Module 試奏レポート

WeROCK Vol.062より転載

hibiki

ヒビキ◎サイレックスやサーベル・タイガーをはじめ、テクニカルかつ歌心を感じさせるプレイで数多くのサポートやセッションでも活躍するベーシスト。近年、エデン・ユーザーとなり、多方面でそのサウンドを聴かせてくれている。

hibikiが教えるEDEN Moduleでの音作り!!

今回の付録DVDでオリジナルの楽曲を披露してくれたhibiki。その演奏で使われていたのが、エデンの新製品のモジュールだ。彼自身が愛用するアンプ・ヘッドのテラ・ノヴァのプリアンプ版といえるこのモデルの魅力を誌面でもレポートしてもらった。ベーシスト必見の音作り術だ!!

―― 新製品のモジュールはテラ・ノヴァのプリアンプ版になるんですが、ふだんから、エデンのテラ・ノヴァを愛用しているんですよね。

hibiki:そうですね、500wのTN501というアンプ・ヘッドを使ってます。サイレックスやサーベル・タイガーはもちろん、その他のサポートでもテラ・ノヴァが持ち込める現場には持ち込んでいます。テラ・ノヴァはサウンドを作り込むのが柔軟で、何でもできるんですよ。キャビネットまでは持ち込めない現場も多いんですが、その場合でもそこにあるキャビネットにつないで作りたい音がすぐに作れるんです。現場やそこにある機材を問わずに使える柔軟さがいいんですよ。

―― サイレックスやサーベル・タイガーというメタル・バンドだけではなく広く使えると。

hibiki:最近はソフトな音でプレイする現場はあまりないですけど、テラ・ノヴァ自体がバリバリに歪むアンプではないので、柔らかい音にはいかようにもいけますね。あと、ハード・ロック/ヘヴィ・メタルではベースも極端な音を出さないとバンドの中で戦えないことが多いと思うんですが、基本の音がしっかりしているので大丈夫なんです。最近の機材の中で、こんなに柔軟なものが他にあるのかって思ってます。しかも、それがエデンから出てきたというのも驚きました。エデンって、ハイファイでフュージョン系のベーシストが使うというイメージが僕の中では強かったので。モジュールはそのテラ・ノヴァのプリアンプを抜き出したものだから、いいに決まってますよ(笑)。

―― バリバリに歪まないとのことですが、メタル系バンド向きの音作りの方法は?

hibiki:僕は、エデンのGLOWPLUGとか歪み系のペダルを使っています。何種類か歪み系ペダルを持っているんですが、どのペダルをつないでもそれぞれのキャラクターが失われることなく、エデン側のセッティングで足し引きできるので使いやすいです。

―― 今回もGLOWPLUG(歪み系)をつないで鳴らしてもらいました。

hibiki:相性がよかったですよね! エデンの担当者の方に聞いたんですが、GLOWPLUGはモジュールのセンド/リターンにかけるのもいいとのことで試してみたら、実際にその通りでしたね。きれいにかかってくれて、太いロックな音になってくれて。もちろん、モジュールと直列でつないでも、ブリンブリンのいい音になります。

レコーディングDIYシステム

エデンのモジュールを使ったレコーディングの一例。モジュールで音作りを行ない、オーディオインターフェイスを通してDAWソフトを搭載したPCへ。今回の付録DVDの音源も、基本的にこのシステムで録音されている。


―― 全体的なトーン・キャラクターはどうですか?

hibiki:テラ・ノヴァと同じでしたね。僕は基本的にキャビネットを鳴らすことが多いんですけど、今回はラインで鳴らしても、もともとのテラ・ノヴァのキャラクターと変わらないと思いました。イコライザーとかの効き方や感覚も同じですし、ふだんと同じように音作りできましたね。フラットで使った時のほどよい音の硬さとヌメッとした感じが共通してます。テラ・ノヴァをキャビで鳴らす時と同じ感覚で音作りできるのがいいです。

