朝里 勝久

【Z BLOG】朝里 勝久:「子供の頃聴いた音楽」

よく食べていたものを食べて、その頃を思い出す。昔嗅いだ匂いを嗅いで思い出す。昔見たものを…(以下同文)
このような事を経験することは誰しもがあると思うのですが、五感の中でも聴覚、特に音楽はその再現性、再現度が高いと思っています。

私が小学3年生の頃、母がサックス奏者のMALTAさんの演奏が好きになり、車などでも常に彼の曲がかかっていたので、自然と曲を口ずさむようになっていました。それがどういったジャンルで、何の楽器で、などは全く分からずに聴いていたので、自分の中では他の童謡などと同じ位置付けだったように思います。ちなみに、私は音名が分かる程度の絶対音感があるのですが、それが判明したのも彼のソロをドレミで口ずさんでいる時でした。(元音楽教師の母がかなり驚いていたのをよく覚えていますが、みんな当然出来ることだと思っていたので逆に不思議に思っていました)絶対音感自体は一長一短だと思いますが…この話はまた後日。

少し逸れましたが、子供の頃よく聴いた音楽の一つである彼の曲は、今聴くと自分が当時の住んでいた場所の風景や出来事がすぐに思い出されます。先日MALTAさんご本人のビッグバンドで、まさに子供の頃聴いていた彼のオリジナル曲を演奏する機会があったのですが、確実に私一人だけ全く違うイメージを持って演奏していたと思います(笑)音楽って面白いなと。

演奏後の一枚。お客さんを巻き込むパワーに感動しました。

【Z BLOG】朝里 勝久:「ウエストサイドストーリー」

7月は、ミュージカル「ウエストサイドストーリー」のオーケストラピットで演奏させて頂く機会がありました。

本場ブロードウェイのキャスト&スタッフが、作曲者のレナード・バーンスタインの生誕100年を記念したワールドツアーに出ており、その日本公演にて参加しました。キャスト、スタッフは外国人の方が殆どの為、リハーサル中の言語は勿論、バックヤードの表記など全て英語で、現場は渋谷のはずなのですが、なんだか外国に来た気分になっておりました。ちなみにセリフなども全て英語でしたが、字幕は流れておりました。

私はバーンスタインといえば最初は指揮者のイメージだったのですが、高校生の頃にこのウエストサイドや、キャンディードなど作曲家としても沢山の名曲を残している事を知り、かなり驚いた覚えがあります。「Tonight」、「Mambo」、「America」、「Maria」等々、譜面のページをめくる度に名曲が次々と登場し、幸せを感じながら演奏していました。また実際演奏してみると、和音の進行や音の跳躍などを用い、対立、葛藤、愛情、憎悪など音楽でここまで感情とストーリーを表現していたのかと驚く事もありました。それから、個人的に増4度の跳躍に少しだけ慣れました(笑)※様々な場面で使われます。

また、今回20代の優秀な演奏家の皆さん(ホルンとトランペットは外国人含めほぼ20代)と一緒に音を出せたのがとても刺激になりました…というか、正直自分が全く足りてないと思う場面が多々。精進します。

【Z BLOG】朝里 勝久:「7/24(月)Z EXPRESS BIG BAND」

さてさて、今月末に迫ってまいりましたZ EXPRESS BIG BANDのライブ。今回のライブでは、スペシャルゲストとしてスーパートランペッターのエリック・ミヤシロさんをお迎えします!

今日エリックさんとレコーディング仕事でご一緒させて頂きまして、コチラはその仕事後に撮って頂いた一枚。内容は某超有名アニメの劇伴だったのですが、流石のプレイでございました。今月末もとても楽しみです!

フライヤーが手元に無く、急遽iPadでダウンロードしました…便利な世の中ですねー(笑)

ライブの詳細はこちら!ご予約をお勧め致します!


