高度経済成長が一段落したものの、心の豊かさやゆとりのある生活を求める人が多くなった1970年代。音色・機能を一段と充実させたエレクトーンは広く一般家庭に普及していきました。
'70年には小学生を対象にした「エレクトーンスクール」が開設され、'71年には「月刊エレクトーン」が創刊。'72年には初めてオートリズムを内蔵したD-3Rが発売されました。
また、技術の粋を結集したシアターモデルが次々と開発されたのも70年代のこと。
大阪万博が開催された'70年にはEX-42が、沖縄海洋博が開催された'75年にはポリフォニック・マルチシンセサイザーともいうべきGX-1が登場。
電子楽器の常識を遥かに超えたGX-1は、スティーヴィー・ワンダーやキース・エマーソンも愛用する“ドリームマシン”でした。
そして、'77年に発売されたD-60、D-90、EX-1には、パルス(デジタル)、アナログ、シンセサイザーの技術を融合させたPASSystemが導入され、楽器としてのクオリティは一段と高まっていきます。