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【Z BLOG】石橋 采佳:秋のライブレポ

こんにちは!
トロンボーンの石橋采佳です。

絶対書こうと決めていたのに書きそびれていたライブがいくつかあるので今回はその記事になります。

まずは1ヶ月前の話になってしまいますが(笑)、
10月12~14日で行われていた「しあわせ、ヒュッゲ Jazz Festival」というイベントにZ Express Bigbandのメンバーの皆さんと、少人数のコンボ編成で参加させて頂きました!

会場は西武池袋本店の屋上ということで野外ステージ♪
私は13,14日と参加させて頂き、1日3ステージ演奏しましたがどのステージもたくさんの方が足を止めて聞いてくださりました。

10月13日
茅野嘉亮(tp)河村みどり(sax)石橋采佳(tb)
加藤友彦(pf)佐藤潤一(b)北井誉人(dr)


10月14日
古屋ヒロコ(tp)菅野浩(sax)石橋采佳(tb)
加藤友彦(pf)佐藤潤一(b)濱田省吾(dr)

特に嬉しかったのは小さなお子さんが楽しそうに聞いてくれたり、普段はジャズはあまり聞かないけどとても楽しめたと声をかけて頂いたこと!
ライブハウスやホールなどで演奏するのもいいですが、こうやって老若男女問わずたくさんの方にジャズを聞いて頂けるチャンスのある野外のステージは本当に楽しいです!

あと今回はこのジャズライブのみでなく、演奏の合間に手作りトランペット教室や楽器体験イベントなど色々な催し物が行われていました。
私も14日の手作りトランペット教室にちびっこちゃん達に混じって参加させて頂きました!!(^^)
手作りトランペットって一体どんな感じなんだろうと思っていたのですが…
完成したものがこちら!!

マウスピースは本物のトランペット用の練習マウスピースだし、音もしっかりでるし、これでしばらく遊べそうなくらい本格的な楽器が完成!!
演奏ももちろん楽しかったのですが休憩時間もとても楽しませて頂きました♪

そして次の週こんなイベントがありました!
Z Blog仲間のTp曽根真央さんも書いていらっしゃいましたが..Heisei Jazz!!!

CDが売れにくく、ライブハウスに客足が遠のき、ライブハウスが閉店してしまう、そんな時代。
そんな時代に生まれても、ジャズミュージシャンの道を進むことに決めた平成生まれが10人集まってのライブでした。
このライブをリードしてくれたのは、私の大学の先輩でもあるサックス奏者の中山拓海さん。
拓海さんはこのライブ以外にも. 90年代生まれのアーティストを中心に企画された「JAZZ SUMMIT TOKYO」というイベントや、その他にもいろんな企画を持っていて、私達世代のリーダー的存在です。
これからの日本のジャズに対してとても真剣に考えていて、実際に行動に移している数少ないうちの一人だと私は思っています。
ライブ当日、拓海さんの言葉、演奏を聞いて日本のジャズをもっともっと盛り上げていくために私達世代が頑張っていかなければと改めて強く感じました。

実際に私は普段演奏の現場にいる時など一番年下ということがほとんどで、頑張って先輩についていかなきゃと必死に着いていくような場面が多いのです。
これももちろん貴重な経験。
でもステージに上がったり、音楽を創る現場で年齢なんて全く関係ないですし、これからは一人のミュージシャンとして、そして日本ジャズ界を担っていく一人のトロンボーン奏者という意識で、常に音楽と関わっていかなければと思った夜でした。
そして音楽で何を表現したいのか、何のために演奏をするのか、何を残したいのか、改めて考えていきたいです。

このような機会を与えてくれた拓海さん、若手を応援してださるカフェクレールの滝澤さんをはじめたくさんの方々に感謝です。

この同世代のメンバーで10年後も演奏し続けられてたらいいなぁと心から思います(^^)

