することが多かったのですが、「DM7」はモニター用としても使いやすいです。カスタム画面もそれぞれで作れますし、プレミアムラックも増えてかなり便利になりました。
プラグインで特に気に入っているのは「DaNSe」というノイズサプレッサーです。不要な環境音などのノイズを自動的に検知して切ってくれるのが便利です。特に周囲の雑音がひどい場合でピンマイクやヘッドセットマイクを使用した時、これを使うとかなり雑音をカットできます。なので、カンファレンスやトーク系の催しでは重宝します。
それとタイムコードが画面に出せるのも結構便利で、ちょうど来月タイムコードを使う予定の現場があるので助かります。
林 雅也 氏:
僕は先日まで芝居の音響を手掛けていたんですが、演劇の現場では「ダイナミックEQ」が重宝します。「CLシリーズ」までは「ダイナミックEQ」のEQのポイントが2つでしたが、「DM7」では4つに増え、より細かく調整できるようになりました。おかげで役者の声量によってピークが変わる場合でもしっかり対応できます。
またインサート枠が独立して別枠になったので「Duganオートミキサー」を入れた裏に別のエフェクトを入れられるなど、かなり自由度が上がりました。
圧倒的な省スペースと妥協のない性能を両立し、
小規模現場で抜群の働きを見せる「DM3」
デジタルミキシングコンソール「DM3」はどんな用途で導入したのでしょうか。
林 優志 氏:
「DM3」は2年ほど前に導入しました。用途としてはワイヤレスマイク4本とBGMだけといった小規模イベント用です。もともとそうした用途のためにヤマハの「LS9-16」をはじめ、いくつか小型ミキサーを所有していますが、それでも持て余すほど小規模な現場用に追加導入しました。
小規模現場で「DM3」にはどのようなメリットがありますか。
林 優志 氏:
コンパクトなので運搬や設置の労力も少ないですし、なによりお客様には省スペース性が喜ばれます。例えばお葬式などでお寺に仮設音響を組む際などは、とにかく省スペースが求められます。そんなとき「DM3」なら非常にコンパクトに設置できるのでありがたいです。
小規模現場でアナログミキサーではなくデジタルミキサーを選択する利点は何でしょうか。
林 優志 氏:
もちろん用途次第ですが「DM3」ならデジタルなので高性能なEQやリバーブが内蔵されていますし、マトリックスも2系統あります。こうした機能を持たせることはアナログでは無理でしょうね。でもこれらの機能があることでの安心感や信頼性は大きいです。
「DM3」でよく使う機能などはありますか。
林 優志 氏:
「オートミキサー」が便利です。特に5~6人規模の会議やシンポジウムなどではかなり便利で、しかも性能も素晴らしいです。「DM3」のような安価な価格帯の製品でも機能に妥協がないのが素晴らしいです。
今後「DM7」や「DM3」を使ってやってみたいことはありますか。
林 雅也 氏:
「DM7」の「シアターパッケージ」も同時に導入しましたがまだ活用していないので、今後はシアター関連の機能を演劇の現場で試すのが楽しみです。
林 優志 氏:
両モデルとも96kHzのDanteに対応しているので「DM7」と「DM3」を同時に使ったシステムを構築してみたいですね。たとえば「DM3」をマスター卓にし、BGMや簡単な入力用で構え、「DM7」を複雑なシーンチェンジや、乗り込みオペレーターが来ても制限なく柔軟に対応出来る「サブ卓」にする、デュアルミキサーシステムを組んでみたいと思っています。
今日はお忙しい中ありがとうございました。
有限会社 ハイ・ポジション
https://www.hi-position.jp