DPX-1 デジタルシネマプロジェクター 生産完了品

光と闇のすべてを支配する、コントラスト比900:1の深世界。独創のナチュラルブラック・コンセプトがDLP™の潜在能力を呼び覚ます

DPX-1は、米国テキサス・インスツルメンツ社が開発したDLP™(デジタル・ライト・プロセシング)方式を採用する、ヤマハ初のホームシアター専用ビデオプロジェクターです。テキサス・インスツルメンツ社が特許を持つDLP™方式は、DMD™(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と呼ばれる特殊な光半導体デバイスによってデジタル信号をダイレクトに映像化する画期的な技術。ヤマハではこの技術の潜在能力に開発当初から着目、“映画鑑賞のための究極のプロジェクター”を目指して5年余に及ぶ基礎研究を続けてきました。その結果到達したのが、独創の“ナチュラルブラック・コンセプト”。これまでビデオプロジェクターの課題とされてきた黒の再現性を、DLP™の採用やトライカラーホイールをはじめとするオリジナル技術の投入によって飛躍的に高めることで、ホームシアター専用プロジェクターと呼ぶにふさわしい映像表現力を獲得しています。

表現力を約40%向上させるトライカラーホイール

“ナチュラルブラック・コンセプト”実現の最大の決め手となるのが、従来型DLP™プロジェクターのカラーホイール(図A)におけるR(赤)G(緑)B(青)W(透明)の4種類のフィルターからWフィルター領域*を排除した、ホームシアター専用設計のトライカラーホイール(図B)です。これにより、映画再生時の「黒浮き」現象を約20%改善するとともに、RGB領域の増大によって実用輝度も約20%改善。トータルで約40%の実質映像コントラスト向上を達成し、最新カラー・シーケンスの採用とも相まって明るく力強い高輝度部の再現と豊かな階調、そして深く沈んだ黒の再現を可能にしました。

余裕ある高画質再生のための大型0.9インチDMD™素子

DLP™プロジェクターの中枢部分には、DMD™(デジタル・マイクロミラー・デバイス)と呼ばれる画素相当数の極小ミラーが敷き詰められた光半導体デバイスがあり、傾きが制御された各ミラーに光源からの光を当てて反射させることでデジタル映像信号をダイレクトに投影します。回路部分をミラーの下に置くことで画素の有効面積が広く(=画素間隔が小さく)、しかも応答速度が速く光源ロスの少ないDLP™方式は、優れた動画追随性と高精細・高輝度な映像を再現できることが大きな特長。また原理的に色ズレの発生がないため、3管式のような設置調整の難しさもありません。DPX-1には、一般的な0.7インチ型と比較して約65%も面積を拡大した0.9インチの大型DMD™素子を採用。約78万6000(XGA規格準拠)の画素数と大きな有効面積を活かした、余裕あふれる高画質再生を実現しています。

緻密で滑らかな映像を実現する3-2プルダウン検出型プログレッシブ回路

入力される映像信号の素材が映画フィルム(24コマ/秒)によるものか、通常のビデオ素材によるものかをフィールドごとの画像分析によって判断。映画素材の場合は3-2プルダウン検出型プログレッシブ回路を、ビデオ素材の場合は動き検出型プログレッシブ回路をDPX-1側で自動選択し、最適な映像処理を行います。DVDはもちろん、通常のテレビ放送も含むすべての入力ソースがプログレッシブ方式で映写され、緻密でチラツキのない滑らかな映像をお楽しみいただけます。

DMD™素子の階調表現能力を活かした13bitデジタルガンマ補正回路

入力ソースに応じた最適な階調カーブを得るためのガンマ補正には、DMD™素子の豊かな階調表現能力を最大限に活かしたダイナミックな効果が得られる高精度13bitデジタルガンマ補正回路を採用しています。さまざまなトーンやキャラクターを持つ映像ソースをよりリアルかつ魅力的に再現するため、それぞれに明確な方向性を持たせた計5タイプの補正カーブを内蔵。制作者の作画意図にもっとも忠実な階調を、ソースに応じてお好みで選択することができます。

入力信号の品位に応じて効果が選べる2種類のノイズリダクション機能

画面上の輝度変化を検出しながら各領域の特徴に応じた最適なフィルタリングを行うことで、映像の鮮鋭度を損なわずノイズ感を改善できる“領域適応型ノイズリダクション”、フレームメモリーを用いて時間軸の中でノイズ成分を低減し、ざらついた映像に対しても効果の高い“3次元ノイズリダクション”の2種類のノイズリダクション機能を搭載。入力信号の品位(ノイズ強度)に応じて、OFF/1/2/3の3ポジションから最適な効果が選択できます。