そして最後に!
11月5日にZ Express BigBandのライブがありました!
この日のライブのゲストは以前からお知らせさせて頂いた通り…
トロンボーン奏者、中川英二郎さんをお迎えしてのライブでした!!

photo by 森島興一

私は中川英二郎さんの弟子でもあり、ファンでもあるのですが、この日も最高に素敵で、もう終始うっとりでした。
この日英二郎さんはもちろんYSL-823Gを使っていたのですが、バラードのときの音色がもう美しすぎて、次の日私も同じ曲を練習しまくりました(笑)
YSL-823G、私もあんな風に自分の音色を出せるようにますます頑張らなければ(^^)

ZEBBのライブは今年はこれが最後でしたが、どうぞ来年の活躍にもご期待ください♪

まだまだ楽しかったライブなどたくさんあるのですが長くなってしまったので今日はこの辺で。
また次回をお楽しみに!

Tb石橋采佳

【Z BLOG】曽根 麻央:ロイ・ハーグローブ

今月はジャズ界に衝撃的で悲しい事件が起こり、ソーシャル・メディアのニュースフィールド等はこの話題で持ちきりになって始まりました。
それは、トランペット奏者=ロイ・ハーグローブの訃報です。ジャズのスーパー・スターとして圧倒的カリスマ的存在感を示して来た偉大なミュージシャンの49歳という若さでの死でした。

僕は残念ながら個人的なお付き合いはなかったのですが、2014年のモンク・コンペティションに僕が出場した時はジャッジメントの一人として演奏を聞いていただきました。また、ニューヨークでジャム・セッションに出かけると絶対に彼は来ていました。そして1〜2コーラスの短くとも完璧でシンプルなソロを吹いていきました。これを目にした人は多いのではないでしょうか? 2014年のカナダ、トロント・ジャズ・フェスティバルでは、偶然同じホテルに泊まっていて、エレベーター内で鉢合わせた時、体調がかなり悪そうで心配になりました。その頃から恐らくすでに闘病していたものと思われます。

現在のジャズ・ミュージシャンでロイ・ハーグローブの影響を受けていない人がいるのでしょうか? 僕も例にもれず、高校生の時にはロイの魅力に取り憑かれ、必死にトランスクライブをして、彼のフレーズを使ってソロをとったりしていました。ハービー・ハンコック&マイケル・ブレッカーとのコラボ・アルバムの『Directions in Music』の「So What/Impressions」のロイのソロは繰り返し、繰り返し聴きました。僕の憧れでした。

彼の最大の特徴は圧倒的なリズム感の良さです。正直言って異常なまでもの完璧なリズム感を持った人物でした。彼のリズム的アプローチに影響を受けたミュージシャンは多いと思います。
そのリズム感にのって、あの独特で美しい音色と、センスのいい音使い&スペースが現れます。彼の長所を最大限に活かしたRH FactorはジャズとR&Bの両方の部門で絶大な支持を得ています。もはやR&Bのトランペットの吹き方、尚且つ、ホーンセクションの作り方の見本になり、様々なアーティストの参考となっています。

作曲家としての彼の功績としては、他のミュージシャンがジャム・セッションで演奏したくなるような、シンプルでカッコいい楽曲を提供し続けたことです。
コンテンポラリー・ジャズは複雑になり、作曲したアーティスト以外の奏者が楽曲をカバーすることは稀です。
しかしロイの曲はジャム・セッションでも使われ、音大生の大好きなレパートリーの一部となりました。

グラミー賞受賞者のドラマー=テリ・リン・キャリントンはこうコメントしました。「ロイはほとんどのドラマーより優れたタイム感で、彼の純粋な音楽とともに、沢山の事をジャズに提供してくれました。(省略)彼が存在してくれたことに感謝します。」

僕らの世代も彼が残してくれた偉大な遺産を引き継ぎ、発展させ、頑張って行かなければいけません。Rest In Peace, Mr. Roy Hargrove

Roy Hargrove – Father (Live)
https://www.youtube.com/watch?v=3mDumc8c5eM

Roy Hargrove Quintet – Strasbourg / Saint Denis
https://www.youtube.com/watch?v=qxeb0cwjE8U

Roy Hargrove – The Joint
https://www.youtube.com/watch?v=tW6gDOSVVCw

【Z BLOG】菅野 浩:Yellow Card Orchestra!