Z EXPRESS BIG BAND@目黒Blues Alley Japan

7月24日(月)
OPEN 18:00
START 19:30

スペシャルゲスト:エリック・ミヤシロ(tp)
MC/Tb:三塚知貴
sax:菅野浩、福井健太、レイモンド・マクモーリン、河村緑、宮木謙介
tp:石井真、赤塚謙一、古屋ひろこ、マイク・ザチャーヌク
tb:和田充弘、フジイヒロキ、石橋采佳、朝里勝久
ds:勘座光
pf:佐久間優子
ba:岸徹至

料金(前売券)
テーブル席(指定)¥4,000
ディナー・セット(mini Dinner・1Drink付/MC・SC込)¥11,000
学割(テーブル席/指定)¥3,000

それでは、7/24にお会いしましょう〜

【Z BLOG】朝里 勝久:「楽器運搬」

ミュージシャンにとって、現場まで持って行くものの中で一番必要なものは「楽器」。
どこへ行くのにも楽器運搬というのは付きまとう問題です。こういう話を仲間内でする時は、大抵「なぜもっと小さい楽器を選ばなかったんだ」という話に始まり、ピアニストが羨ましくなり、最後はだいたい「コントラバスよりはマシか」というオチで終わります。いや、コントラバスの方々には大変失礼だとは思うのですが…。

移動の方法は、徒歩、バス、タクシー、電車、自家用車、飛行機、船など様々ですが、今回は自家用車の話。

私はずっと車の免許を持っておらず、東京都内では駐車場は高いし公共交通機関が便利なので、基本電車とバスで移動していました。Bass Tromboneはそれなりに大きいですが、ケースを背負えるし、20代の頃の体力なら何も問題はありませんでした。ところが30代になり、とある現場に向かう途中事件が起きました。その現場はBass Tromboneの他に、ミュート類全部、スタンド、そしてトドメにテューバ(!)を全て持って行かなくてはならなかったのですが、20代の頃ですら結構キツかったこのセットを持って移動している途中で、腰を痛めて立てなくなってしまったのです。立てなくなっても、とりあえず現場には這ってでも行かねば!ということでそこからタクシーに乗り、運転手さんに手伝って貰い、ボロボロになりながら現場に着いたら「ごめん今日やっぱりテューバ無くていいや」と言われ、顔は笑顔で心は涙、アサリカツヒサ当時32歳、この日の帰りのタクシーの中で車の免許を取ることを固く固く誓ったのでした。

若者に混じって教習所に通い、晴れて自家用車で移動できることになったのですが、嬉しかったのはとにかく体が楽だったこと。やはり体は大事にしないといけません。また、確定申告の時にその年使ったお金をまとめるのですが、酒量が確実に減っていたことはびっくりでした。今までどんだけ呑んでたのだろう。

~おまけ~
先日初めてコンガを運びました。
(この後梱包はしました、念のため)

【Z BLOG】朝里 勝久:「文章で表現する音楽」

昔から本は割と読む方。家でゴロゴロしながら読む時間が好きです。また移動中などの暇つぶしにも、とても重宝しています。

ここ最近、なんとなく音楽を題材にしたものを読む機会があったのですが、特に演奏表現に関して、本当に音が聴こえてきそうな素敵な文章が多くあり、音楽を生業にする者としても非常に勉強になります。音楽を文章で表現するには、相当具体的に文章にする必要があるのですが、それに伴って自分の演奏に関しても、演奏前にどのようなイメージで臨むかを具体的に考えることが増えました。もちろん演奏後に振り返る際も。また、レッスンの時にイメージを伝える語彙が前より少しは増えた気がします。

具体的なイメージだけが正しいという訳では決してないのですが、具体的思考と抽象的思考のバランスがちょうど良い時って、急に面白いことを思い付いたり、それこそ急に楽器が上手くなる(側から見たらそんな大したことには見えないかもしれないのですが)時などがあって、とても興味深いです。
音楽を演奏する時、自分は抽象的思考に傾いていることが多いような気がするので、思いがけずそんなことにも役立っています。

家にあるものの中から、最近読んだ音楽に関する本。ミーハーなのがバレる感じのラインナップ(笑)
そして、後部に「太らない食べ方」という本があるのは内緒。

【Z BLOG】朝里 勝久:「VOLTZ中国地方ツアーその2」

Jazz Trombone Quartet VOLTZで、昨年に引き続き岡山県と広島県で演奏してきました。
なぜそんなよく中国地方で演奏できる機会があるのかと聞かれるのですが、いつもお世話になっている方々が企画からアテンドなど諸々ご尽力くださって、有難くもお呼び頂いています。5泊6日の演奏旅行、ライブハウスやホテルなどの他、前回に続き、走る電車の車内でも演奏しました。


