【Z BLOG】フジイ ヒロキ:ジョージ・ロバーツ氏との思い出(出会い編)





5月15日のブログ(http://jp.yamaha.com/sp/blog/z_express/6471/)の中で、ほんの少しだけジョージ・ロバーツ氏の事について書かせていただきましたが、彼との出会いは僕にとってとても大きなターニング・ポイントだったので、3回に分けてもう少し詳しく書いてみようと思います。



ジョージ・ロバーツ氏は1928年生まれで、ジーン・クルーパ(ベニー・グッドマンのシング・シング・シングのドラムで有名)楽団、スタン・ケントン楽団などを経て、その後ハリウッドのスタジオ・ミュージシャンとして、ジョーズやキング・コング、未知との遭遇などのサントラに参加、ヘンリー・マンシーニ(ティファニーで朝食などの作曲で有名)や、フランク・シナトラのバンドでも長年活躍されました。
ベース・トロンボーンをソロ楽器としても認知させた功績も大きく、世界中から「Mr.Bass Trombone」と称されましたが、残念ながら昨年9月28日に、86歳で他界されました。



(↓Youtubeで昔の演奏が聴けます)

https://www.youtube.com/watch?v=yI9SFLypii0

https://www.youtube.com/watch?v=BoNxPMciZ2w



彼と始めて会ったのは、1995年、今からちょうど20年前で、僕が高校1年生の時でした。



日本トロンボーン協会主催のトロンボーンフェスティバルというのがあり、そのゲストが彼だったのです。
ですが僕は当時、ほぼクラシックにしか興味がなく、大学は芸大に入って、その後オーケストラ奏者になりたいと思っていました。
そのため、彼の事は全く知らず、ただ、この日のイベントにオーケストラの模擬オーディションというのがあったために参加していた記憶があります。



休憩時間か何かで僕がロビーにいた時、ちょうど彼が到着したので、「知らない人だけど、なんか有名な映画の中でも演奏してるみたいだし、サインくらいもらっておこう」と思って声をかけたのが始まりです。
今から考えれば相当失礼な若者ですよね(笑)。



結局この日はイベントの本編そっちのけで、彼の楽屋でお話をし(ちなみに当時は全く英語が喋れませんでした)、弁当をもらい(笑)、音を聴いていただいてアドバイスをもらい、ゲスト演奏のリハーサルをステージ上で見学させてもらうという、とても普通ではあり得ないような経験をさせていただきました。



その後のステージで、彼が演奏した「スーパーマンの愛のテーマ」を聴き、生まれて初めて音で自然と涙が出た事、これは今でも忘れる事は決してありません。



もしもこの日、このイベントに参加していなかったら?
参加していたとしても、彼の到着のタイミングがほんのちょっとズレていたら?
タイミングは合っていても、もしも僕がサインをもらいに行かなかったら?



数々の偶然が重なったわけですが、彼との出会いがなければ、ジャズ、ポップス方面に進む事も、映画音楽に興味を持つ事も、アメリカ西海岸に行って勉強しようと思う事もなかったかも知れません。



人生って面白いですね、、、