先月の10/23(火)は、新宿Pit Innの昼の部において久々にYELLOW CARD ORCHESTRA!のライブだった。

【YELLOW CARD ORCHESTRA!】
佐藤 帆 (The band leader and Tenor Sax)
後藤 篤 (Arranger and Trombone)
石崎 忍 (Alto Sax)
菅野 浩 (Alto Sax)
加藤大輔 (Alto Sax)
森田修史 (Tenor Sax)
西尾健一 (Trumpet)
TOKU (Flugelhorn)
黄啓傑 (Trumpet)
和泉聡志 (Guitar)
丈青 (Piano)
工藤 精 (Bass)
斉藤 良 (Drums)
吉岡大輔 (Drums)

バンドや個人のプロフィールなどは公式Facebookページをご覧いただきたい。
https://facebook.com/yellowcardorchestra/

2000年前後、みんな20代だったころ共に全力で音楽していた仲間たち。東日本大震災の直後にいちど集まってライブをしたが、今回ほどではなかった。なのでここまで多くメンバーが集まったのは16〜7年ぶりではなかろうか。その間、個別に共演する機会があったメンバーもいたが、なかなか共演の機会が訪れないメンバーもいた。それでも皆が活躍する話はよく耳にしていたのでその噂を聞くたびに彼らのもとへ遊びに行ったりして交流してきた。皆の各方面での活躍ぶりは多岐にわたっていてとても面白い。すごい猛者達。そこのところを紹介し始めると長くなるのでここでは割愛する。

日本のジャズシーンは、80年代にはハードバップ再興という空気が生まれたが、このバンドが生まれた2000年前後はクラブ系やジャムバンド系などの言葉をよく耳にするようになってきていた。バブルがはじけた不況感を日本中で隅々まで感じていたさなか、ジャズプレーヤーがジャズクラブ以外にも若者が集まるクラブへと演奏の場を広げはじめた時代。そんな時代に20代だった僕らは老舗ジャズクラブへの出演の機会を狙いながらも皆路上で演奏して切磋琢磨していた。既出のメンバーはほとんどがいわば路上での叩き上げである。
路上での演奏はいつも勉強会のようなものだった。暑い日も寒い日も雨の日も雪の日も場所さえあれば演奏していた。路上で演ると音がデカくないとコミュニケートできないが、そこは必ず鍛えられ、過酷な状況だけになんとも言えない連帯感がメンバーの間に生まれる。それは同時にお互いの信頼感へと発展し、皆思い切り伸び伸びとした演奏をしていた。そして通りすがりの見知らぬ人達へと発信された。そんな若輩者の我等を見かねてか、当時六本木にあったお店「BASH!」の今は亡きマスター・山崎氏の呼びかけにより、佐藤帆をリーダーとして生まれたのがこのバンド。もちろんジャズクラブには収まりきらない状況で、若者が集まるクラブシーンでの演奏も多くあった。

このバンド、一旦解散したものの、メンバーの各々と再会し共演する機会があると、子供のころ一緒に遊んだ友達や親戚、いや、家族に久々に再会する気分になる。要するにブラザーってことだ。

海外へと拠点を移したメンバーの一時帰国のタイミングに合わせて実現した今回のライブは、じつに良い時間だった。平日昼間の新宿Pit Innにして120名を超える聴衆に見守られての再演。
客席には懐かしい顔もちらほら。


