【Z BLOG】三木 俊雄:「サーヴァント・リーダーシップとインバウンド・マーケティング」

僕のやっているフロントページ・オーケストラは今年で20周年を迎える。
今までリーダーアルバムを2枚、コラボレーションを6枚出していて、その内の一つ”Yosui Tribute”はオリコンチャート9位、2枚目のリーダーアルバム”Stop & Go”は2013年度のジャズライフ誌グランプリの3位に選ばれた。
と言うと随分聞こえが良いが、この20年を振り返るとまぁ、よくこれまでやってきたものだなと自分でも思う。

よく「このバンドを始めたきっかけは?」と聞かれ、その度に「メンバー各自のソロとアンサンブルの両立を…」などともっともらしい説明をしていたりするのだが、実はそもそもこのバンドは僕がやろうといって始めたものではない。

20年前当時、国内の若手に海外留学からの帰国者が合流し、それをレコード会社が後押しする、「ジャズ維新」と言われるムーブメントがあった。
その中の企画のひとつが、ウイントン・マーサリス率いるリンカーンセンター・ジャズ・オーケストラのようなビッグバンドをジャズ維新の世代を中心に作ろう、というものだった。
担当者は人選などで盛り上がっているが、当然、「で、音楽は?」「譜面は?」ということになる。
これに限らず、こういったメンドクサイものはなぜか僕のところに回ってくる。

集まったメンバーは今や、日本のジャズシーンを代表する面々ではあるが、当時はまだまだ無名の駆け出しだった。
集客は厳しく、酷い時はバンドメンバーより少ないこともあった。
レコーディングの話は立ち消えになり、メンバーもそれぞれ忙しくなっていく。

優秀な人材を確保し維持するためにはそれに見合うだけの魅力を提示しなければならない。
何度かあったメンバーチェンジにはいろいろな理由と事情があったが、それはひとえに僕の力不足。
もともと僕に強力なカリスマ性などあろうはずもなく、何とかみんなに気持ちよくやってもらおうと、あらかじめセットリストとソロオーダーを作ったり、その順番に譜面を並べ揃えたり、というのが精一杯。
リーダーとしては何とも頼りないものだが、よく聴きに来てくれるお客さんによれば、
「それってサーヴァント・リーダーシップといって、今では最も進んだ経営手法なんですよ」
とのこと。
うーん、難しいことはわからないのだが、まぁ、そう言ってくれるんだから、そういうことにしておこう。

ではリーダーの最も大切な役割、すなわち「どうやって仕事を取ってくるのだ問題」は?
フロントページに限らず、結局これも人任せ、というか運任せ。
たまたま誰かが見つけてくれたり、 人づての紹介であったり、自分で取りに行った仕事は皆無である。
たまに自分から電話して取った仕事に限ってドタキャンになることが多かった。
もっとちゃんとコネクションをつくってしっかりとプロモーションをしなければと思うのだが、これについても、
「それはインバウンド・マーケティングといって、今や最も…」
まぁ、そういうことにしておこう。

その「サーヴァント・リーダーシップ」と「インバウンド・マーケティング」のお陰かどうか知らないが、最近ではライブも満員御礼となり、ホールでのコンサートなども開いていただけるようになった。
それはひとえにいろいろな人との出会い、その一言に尽きる。

今年の2月やった相模原市民会館、9月の小美玉市文化会館、NHKふれあいホール。
偶数月、最終木曜の南青山ボディー&ソウルでのライブを基本にしつつ、これからももっと多くの人に聴いてもらうためのあれこれを考えていきたいと思う。

とりあえず、NHKふれあいホールでの演奏はNHK FMの長寿番組 “Session 2016″で放送されます。
放送予定日は11/13 22:30〜
再放送予定日は11/18 10:00〜

皆様是非お聴き下さい。