※分かりにくいかもしれませんが、後列の私は急な揺れに対応するため重心をかなり落として演奏しています。

こういった演奏旅行でいつも思うのが、各地で素敵な出会いがあること。そして確実に太っていくこと…。
大学時代までは旅行そのものがそれほど好きではなかったのですが、この職に就いてから旅が大好きになりました。

下の写真は、何故か鉄道会社のオフィシャルページに載っていた私の楽器のアップ。これだとサテン(前回ブログ参照)がどうか分かりにくいな~(笑)

~おまけ~
題:ポピー畑でつかまえて

【Z BLOG】朝里 勝久:「サテンのチューニング管」

先日、トロンボーン奏者の三塚知貴さんとご一緒した時に、何やらカッコいい色をしたチューニング管を使っているのを見ました。聞いてみるとサテン仕上げのものとの事。新しいもの好きな私は色々と情報を仕入れた後、ヤマハの方に無理を言ってしっかり自分の楽器用のものをお借りしました。(いつもお世話になっております)

こっちが普段のもので、

こっちがサテン。

※ちなみに金管楽器で言う「サテン」とは一般的に、メッキの仕上時に砂を吹き付けたり、刷毛やスチールウールでこすったりしてつや消し状態にしたものです。写真のものは、最後にクリアラッカーで仕上げてあります。

カッコ良いですよね!?見た目よりも音や吹奏感が大事だろうという声も聞こえてきそうですが、いやいや、見た目も大事!(笑)
…すみません、音の話もします。
最初に感じたのは、音が遠くに飛んでいく感覚がある事。その割に、自分にもニュアンスなどしっかり聴こえます。吹奏感に関しては多少抵抗が強くなる感じです。前で聴いている人、横で一緒に演奏する人に色々意見を頂きつつ、色々試しているところです。いよいよ明後日に迫った「Z Express Big Band」では、こちらのチューニング管を使ってみようと思っています。

いやー、それにしてもかっこいい(いつまで言うとんねん)

【Z BLOG】朝里 勝久:「バランス」

例えば金管楽器奏者にとって、演奏する上で「耐久力」は大きな問題です。限界を超えると出したい音が出なくなり、演奏になりません。一般的にはマウスピースが小さく、高音域を演奏する楽器の方が、高い息圧やそれに伴い口輪筋を酷使するので「キツい」と言われています。私はBass Tromboneを演奏していますが、普段の演奏で唇がバテることはあまりありません。(いや、モノによりますが!)ただ、それに甘えて普段の練習を疎かにしていると、ジワジワと能力が下がるという恐怖が。しかもバストロの場合、普段の仕事はなんとなくこなせてしまう事が多いので、気付いた時にはエラい事になっている場合も。これはまた別の話ですが。

更に余談ですが、録音の現場で同じブースにトランペット奏者もいて同時に演奏する時など、トランペットにキツいフレーズが書いてあると、ご本人だけでなくこちらも少しドキドキするのです。割と平和な譜面の自分が、間違えてやり直しになった時の空気を想像するだけで…。

さて、昨今インターネットの普及もあり、本当に様々な人の考え方を知る事が出来ます。耐久力に関しても、アンブシュアが云々とか、息や舌の使い方が云々など、情報がたくさん手に入ります。というか、溢れています。それらを見ていると、これは直接自分の状態を見てもらいながら、聴いてもらいながらやるべきなのではないかな、言葉だけで捉えると危ないなと思う事があります。否定するつもりはないんです。私も色々ネットを眺めつつ、興味深いヒントがあれば練習や本番で試すことはあります。でも、選別は必要ですよね。文字だけの情報をそのまま鵜呑みにしている人は最近すごく多いなと思います。

耐久力に関して、もちろん無理な吹き方によって阻害されている場合も多々あるのですが、フォームを正しい方向に持っていったら全て解決、ということは有り得ないし、そもそも正しい方向に持っていく練習が必要ですよね。そして、どんなスタープレイヤーも、必要に応じて耐久力を上げるための練習はしているはずです。