演奏内容はと言うと、なんとも言葉では形容しがたいのだが、、、
ある種の動物園とでも言おうか、、、
いや、自然界の物理的法則に従って進行する音楽ではなかろうか。ジャズとかファンクとか言葉を当てはめるのとはなんか違う。
楽曲として整った曲を演るが、カオスな瞬間も訪れる。そこからの大ユニゾン。9人のホーンはそれぞれの歌い方でメロディを吹くので物理的なピッチや音色などは当然の如く合わない。でも心のボルテージは皆同じだ。そこからのアンサンブル。大晦日に第九を大勢で歌うのと同じ迫力だ。その9人のホーンを支える5人のリズムセクションは巨大な船を大きな波で襲いながらも絶対に船を沈めることなく支え続ける荒れ狂う海のようだ。ひとり船から投げ出されてもまた船に戻してくれる、そんな存在。だからホーンの人々は喜んで荒れ狂う波に飛び込んで行く。その繰り返しのようだった。
人間らしい誤差が多分に感じられる。音程・音色・音圧・歪み・音のかすれ・リズムなど様々。これらを踏まえた上でストーリーが築かれるため、不意に予想だにしなかった最高のグルーヴが生まれたりもする。とても豊かな音楽=自然界の現象がそこにはあった。
この誤差の波に心震わす経験を20代だった頃、この仲間達と経験できたことはかけがえのない宝物。



音楽って面白い。

みんなありがとう。

元気で再会する日を待つとしようか。

【Z BLOG】曽根 麻央:オリジナルの楽譜販売開始 / 楽譜を書く時の注意点

こんにちは。トランペットの曽根麻央です。

最近すごく嬉しいことがありました。作曲家としては特に。
なんと、、、僕の楽曲の楽譜がポニーキャニオン音楽出版様より発売されました!!

全部で4曲ありますが、全てアルバム『Infinite Creature』に収録されているオリジナル楽曲です。楽譜はオンラインからPDFで購入できます。

「Within The Moment」
これはバンドスコアです。とは言っても僕のバンドメンバーが使っているパート譜をそのままスコアにしました。
この曲は国際セロニアス・モンク・コンペティションでセミファイナリストに選ばれた時に提出した音源制作のために2014年に書いたものです。同時期に演奏で行っていた国際パナマ・パーカッション・フェスティバルでも演奏した思い出の曲です。
https://score.dlmarket.jp/products/detail/619647




「Japanama」
先月のブログで紹介した僕のバンド、「Brightness Of The Lives」のレパートリー。パナマのリズム=タンボリートと、和の雰囲気が混ざり合う曲です。僕の師匠のダニーロ・ペレスに捧げた曲です。楽譜はメンバーが使用しているものを清書しました。
https://score.dlmarket.jp/products/detail/620279




「George Washington Bridge Blues」
ニューヨークに住んでいた時にアパートの窓から一望できた世界で最も交通量の多い橋=ジョージ・ワシントン・ブリッジをテーマにブルースを書きました。これも同じくメンバーが使用している楽譜を清書しました。
https://www.dlmarket.jp/products/detail/620278




「Drunk At The Reception」
僕がコンサート後に酔っ払って、巨匠=ジョー・ロバーノに汚い言葉を使ってしまって「マズイっ」と思った瞬間の心情をそのまま曲にしたものです(笑)。曲はもちろんマエストロ=ジョー・ロバーノに捧げます。



「Drunk At The Reception」はYouTubeで7万回近く再生されています。是非見てください!
https://youtu.be/AIzSJobln5A


