ヤマハエレクトーンフェスティバル
YEF2024 グランドファイナルレポート
2024年12月7日(土)、8日(日)の2日間、国内外の50名のファイナリストがNHK大阪ホールに集結。
ソロ演奏部門の最終ステージとなるグランドファイナルの舞台で熱演を繰り広げました。




ファイナリストのみなさんの音楽がホールいっぱいに響きました

12月7日(土)小学生高学年部門のみなさま

12月7日(土)一般部門のみなさま

12月8日(日)小学生低学年部門のみなさま

12月8日(日)中学生部門のみなさま
審査員からのメッセージ
審査員各位から出場者の皆さんに向けて講評をいただきました。
総評および審査員各位からのメッセージをご紹介いたします。
<総評>ヤマハ音楽振興会 指導運営推進部 渡部 洋(審査員長)
ファイナリストの皆さん、二日間にわたり、素晴らしい演奏を聴かせていただき、本当にありがとうございました。
ここまでの地道な努力と情熱が、一音一音に込められているのを感じ、言葉に尽くせないものがこみ上げ、胸がいっぱいになる瞬間が何度もありました。
今後へ向けてのアドバイスは、下記、審査員コメントをご参照いただければと思いますが、自由曲(オリジナル曲)の演奏は、演奏技術・音楽表現ともに本当に充実しており、課題演奏(課題編曲演奏)も、それぞれの個性を自分の音楽として丁寧に演奏表現されている様子が、とても素晴らしかったです。
YEF2024グランドファイナルでの経験は、必ず成長の糧として大きな財産となっていくことでしょう。
今後も、音楽の楽しさや作り上げる楽しさを更に追求し、沢山の作品と出会い、多くの人を感動させる事を追求していただければ幸いです。
ファイナリストの皆さんが、これからもご自分の目標に向かって進んでいけますよう、また、豊かな人生と共に素晴らしい才能がさらに開花していく事を願っております。
<小学生高学年部門>
- 落ち着いて自信をもって演奏している姿が素晴らしかった。
- 課題演奏は、一本のフレーズを長い息でうたうことを更に意識したい。鍵盤演奏テクニックにおいては、打鍵するスピード感を変えることによって、もっとメロディーをはっきり表現することもできる。音量のバランスを変更する以外にも、いろいろな手法で表現を検討していってほしい。
- ダイナミクスの幅が広すぎて、メゾピアノやメゾフォルテといった音があまり無いような、まるで編成が途中から変わってしまったかのような音量感の演奏もあった。ピアニッシモも最後まで音を出して、その余韻を楽しんでから演奏を終わってもらいたい。フォルティシモも、ただ大きく弾くということではなく、そこに抑揚をつけることで、もっと感動的な演奏になると感じた。
<一般部門>
- 音楽の楽しさ、作ること、アレンジすることの楽しさを、皆さんが感じながら演奏していた。想いのこもったオリジナル曲やオリジナルアレンジ曲の演奏が多かった。
- 課題編曲演奏は、様々なアレンジを楽しく聴くことができた。原曲の魅力を大切にしながらも、エレクトーンならではの個性あふれるアレンジに、説得力のある演奏が伴うことで、さらに聴衆に伝わる表現になると感じた。
- 鍵盤楽器は鍵盤を弾くとそこでハーモニーが生まれたような気がしてしまうが、例えばギター、ベース、ドラム、ピアノという編成なら、その4つの呼吸が重なってハーモニーが生まれる。時間の流れがいくつか集まって、それが溶けあったときにハーモニーができることを、アレンジするときに大事にしてほしい。
<小学生低学年部門>
- コンクールであることを忘れるような楽しい演奏だった。皆さん堂々としていて、若いながら一人ひとりが立派な演奏家でありパフォーマーであった。自分の演奏として表現されている様子が、本当に素晴らしかった。
- リズムがカウント的に入っていて、それが少し耳につく演奏もあった。例えば少しボリュームを下げる、音数を少し減らすなどの工夫で、全体の印象を壊さないようにリズム作りをすると良いと感じた。
- レジストを頻繁に変えていったときに、バランスが変わり、メロディーラインにムラがあるように聴こえる演奏もあった。レジストの強弱を把握した上で、メロディーを自身でよく聴きながら弾くと良いと感じた。
<中学生部門>
- いろんなチャレンジをしていて素晴らしく、沢山の刺激を得ることができた。弾くだけではなく、今後も沢山のインプットをし、それを自分ならこうしたいとイメージできるアーティストになってほしい。
- 課題演奏について、1カ月の期間で楽譜から読み取れる情報を丁寧にアナリーゼした上で、出場者の個性が十分に発揮されていた。今回のように分析・演奏する経験を今後も重ねていくことで、表現の可能性が大きく広がるであろうと感じた。
- 弦楽器の弓の動かし方、圧力のかけ方や、管楽器の息づかいなどを、実際のオーケストラ(生楽器)の演奏会に足を運んで体感したり、例えばドラマーの横に座って、スネアドラムはどのように叩くのか、ライトシンバルはここを使って細かく演奏する…といったことを観察してリズムの打ち込みに活かすなど、音楽の世界観を拡げていく体験も是非してほしい。

写真:Fujio Onishi
2日間審査いただいた審査員7名のみなさま
すばらしい演奏を披露してくださった出場者のみなさま、会場で応援くださったご来場のみなさまに心より感謝申し上げます。
ありがとうございました!