大事なのは「バランス」だと思うのです。

頭でっかちで、練習時間は長いけど意外とマウスピースと唇がくっついている時間が短いのかなと思う事があります。
気合入りまくり、毎日15時間吹いて吹いて吹きまくってます!奏法は後から付いてきます!アパチュアってどんな食べ物ですか?押忍!…というのもアレですが。でも、最近こういった方向に傾いている人が減った気がします。でも逆に、という話です。

僕の最初の師匠が「喇叭をいつも持っている奴には敵わない」と仰っていたのですが、最近よくこの話を思い出します。

【Z BLOG】朝里 勝久:「Z Express Big Bandリハーサル」

昨年、東京ビッグサイトで行われた2016楽器フェアで、このイベントの為に結成された「Z Express Big Band」が今後も演奏活動を行っていくことになりました。この記事では、4月22日の本番に向けたリハーサルの模様を、少しだけお伝えしたいと思います。


リハーサルの場所は本番と同じヤマハ銀座スタジオ。音響関係も本番と全く同じで、非常にやり易かったです。


トロンボーンセクションの皆様。奥にはリーダーも。


休憩中…。

5時間に及んだ長丁場のリハーサル。だんだんリーダー三塚さんのギャグに対する反応も薄くなってきて…(笑)
冗談はさておき、熱い本番になりそうです。細かいところをもう少しさらわないと!

「Z Express Big Band DEBUT LIVE」
※チケットは既に完売しております。

2017年4月22日(土)
開場15:30 開演16:00

会場:ヤマハ銀座スタジオ / ヤマハ銀座ビルB2F

出演:Z Express Big Band
ゲスト:雲井雅人(sax)、TUBAMAN SHOW

チケット料金:一般4,000円、学生3,000円(自由席・税込) 

定員:112名
主催:ヤマハ株式会社

Z Express Big Band メンバー
Sax:菅野浩、福井健太、RaymondMcMorrin、河村緑、宮木謙介
Trp:石井真、赤塚謙一、古屋ひろこ、MikeZachernuk
Trb:和田充弘、フジイヒロキ、石橋采佳、朝里勝久
Drs:勘座光 Pf:佐久間優子 B:寺尾陽介
Mc&Trb:三塚知貴

お楽しみに!

【Z BLOG】朝里 勝久:「人生最後の担任の先生 その2」

前回の続き
(前回:人生最後の担任の先生 その1)

その後、何事もなく高校卒業。無事音大に進み、4年後こちらも卒業。

大学を卒業してからすぐの1年目に頂いた仕事の中に、とある有名な歌手のバックバンドの仕事がありました。テレビにも少し映ったりして、親や友人も喜んでくれて。そんな折、母校の高校吹奏楽部の定期演奏会にゲスト出演する事になりました。事前のリハーサルの為に久し振りに高校に行き、久々にお会いする先生方に、この間、歌手の〇〇さんのバンドで演奏していたんですよ、などと近況報告。先生方は一様に、凄いね、頑張ってるねと言ってくれました。あの担任の先生以外は。

あの先生のところに行き、同じように近況報告すると、半ば呆れたような顔をされ「…朝里、前からそれがどうしてもやりたくて頑張ってたのか?」とだけ言われました。

喜んで、褒めて貰えると思い込んでいた私はショックで、また初めて先生の感情を見た気がして複雑な気分になりました。何故そう言われたのかは、その時はあまり分かっていませんでしたが、今思うと、色々と見抜かれていたのでしょう。勘違いして貰いたくないのは、そういった仕事自体の良し悪しの話は全くしていません。というか、今も素敵な仕事だと思っています。ただ、元々自分自身が何を成し得たかったのかを忘れそうになっていたのかなと。ヘラヘラして、油断していたと思います。同じような状況であのように言ってくださる方って、なかなかいないと思います。そして何より、先生がずっと見てくれていた事、楽しみにしていてくれた事を知りました。

今お会いしたら、どういう近況報告をするだろうか。とりあえず、苦労してますけど頑張ってます、かな。うーん。