作編曲して譜面を書く際は、アーティキュレーションやダイナミックスを書くようにしてください。作編曲者の大切な仕事です。それだけでリハーサルの効率がうんと上がり、演奏のクオリティーも向上します。
同じ四分音符でも、短いのか、長いのか、強調するのか明記するだけで曲が変わります。ジャズの場合、スタッカート「.」はもちろん短くですが、「^」の場合は音は短く、そして強調して演奏されます。つまりスタッカート「.」とアクセント「>」が一体になった感じです。アクセント「>」の場合、音は書いてある拍通り伸ばしますが、強調して演奏されます。つまりタンギングを要する箇所を指示することができます。強調はしないがきちんと音価通り音を保って欲しい場合はテヌート「-」を書いてあげると演奏する側の判断が容易になります。
このようにアーティキュレーションを描く作業は特に管楽奏者の曲の解釈に大きく貢献します。できるだけ詳しく書きましょう。

そしてダイナミックス! 大きい、小さいは人間が判断できる最初の耳からの情報です。詳しく書きましょう。

僕は作編曲する際、スケッチの段階からこれらの情報を書き込むことにしています。是非試してみてください。

【Z BLOG】菅野 浩:楽器の持ち替え

僕は現在、サックス奏者であると同時にクロマチックハーモニカ奏者でもある。
ハーモニカ界ではまだ何にもできないし大してもの申すこともできないが、それなりにライブでは使っておりこだわりも強くある。
アルトサックス以外に僕が持ち替えられる楽器はクロマチックハーモニカ以外に無い。

いままでの持ち替え楽器の遍歴を。
アルトサックスの練習に猛烈に励んでいた学生時代は、ソプラノやテナーなど他のサックスはほとんど演奏しなかった。と言うか縁が無かった。なので僕はサックスの持ち替えスキルがとても低い。
大学を出てわりとすぐ、友達からバリトンを勧められ演奏し始めた。ずっと人から借り物のバリトンを数年にわたり本腰入れて演奏していたが、右手の親指に痺れを感じたこと、定期的にバリトンで演奏していた仕事が無くなったこと、そして楽器の持主が楽器を現金化したい、などの理由で、やむなく手放しバリトンは廃業に。
バリトンと並行して、対照的に軽いソプラノサックスを始めてみた。まずはカーブドソプラノ(見た目が可愛いから)を手にする。これでToots Thielemansみたいなことを老後にできたら幸せだろうな〜と。間も無く当時参加していたビッグバンドでソプラノの持ち替え指定があった。喜んで臨んだのも束の間で、カーブドはセクションで吹くにはピッチが取りにくいということでストレートのソプラノを入手。すると次第にそのバンドでしか使わなくなり、モチベーションは低下、そのバンドの解散とともにソプラノも廃業。。このソプラノに対するモチベーションが低下した理由にはもう一つ理由があって、老後にToots Thielemansみたいなことやりたいんだよな俺?だったらクロマチックハーモニカやればいいじゃん。てことで、そう思った瞬間にクロマチックハーモニカを買っていた。リーマンショックで世の中どんよりしてた頃だ。
他にフルートやクラリネットも始めようと思った時期があった。近所の音楽教室でフルートを教わろうと決心したことがあり、訪ねた。運指はサックスやってるので馴染みやすいから、口元のアンブッシュアとか発音だけを2〜3ヶ月教わりたいとの旨を伝えると、あっさりと受付のお姉さんに断られた。短期では受け付けておりませんとの事。えー、じゃあどうしたらよいですか?の問いに相手は困り果て。。次に友人のフルーティストを訪ねるとこれ以上ライバルを増やしたく無いとのことで教えてくれない。フルートは断念。
クラリネットは学生時代に吹いたことがあったが、サックスと同じリード楽器なのに似て非なる部分が多すぎてどうしても始める気にならなかった。
これらの挫折を繰り返しながらも、クロマチックハーモニカだけは5・6本も所有して挫折せずに続いている。
そんなこんなで現在はアルトサックスとクロマチックハーモニカを演奏する稀有なポジションで生きている。

