【Z BLOG】フジイ ヒロキ:テーマパークでのお仕事





僕のキャリアの重要な経験のひとつに「テーマパーク」でのお仕事があります。
はい、皆さんよくご存知の千葉県浦安市のアレですね(笑)。
2002年4月〜2004年4月の2年間に「海」のバンド、2006年4月〜2007年3月の1年間、「陸」のバンドでパフォーマンスをしていました。
在団中から2,3年前まではアレンジもたくさんさせていただいていたので、トータルでは10年間くらいお世話になった事になります。







先日「海」のバンド時代のバンドリーダー、向出聡さんの退団をねぎらうパーティーがあり、出席させていただいたのですが、
向出さんは30年この現場で活躍されていた方ですので、新旧大勢の方が出席されていました(1枚目の写真が向出さんです)。
エリック宮城さんや、ディキシー(トラディショナル・ジャズ)界の重鎮で、ニューオリンズの名誉市民でもある、
外山喜雄さんもいらっしゃっていました。30年って凄いですよね。



学校の先生や、オーケストラ奏者では充分あり得る話ですが、テーマパークのお仕事ではなかなか出来る事ではありません。
このような世界トップクラスのエンターテインメントの現場で自分もお仕事が出来た事は、間違いなく「財産」となっています。
そんな事を思い出させていただく1日になりました。







テーマパークのお仕事が、コンサートホールやライブハウスでの演奏と大きく違う所は「客層」だと思います。
コンサートやライブでは、少なくともその音楽を聴く事が目的であり(最近は初心者向けのファミリーコンサートなどの企画も増えていますが)、
それなりにクラシックやジャズを聴きたい人が客層と言えると思います。



ですが、テーマパークのお客さんは、乗り物や、キャラクターが出演するショーを観る事が目的だったりするわけです。
極論を言ってしまえば、「自分たちの演奏に興味のない客層の心を一瞬で掴んで、楽しませなければいけない」という事ですね!



1回のパフォーマンスは、興味が他にあるお客さんが足を留めてくれる限界が約20分という事で、だいたいこの時間内に収まっていました。
1曲もほとんどが3分程度で、次々に展開が変わっていきます。印象的なMCや衣装も勿論演出の一部ですね。



僕は現在、Hero’s Brassというバンドを主宰していますが、
キーボードやベースといったエレキの楽器を使わず、金管楽器とドラムだけというそのスタイルは、やはりこの頃の影響だと思います。



http://hirokifujii.com/heros



例えばトロンボーン4重奏などのコンサートをやると、お客さんのほとんどがトロンボーンをやっている学生さん
(出演者が指導に行っている吹奏楽部の生徒や、音大の後輩,etc.)だったりする事もよくあるのですが、
僕のバンドのお客さんは、いわゆる一般の方が非常に多いです。
そういう方にも楽しんでもらえるよう、ジャズであってもCMなどで耳馴染みの曲を演奏したり、MCもわりと長めにやったりします。



また、テーマパークでは、ダンサーさんなど、音楽の専門家以外のプロフェッショナルの方と接する機会が多かったので、
そこからもたくさん学ぶ事がありました。それまで全く興味のなかったミュージカルなどが好きになったのもこの頃からだと思います。
元々映画音楽は好きでしたが、映像、脚本、演出ありきでBGMを作編曲するノウハウも、やはりテーマパークで学んだと言えるでしょう。
結果、そういったお仕事にも関わらせていただいています。



http://hirokifujii.com/sound



「海」のバンド退団後、1年4ヶ月アメリカに滞在していました。
サンディエゴ、フロリダ、フィラデルフィア、ニューヨーク、シカゴ、ボストン、メンフィス、ニューオリンズ、ロサンゼルスなど、
いろいろな所を旅してまわりましたが、一番長くいたのはエンターテインメントの聖地、ラスベガスです。
もしも僕がジャズにどっぷり浸かっていたのであれば、ニューヨークや、バークリー音楽院のあるボストンを拠点にしていたかも知れません。



こういうブログを書かせていただくと、過去に自分がどんな事を考えて、
どんなターニングポイントがあって現在に繋がっているのかを考える良いきっかけになります。
日々の仕事に謀殺されていると、自分の本当にやりたい音楽を忘れがち、見失いがちなんですが、
改めて見つめ直す事ができ、有難いですね。



これらの貴重な経験をより生かせるよう、活動を充実させていきたいと思っています!



※最後の写真は2003年、「海」のバンドの頃だと思います。よく飲みました(笑)。