モーツァルト「レクイエム」に子どもたちの魂の響きをのせ 長野市芸術館 ジュニア合唱団 第7回定期演奏会

長野市芸術館ジュニア合唱団は、2018年に発足した長野市芸術館をホームとする合唱団です。オーディションで選ばれた8歳から18歳までの子どもたち、今年度は53名で活動しています。音楽監督・指揮者 彌勒忠史さんの指導のもと練習を重ね、長野市芸術館で開催される公演をはじめとする多くの演奏会に出演しています。

今年で7回目の開催となった定期演奏会は、児童合唱のみでモーツァルト「レクイエム K.626」(千原英喜 編曲)を演奏する、今までにないプログラムに挑戦しました。演奏会は2部構成で、前半は小・中学校などでも親しまれている合唱曲が並びます。指揮を務める彌勒さんの指先の呼吸に約50人の子どもたちが息を合わせ、澄んだやわらかな歌声が歌詞をまっすぐに聴き手の心へ届けます。「Believe」「HEIWAの鐘」「群青」「未来へ」など、合唱団の得意のレパートリーが続き、その姿勢、歌声、ハーモニーから1年間積み重ねてきた足跡が感じられる演奏です。ピアノ伴奏は、合唱団専属のピアニスト宮下静香さん、瀧澤典江さん、原瑞穂さん。それぞれの持ち味で、子どもたちの歌声を引き出します。

昨年度から現役の声楽家である彌勒さんが音楽監督・指揮者に就任して、今回が2回目の定期演奏会。曲間のMCでは、この1年間で著しい成長を見せた子どもたちへむけて「この合唱団はオーケストラと共演をしていけるようなシンフォニックコーラスを目指しています」と、これからの可能性について壮大な構想にふれる場面も。その妥協のない姿勢は、今回の選曲にも表れます。

演奏会後半に披露するのは「レクイエム」。モーツァルト自身の作曲による〈Lacrimosa〉までの8曲に挑みました。今回、ステージに大きく華を添えるのが、ゲスト清水のりこさんによるエレクトーンです。使用楽器は、株式会社ヒオキ楽器の協力により手配されたELS-02C。演奏前には、「一人でオーケストラ60人分を再現できる、日本でも希少な奏者」と彌勒さんから紹介され、『カルメン』より「アラゴネーズ」をソロで披露!迫力ある演奏に会場は釘付けとなりました。

そして、いよいよ演奏は「レクイエム」へ。オーケストレーションが落とし込まれたエレクトーンの壮大な音色が響く中、祈りを捧げる歌詞が厳かにホールを震わせます。演奏前には「今しかないサウンド」と彌勒さんが語ったように、刻々と変化する子どもたちの今を映すかけがえのない魂の響きを、ご来場の皆さまそれぞれの想いでお聴きいただけたのではないでしょうか。

アンコール、モーツァルト「アヴェ・ヴェルム・コルプス」を含め全15曲を歌い切った長野市芸術館ジュニア合唱団。今年もたくさんの挑戦をした1年となりました。子どもたちの力を信じて大きな課題を託した彌勒さんの期待を受けて、励んだ日々は今回ひとつの大きな舞台を創り上げました。またここから合唱団の成長は続きます。

長野市芸術館ジュニア合唱団は、2026年度も複数公演に出演予定です。5月10日(日)開催の『カルミナ・ブラーナ2026スペシャル』では彌勒さんはじめ名だたるソリスト、オーケストラとの共演、そして12月20日(日)には古楽オーケストラ「アントネッロ」と共演の演奏会にて《レクイエム》全曲披露を予定しています(いずれも長野市芸術館メインホールで開催)。今後の活動にもぜひご注目ください。

*出演公演の詳細やジュニア合唱団の活動については、長野市芸術館webサイトやSNSでご覧いただけます。

著/一般財団法人長野市文化芸術振興財団

エレクトーン演奏/清水のりこ

2025年11月2日 長野市芸術館メインホール

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