Toots Thielemans
僕は彼に惚れている。
最高に好きなミュージシャンのひとり。
ベルギー生まれの彼はハードバップ全盛の時代にアメリカへ渡り、数々のジャズレジェンドたちと交流し共演し、音楽理論上で気になることは何でも直接質問したそうだ。年齢に関係なく自分より若いミュージシャンにも。そしてジャズ界に留まることなくブラジル音楽、ポップミュージックなど、あらゆるジャンルのミュージシャンと交流し、共演した。
クロマチックハーモニカという先達者の少ない楽器でありながらも、世代を超えジャンルを超えて活動したそのミュージシャンシップにとりわけ惹かれている。
この開拓精神が好きなんだな。
他人と同じことしているより誰もやっていないことを開拓するのが好きなんだな。

サックス業界ではソプラノ、アルト、テナー、バリトン、フルート、クラ、ピッコロなどの持ち替えができるミュージシャンはなにかと仕事がある。
でも僕はそこを敢えてアルトサックスとクロマチックハーモニカのみに絞り、どんなことがどれだけできるのか、開拓心がうずいてしょうがない妄想暮らしの日々。

なんと、いま僕が参加しているビッグバンド「Gentle Forest Jazz Band」では、クロマチックハーモニカをフィーチャーした楽曲を演奏させてもらっている。この編成はJaco Pastorius Big BandでのToots Thielemansみたいじゃないか!
GentleForest Jazz Bandは、来年2019年1月26日(土)、サントリーホール ブルーローズ(小ホール)での単独公演を控えております。
是非お越しください。


【公演詳細】
http://gfjb.jp/2019-01-26

【Z BLOG】菅野 浩:サブトーンについて

管楽器の奏法にサブトーンというのがある。今回はサックスのサブトーン奏法について僕なりの見解を述べてみたいと思う。

サブトーンは、イメージ的にアルトよりテナーサックスの方がその特徴が顕著にあるように思う。ベン・ウェブスター、コールマン・ホーキンス、レスター・ヤングなどをはじめ、スタン・ゲッツ、ズート・シムズなど、ジャズジャイアンツのテナーサックス奏者でサブトーンを出してるイメージが強いプレイヤーは沢山いる。しかしアルトサックス奏者ではどうだろうか。ジョニー・ホッジス、ベニー・カーター、ポール・デスモンド、チャーリー・パーカー、ジャッキー・マクリーン、ソニー・スティット、フィル・ウッズ、キャノンボール・アダレイ、ケニー・ギャレットなど、著名なアルトサックス奏者は多かれど、その中でサブトーンが強く印象に残るプレイヤーは少ないように思う。この中ではポール・デスモンドはひとつ飛び抜けて美しいサブトーンを奏でていると思う。あの渋さがとても好きな僕は過去に相当研究した。

メカニズム的に何がどうなっている状態をサブトーンと言うのかを言葉で説明するのは難しいが、敢えて頑張って解説してみよう。

サブトーンは、リードの振動を押し殺して息の成分を多く含ませれば成立する。
ノーマルトーンの状態から顎を手前に引けば自然と下唇の内側の部分がリードに触れるので、リードに触れてる下唇の面積が増える。するとリードの振動が抑えられる。そこに息をシュルシュルと通せば大丈夫。

あれ、簡単に説明できてしまった。。

いや、実はここからが難しいところで、大抵の場合は顎を引いてしまうと音程のズレや息詰まりを起こすなどのトラブルに見舞われる。
その原因は、息の圧力、息の通り道の広さ、顎を動かす方向、下唇の柔軟さ、マウスピースのネックへの突っ込み具合などが「整っていない」ことからくるものだ。

