CPシリーズ

ステージピアノ、アナログシンセの潮流の源泉

※1 各弦に取り付けられた圧電式ピックアップ
※2 エンベロープをコントロールできるディケイツマミ

「CPシリーズ」は、バンドアンサンブルの中で、エレキギターやベースに負けないように音量を増幅できるピアノとして1976年に登場します。このときに発売された「CP-70」 と「CP-30」は同じシリーズでありながらその構造は全く異なるものでした。「CP-70」は弦を張ってハンマーで叩くというピアノ本来の構造をそのまま採用し、各弦に圧電式ピックアップを取り付けて音を電気信号に変えて増幅するというもので、鍵盤のタッチも普通のピアノに近いということもあり瞬く間にバンドアンサンブルの中に普及していきます。これに対して「CP-30」はアナログ音源を用いた電子式のピアノで、これはまさにアナログシンセと言っても過言では無い製品です。なんと「CP-30」にはディケイコントロールというツマミが搭載されており、このツマミを調節するとシンセサイザーのADSRエンベロープでいうアタックとディケイの両方が同時に可変するように設計されています。さらに「CP-30」は音源を2系統持っており、それぞれ独立してディケイコントロールができるので、音源1でアタック部分の音を作り、音源2で音が伸びている部分を作るという現在のシンセではよく使われる音作りの手法を行えます。取扱説明書にも「CP-70」はElectric (電気)Grand、「CP-30」はElectronic(電子)Pianoと記載されているように、同じ「CPシリーズ」でも全く異なるコンセプトで設計されていることが伺えます。
アナログ音源方式のCPシリーズは1982年発売の「CP-7」を最後生産されなくなり、AWM音源(サンプリング音源)を搭載したデジタル音源ピアノに移り変わります。
音作りができるという柔軟性はシンセサイザーという商品カテゴリに引き渡し、「CPシリーズ」はピアノという役割を忠実に全うするというコンセプトに絞ることで、現在の「CP4」や「CP40」などの製品に進化していくのですが、現在においても「Motifシリーズ」にピアノタッチの鍵盤モデルがラインアップされていたり、音色プリセットにピアノ音色が充実していたりすることなど、この「CPシリーズ」で培われた様々なノウハウが活かされていると言えるでしょう。