※PC信号、プログレッシブ信号及び、1080iには対応していません。

ヤマハの静音技術を駆使した運転音30dB*

静かなシアタールームでの快適な視聴のために、DPX-1ではヤマハ独自の静音技術を駆使した排気システムなど徹底的な静音化を実施。小型でありながら大風量が得られるシロッコファンと、多孔質発泡材(吸音材)張りのチャンバー(膨張室)を設けた本格設計の消音ダクトとを組み合わせ、無響室における4方向平均で30dBという優れた静音性能を獲得しました。なお、排気ダクトは視聴者への影響が最も少ない前方としていますが、温度差を持った空気流が作る微妙な画像の揺れを防ぐため、排気が映写レンズの光路に影響を与えないよう配慮しています。

*無響室4方向平均

最新映像フォーマットに幅広く対応する多彩な入力モード

衛星デジタル放送の最高画質(1080i)をはじめ、DVDやVTRなどあらゆる市販メディアのフォーマットに幅広く対応する多彩な入力モード(720p、576i、480p、480i)を装備しています。入力端子にはコンポジットやS映像はもちろん、信頼性の高いBNC端子によるコンポーネント(色差)およびRGB入力、そしてD4端子も装備。また、お手持ちのパソコンのRGB出力をD-SUB(15ピン)端子経由でダイレクトに接続することで、XGAまでのリアル表示/拡大表示およびSXGAの縮小表示に対応するとともに、パソコンとのデジタル映像接続を実現する最新のDVI端子も装備しています。

独自のブラックレベル調整など、ホームシアターファンの要求に応える豊富なカスタマイズメニュー

設置調整から画質選択まで、あらゆるパラメーターをスクリーン上で確認しながら設定できるカスタマイズメニューを装備。中でも、白レベルを固定したまま暗部の深さを自在にチューニングするブラックレベル調整は、映画ソフトによって異なる黒レベルの差を厳密に補正できる映画ファン待望の画期的な機能です。さらにガンマ補正や色温度、ホワイトバランス(RGB独立)など、ホームシアターファンの要求に応える豊富なメニュー項目を用意しています。なお、調整済みのメニュー内容は6パターンまで記憶し、ワンタッチで呼び出すことが可能。調整中の画面に影響を与えないよう、オンスクリーン画面は敢えてモノトーン表示としています。

4:3スクリーンでの字幕付き洋画の鑑賞に最適な独自の字幕マスク機能

字幕の輝度を抑える字幕マスク機能は、字幕付き洋画の鑑賞時に威力を発揮するヤマハ独自の装備です。4:3スクリーンでシネマスコープサイズの字幕付きDVD映画などを再生すると字幕と映像の分離表示が可能となりますが、その際に白抜き状態となる字幕文字の輝度を下げ、眩しさを軽減することで、暗いシーンが続く場合などに特に効果的です。長時間の視聴でも目の疲れを防ぎ、快適な映画鑑賞を実現します。なお、画面のアスペクトに合わせ、字幕マスクの上下位置を調整することも可能です。(リモコンでも可)

※720p、1080i及びPC信号では使用できません。

設置場所を選ばず調整しやすいコンパクトでスタイリッシュなボディ

シアタールームのインテリアをさらに引き立てるスタイリッシュなボディーは、高品位なパールマイカ塗装仕上げ。本体厚129mm、重量7.8kgの薄型軽量設計により、テーブルへの平置き設置や移動・収納が容易なうえ、別売の天吊り金具との組み合わせで天井への取り付けも可能です。シンプルな単レンズ/1 DMD™構成のため、設置調整も画面サイズとピントを合わせるだけの簡単さで、経時変化による色ズレやピントズレの心配もありません。ピント調整リングは天井吊りでも平置きでも調整しやすい本体上面にビルトインしており、調整時や移動時に誤ってレンズ面に触れたり、鏡筒にストレスを加えることのないよう配慮しています。なお、設置位置や角度の制約によって映写画面が台形に歪む場合に備えたデジタルキーストーン補正回路も搭載しています。

DPX-1の全機能を手元で操れる自照式ワイヤレスリモコン

画質調整や入力ソース切り換えなど、本機のすべての設定/調整操作(レンズ操作を除く)が手元で行えるワイヤレスリモコンを装備。スイッチ操作で約10秒間点灯するバックライトも内蔵しています。また使用頻度の高い画質調整(ガンマ補正、色温度、ブラックレベルなど)は、メニュー画面を経由せずに直接パラメーター調整が可能なうえ、表示アスペクト切替えにも専用ボタンを設けるなど、快適な操作環境を提供します。