【Z BLOG】三木 俊雄:”2Tenors”

ジャズミュージシャンのコンテストとしてよく知られたものに「セロニアス・モンク・コンペティション」がある。
毎年選考楽器が代わり、初回の1987年はピアノ部門で優勝者はマーカス・ロバーツだった。
当時彼はまったくの無名だったが、これを機にウィントン・マーサリスのグループに加入、世界的ピアニストとして知られるようになった。

初めてサックス部門が開催されたのは1991年の第五回。
優勝者はジョシュア・レッドマン。
第2位はエリック・アレキサンダー、第3位はクリス・ポッターとティム・ワーフィールド。
この後もシェーマス・ブレイクやジョン・エリスなど、いずれも現在では押しも押されぬプレーヤー達が選出されているが、特に初回のジョシュア、エリック、クリスという3人のインパクトは非常に大きいものだった。

中でも特に日本での人気が高いのがエリック・アレキサンダー。
テナーサックスの最前線といえば、超絶テクニックにシームレスなフラジオ、複雑なハーモニーに変拍子といったものがここ20年程の傾向である。
その中にあってエリックはデクスター・ゴードン〜ジョージ・コールマンの延長線上にある、比較的オーソドックスでストレートアヘッドなスタイルの持ち主だ。

彼とは雑誌の対談で何度か一緒になったことがあり、その辺りの話もよく聞いた。

彼はニューヨークに出て来る前はシカゴで活動していた。シカゴは かれにとって”Home feeling”のあるReal American city”であり、それと比較してニューヨークは “Frightening”(恐ろしい)だと。
当時のシカゴにはオルガンジャズに代表されるような伝統が残っており、「ミュージシャンだけではなく、誰でも楽しめるジャズがあった」という。
そういう経験が彼のスタイルを培っており、またそれが日本のファンにも大いに受け入れられている理由でもある。

さて、そんな彼と今回2テナーでコンサートをやることになりました。
コルトレーン没後50年にあたる今年わけですが、それに因んでかはさて置いて、「現代のテナーマッドネス」ということです(汗)

10/19(木) 銀座ヤマハホール
詳細はこちら→https://www.yamahaginza.com/hall/event/2941

10/22(日) 浜松アクト大ホール
詳細はこちら→http://hamamatsujazzweek.com/2017/01/

椎名豊(p) パット・グリン(b) 広瀬潤次(ds) の鉄壁のトリオにエリック・アレキサンダーを迎えてのこのコンサート。僕自身、いささか “Frightening”な心持ちではありますが、非常に楽しみにしております。
皆様、是非お越しくださいませ。