兵庫県・三田市立富士中学校

インタビュー マーチングバンド成功のヒントがここに!

※この記事は2009年時のインタビューです。

バンドの紹介をお願いします


写真提供:プレスジェイ(株)

阪神間のベットタウンとして開かれた、ニュータウンの中に学校があります。全校生徒350名の比較的小規模な学校で、部員は1、2年で35名、3学年合わせても50名前後です。吹奏楽コンクールへの参加、連盟行事、地域の夏祭り等が主な活動で、10月下旬には定期演奏会を行っています。以前は市内のホールで行っていましたが、マーチングを始めたため今は学校の体育館で行うようになりました。舞台の無い体育館なので、体育館内に合唱コンクールのための仮設舞台が置いてある時期を選んで、運動部に迷惑がかからないように配慮しています。照明や受付を保護者に、アナウンスやスライド作成をOB・OGにお願いして、ほとんどお金のかからない手作りの演奏会をしています。また、地域にできた「三田ジュニアバンド」と合同演奏を行い、相互交流を深めています。
マーチングの練習は12月~2月の放課後、下校時間が早い時にベーシック練習を中心に行っています。内容はジャパンバンドクリニックでもらった資料を使っています。8月の吹奏楽コンクールが終わったころから、パレードコンテスト用の動きの練習に入り、仕上げていきます。コンテストで使用する曲を冬の間に演奏のトレーニングとして練習を進めていきます。
衣装については、吹奏楽連盟のパレードコンテスト出場にあたり作りました。元々、Tシャツは夏祭り等で使用していたものがあったので、ジャージ、靴、トレーナ、ウィンドブレーカを作りました。

マーチングを始めたきっかけを教えてください

単純に「かっこええなあ」です。
10年前に県吹奏楽連盟のマーチングコンテストを部員と見学にいったことがありました。隊列を組んでの行進、1列になって歩いてきたときには、感動したことを覚えています。マーチングと言えば、打楽器をたくさん買わなきゃいけない、衣装にお金がかかると思っていたのですが、少ない打楽器・衣装は学校の体操服で良いのを見て、「これならできる」と思いました。そこで、学校の体育大会のお昼休みにマーチングをさせてもらうようになりました。私自身マーチングの経験が全く無かったため、メチャクチャな動きや、マーチン『苦』と言われる、暑い・きつい・しんどいの3拍子揃った練習が5年続き、部員達にも「マーチング=嫌」というのが浸透してしまいました。
そこで、4年前の冬にヤマハにマーチング・トレーナーの紹介をしていただき、本格的にコンテスト出場を目標に定め、進めて参りました。「マ・・・」や「コ・・・」と聞いただけで嫌な顔をする部員たちには、当初コンテストに出るつもりだと伝えずに、“体育大会のための練習”と言っておきました。しかし、練習を進めて行く中で次第に部員達の顔つきが変わり、楽しんで練習ができるようになっていったのです。その年の5月、「体育大会の次の日やし、コンテスト出てみいひん?」と部員に投げかけてみました。すると次の日、ある部員が私の前に来てこう言いました。「先生、私たちは吹奏楽コンクールに向けて真剣に練習しています。マーチングコンテストに出ている人たちも真剣に練習をしているはずです。適当な練習ではコンテストに出ている人たちに失礼だと思います。」・・・・・部員の方が一枚上手でした。「ごめんな。お前らのこと勘違いしてたわ・・・やるなら真剣にやろう!」とマーチングコンテストに出場することが決まりました。

ヤマハの楽器の良いところを教えてください

マーチングとコンサートは全く同じであると考えています。そのため、打楽器に要求する内容もコンサートと同じで、管楽器とのブレンドです。ヤマハの打楽器は、管楽器との相性がよく、「目立たない。でも無いと困る。」という感じが気に入っています。

マーチングならではの効果や楽しみとは?


写真提供:プレスジェイ(株)

最大のメリットは「1人1人の責任感」から生まれる「チームとしての成長」だと思います。マーチングは揃っていないと誰の目にもわかりますし、自分と全く同じ動きをしている人はいません。「お前の代わりはいない」とよく部員に言います。楽器の演奏でも同じことは言えますが、それがよりわかりやすいのがマーチングだと思います。また、全体的に部員が明るく元気になりました。練習中は学年関係なく、アドバイスを言い合っています。後輩からのアドバイスにも先輩達は「ハイ!」と返事をします。そのため変な上下関係は減ったように思います。
また、地域へのアピールは絶大です。本校のグラウンドは民家・マンションが隣接しています。練習している音は聞こえていると思います。マーチングを始める前は数多くの苦情を頂きました。しかしマーチングを始めてからは一切苦情も無くなり、逆に犬の散歩をしながら立ち止まって見ておられたり、車を止めて見ておられたり、「今の流れている曲は何ですか?」という激励の電話を頂いたりと、応援していただいています。これはマーチングという目に見える形のものだからこそ、なし得ることだと思います。

バンドの目標を教えてください

「チームワーク日本一」と大きな目標をかかげています。部活は、人として成長の場であることを常々伝えています。
吹奏楽コンクールやパレードコンテストの結果を目標に活動をしていた時期もありましたが、「吹けたら良い」というような状態になってしまって人間関係が軽薄になり、トラブルが多発したことへの反省です。今でも問題は多く発生しますが、常に何のための活動なのかをもとに話をするようにしています。

これからマーチングを始められる指導者の方へメッセージをお願いします

色々な弊害があると思われがちですが、とにかく始めてみて下さい。指導者としてマーチングで得たものは、コンサートの指導でも使えますし、またその逆もあります。
ある先生との雑談の中で、「昔、太陽を背中にして指導したら、子供達がまぶしそうにしていると、言われたことがあるんだ。」と伺いました。当たり前の事ですが、日々の指導の中で忘れてしまいがちなことに気づかせてもらった気がしました。
部員達と屋外に出て共に汗を流し、指導者として一番大切にしなければならないことを、マーチングを通して経験させてもらったと思っています。