【Z BLOG】吉田 佐和子:ギタリスト小畑さんと渡仏前最後のデュオライブ

4月からフランスに移住することになった。
あともう少し時間があると思っていたら、あっという間に渡仏の時期が近づいてきた。

2月15日には日暮里にあるBar Poroで、ギタリストの小畑和彦さんとデュオライブを開催した。

小畑さんは、わたしが東京に来て一番お世話になっている音楽家の1人。
東京で一緒にライブした回数が多かったのも小畑さんだった。

2013年の夏。
まだコードも何もわからなかった私は、本当に最初のころメロディーと伴奏に欲しい音を書いて小畑さんのところへ持って行った。
今から思えば本当に丁寧に対応してくださったと思う。
そこで、ドミソはCメジャーということを知り、自分が鳴らしたい音はどんな記号で表すのかを知った。

そこから一気に曲を書くようになり、2014年の春には全曲オリジナルの1stアルバム『heart voice』をリリース、2015年には2ndアルバム『Letter』をリリースした。
そのどちらもが、小畑さんとのデュオによるものだ。

FaceBookにはタグ付けという機能があり、演奏後に写真をアップすると、私のタイムラインと小畑さんのタイムラインに写真が掲載される。
『小畑さんとよくやってる人だよね』といろんなところで言われた。
誰にも知られていなかった私の知名度を上げてくれたのは、小畑さんだ。

そんな小畑さんとの最後のデュオライブ。
どんな感じになるのか、検討もつかなかった。
その日、小畑さんから私に向けた新曲『旅立ち』という曲をいただいた。
今までのいろんなことが蘇って、リハーサル中に、泣きそうになりながら演奏した。

本番は、その日来てくださったお客様のあたたかい空気感に包まれて、とても良い夜となった。
1曲終わるごとに、お客様のあたたかい熱気が伝わってきた。
いくら演奏者が良い時間にしたいと思っても、ライブに来ておられるお客様の空気感というのは無視できない。
「さよなら」じゃなくて、「またね」という声が聞こえて来るようなお客様の雰囲気に、感謝の気持ちでいっぱいだった。

ここに来てくださったお客様のために演奏したい。
ーあんなに強く思って演奏した日はこれまでなかったと思う。

演奏的に、もっとこうできたとか、あぁしたかったとか、反省はあるけれど、自分のことよりも、とにかく精一杯音を届けたいと思った。
お客様の気持ちに応えたい!という気持ちでいっぱいだった。

そんな経験が出来たことを心から嬉しく思ったし、私と小畑さんがあの日紡いだ音楽も、来てくれたお客様も、本当にみんな最高だと思った。

『ありがとう。』
そんな気持ちで渡仏出来る私は、本当に恵まれている。

パリに行ってどんなことが待っているかはわからないけど、きっと、この日のことはずっと忘れられない。

そんな素敵な一夜になった。