―― 指弾きやスラップ、ピック弾きなど、いろいろ試してもらいましたが、基本的なhibiki 流の音作りを教えてもらえますか。

hibiki:つなげるベース本体にもよると思いますけど、僕はミドル・レンジの張り出し、押し出しに気をつけています。モジュールはロー・ミッドとハイ・ミッドという2つのコントロールで、音を出したり、引っ込めたりというのが自在にできるんですね。それで、多人数のバンドとかまわりの音が分厚い時はそこと戦えるように押し出しが強い音を作るし、そんなに主張がいらない場合は引っ込めるということをしてますね。

―― ミッドのコントロールが大切なんですね。帯域でいうと、どのあたりがポイントになりますか?

hibiki:フィンガー・ピッキングだと、このモジュールだとロー・ミッドのパラメトリックでコントロールできる130 〜140Hzあたりだと思います。僕はレコーディングとかではロー・ミッドの100Hzあたりを突くことが多いですね。ブースト量は、時計で言うところの1時ぐらいまで上げてみるといいと思います。

―― ピック弾きでは?

hibiki:ピック弾きでは、ローが大切なんですよ。指弾きに比べると、ピック弾きだとどうしてもローが欠けてしまうと思うんですが、ベース・コントロールのツマミを時計で言うとセンターから1時ぐらいにするといい感じになりますね。あとハイ・ミッドで1.5kHzあたりを足してみると、すごくエッジが出てピック特有のアタック感もあるおいしい音が作れますね。

―― スラップではどうですか?

hibiki:今回の試奏では指弾きのセッティングのまま、エンハンス・スイッチをオンにするだけで大丈夫でした。いつもそういうわけではないんですけど、今日はそれだけで気持ちいい音が出せたので満足です。エンハンスがすごい優秀なんですよね。

―― コンプやベース・ブースト・スイッチの効果はどうですか?

hibiki:ガチガチに効くタイプではなく、ほどよく音楽的に効くタイプですね。弾きたいこと、表現したいことをジャマしない程度にかかってくれます。僕は好きだし、かけっぱなしで使います。ブースト・スイッチと言えば、テラ・ノヴァでおもしろい使い方をしたことがあるんですよ。ふつうはローを上げて、さらにブースト・スイッチを入れるんでしょうけど、とある現場でローを絞ってブースト・スイッチを入れたら、いい具合の低域を得ることができたんです。好みのローを作る時に試してみてほしいですね。EQ自体は、ホントに1mm 動かすぐらいでかなり変わるほど効きますね。フラットの時は、ローの圧がそれほど誇張されていなくて、まとまっている印象ですね。ハイもうるさいわけでもなく、ベースが持っている本来の音が出せます。ヘンなクセがないんですよ。僕はツマミをセンターにしてから音を作るんですけど、EQをいじることで、ハイファイにもいけるし、ロックな音にもいけます。あとはエンハンスですね。エンハンスを上げて、その音が好みなら、次にミドルを削ったり、あるいはトレブルとローを足したりするのがいいと思います。

―― 今後、モジュールも愛用機材になりそう?

hibiki:はい。モジュールのベストな使い方は、レコーディングだと思います。デスクに置いて使えるサイズだし、弾くことと音作りがシームレスにできる。それにラインで音が完結する、今の時代にピッタリだと。音自体もテラ・ノヴァと同じ高いクオリティですしね。と同時に、その高いクオリティの音をライヴにも手軽に持ち込める。エフェクト・ループも付いているし、フロア・ペダル型なので、ライヴにおいても使いやすい。今、ライン出力でライヴをやるベーシストもいるし、そういう人にはベスト・チョイスだと思います。歪むタイプじゃないですが、ゴリゴリのメタル・バンドでも充分に戦えるサウンドだし、そして安いのもいいですよ。

hibikiセッティング

こちらは指弾きでのセッティング。ロー・ミッドは130〜140Hzあたりを上げるのがhibikiの好み。スラップでは、エンハンスをオンにするだけでOKだ。

こちらはピック弾きでのセッティング。ベース・コントロールを1時ぐらいの位置にしてローを加え、さらにハイ・ミッドで1.5kHzあたりを上げるとエッジが出せる。

 

WeROCK Vol.062「hibikiが教えるEDENでの音作り!!」記事全文(PDF)