【Z BLOG】吉田 佐和子:ラジオのパーソナリティーを半年間勤めて感じた『船を造る』ということ

2016年の6月から半年間、東京・木場にある、レインボータウンFMで、毎週金曜日の夜10時から放送されていた『Perfect Free』という番組のパーソナリティーをしていた。

春に、一緒にパーソナリティーを務めていた方のお誘いを受けたことから始まった。

今まで、ラジオにゲストで出演することは何度かあったが、自分が番組を持つのは初めてで、最初は喋り方や相づちの打ち方、咳が出そうになった時の対処など、分からないことだらけだった。
オンエアの録音を後で聞いて、マイクに対する声の指向性などを考えたりもした。

録音された自分の声が、私はどうも昔から苦手だったけれど、毎週放送されるのだから、自分が嫌だと思うその声にも向き合わなければならない。

そもそも、嫌だと思っても、声質はもう変えられないのだから、その声で何を話すか、どう話すか、ということを考えていく方が良いだろう。

私がラジオで心がけていたのは「自分のファンに向けて喋る」ということだった。

この発言はどう思われるだろう、とか、批判的な意見を気にしていると、どうしても自分らしさがなくなってしまう。

自分のことを既に好きになってくれているファンは、基本的に私がどんなことを喋っても嬉しいのだ。

例えば、私は割と抜けている部分があるのだけど、私がドジなことをすると、ファンの皆さんは面白おかしく突っ込んでくれたりする。
ドジなこと=ちょっとミスしたところも、そのやりとりがあると生きてくる。隠しようのない自分のどうしようもない部分が、個性や魅力の1つになる、というのは、ファンのみなさんに教えてもらったことだ。

ラジオに届くお便りも嬉しかったし、TwitterやFaceBookで、ラジオ聴いてます、と言ってもらえるのも嬉しかった。
ファンのみなさんとの何気ないやりとりは、いつも自分にパワーを与えてくれた。

自分がやっていることに対して、ファンはどう思うか?
ということを、今の時代は簡単に確認することが出来る。

私はそれがFaceBookやTwitterといったSNSのツールだと考えている。

特にTwitterはとても簡単で、分かりやすい。
共感したら、いいねを押す、これはもっと誰かに知ってほしい、と思ったらRT(リツイート)する。

自分のアカウントをフォローしている人数よりも、フォローされている人数(フォロワー)の方が多い人は、限られた文字数の中で、日々人に影響を与え続けている人だ。
それが出来ていない人は、いくらい自分からフォローをしたとしても、フォロワーの人数は増えない。
自分の発言は、どれくらいの人に届いているのかを知ることが出来る、とても簡単で、分かりやすいツールだ。

音楽をやっている人は、音楽だけをやっていたらいい時代はもう終わった。
音楽を伝えるためのツールを使いこなせない人は、だんだん時代の波にのまれていく。もっとたくさんのひとに届けられたかもしれない音楽が、どんどん波に埋もれていくような気もしている。
自分で、その荒波を越えていける船を造らないといけない。
その船は、HPやブログ、そしてSNSといった無料で扱うことが出来る媒体たちだ。

お金を投入したら、良いものが出来る。
それは事実だけど、音楽を拡めることに、いつもいつも、たくさんのお金を使えるわけではない。
だからこそ、私たちは自分で船を造らなければいけないのだ。

ラジオは、手探りの中で造り上げた、1つの船だった。

船を漕いでいると、色々な出会いがある。
自分が嫌だと思っていた声を、『なんだか癒される声ですね』『落ち着きます』と、ほんの数人に言ってもらっただけで、私のモチベーションはたまらなく上がった。

自分の嫌だと思うところも好きになってくれる人がいるということが、とてもとても嬉しかった。

船を造り、そこで荒波を越えていかないと、分からないことがある。
ラジオは、そんなことを教えてくれた。

ラジオのパーソナリティーというなかなか体験出来ない経験をさせていただいた半年間。様々なことを学ぶ事ができました。

また新しい船を造り、これからも荒波を越えて行こうと思います。