ではどうしたら良いか。

僕ら日本人は大抵黒人に比べて唇は薄い。
なので日本人でサブトーンを出したいならば特殊なマウスピースを使っていない限りは唇の筋肉を中心に寄せるファットリップのアンブッシュアをお勧めする。
口頭で「フォー」と言うと口の筋肉を中央に寄せつつ顎を開いていると思う。そのままマウスピースを咥えて顎を前後に動かして音程が変化せずにノーマルトーンとサブトーンを行き来できるポイントを探していくのが良いだろうか。
顎を引いても「フォー」の形を崩さずにいれれば上手くいく確率は高い。
このポイントを探る際に気を付けることはストラップの長さ。ストラップを短くするとマウスピースの顔面に対する入射角が変化する。歯の噛み合わせは人それぞれなので、自分にとって一番操作しやすい角度を見つければ良い。これは見つけた者勝ちである。
また、音色を操作できる範囲が広いか狭いかはそのプレイヤーの演奏スタイルの好みでも分かれるので個性重視なジャズをやるならば皆好きにすれば良いと思う。
ポール・デスモンドにおいては高音域は顎を突き出し、わりとノーマルトーン。低音域は顎を引き首の角度も下向きにしてこれでもかというくらいリードの振動を押し殺すべくリードに下唇をあてている。首の角度を一生懸命になって動かして自然なメロディーを奏でている。
サラッと聞こえるメロディーも映像を見るとかなり細かく動いて苦労して操作しているのがよくわかる。

トランペット奏者のティル・ブレナー氏はトランペットでサブトーンをカッコよく決めるときはノーマルトーンの時に比べてチューニングを高くするべく管を入れているそうだ。そして唇を緩め音程を下げてサブトーン質な音色が出るポイントで安定させて演奏していると何かのインタビュー記事で読んだことがある。
サックスの発音メカニズムは金管楽器とは違うが、管を入れてチューニングを高くするという点は共通していると思う。思い切ってマウスピースを突っ込んで唇や顎を緩ませて音程を下げたポイントでジャストなピッチをとれるようにするだけでサブトーンが楽に出ることはよくあることだ。
しかし逆に口が緩みすぎるタイプの人も少なからずいることと、息のプレッシャーとの問題もあるのでその突っ込み具合の見極めは難しい。
ここは実際に見てみないとなんとも言えない。

ついでに僕は3オクターブ演奏可能なクロマチックハーモニカも演奏しますが、この楽器は一音一音に小さなリードがひとつずつ付いている構造。サブトーン質な音を出すことが出来るのだけど、その場合にはリード全てのピッチを443hz〜445hzくらいに高く調整して440hz〜442hzのピッチで演奏できるように奏法を整えなければならない。どうやら音程を下げながら演奏するテクニックは吹奏楽器のサブトーン愛好家にとっては必須の技のようである。

あとはマウスピースとリードの選定。
マウスピースのバッフルはできるだけ高くない方が良いと思う。

文字で解説するのはこのくらいが限界かな。。
やっぱり難しい。。

横浜・都内の各所でレッスンをおこなっておりますので、どうしてもサブトーンの技を身に付けたいという方はこちらからお問い合わせください。
http://hiroshisugano.tumblr.com/lesson

【Z BLOG】曽根 麻央:10月もたくさん演奏しました

こんにちは。トランペットの曽根です。10月も様々な演奏の機会に恵まれて良い月でした。ありがとうございます!

実は10月6日の横濱Jazz Promenade に初めて呼んでいただき演奏しました。しかもリーダーで。前々から演奏してみたいジャズ・フェスだったので嬉しかったです! 会場はNHK横浜でした。生放送されていました! メンバーも伊藤勇司と木村紘という、このブログでも何回も登場した僕の信頼するミュージシャンだったので、演奏自体もクリエイティブに非常によかったです。街を歩くとジャズ・ミュージシャンに当たる状況でした(笑)。

10月20日には地元流山の文化会館で子供連れでも楽しめるコンサートを流山市と開催しました! 僕のこの企画への出演は4回目になりましたが毎回好評をいただいております。共催の流山市社会福祉協議会から、赤い羽根共同募金を呼びかけ盛り上げるために、みんなで歌える曲を書いてください、という依頼もあったので珍しく作詞にもチャレンジ!




心の赤い羽根は 勇気の証しとして
この街に輝きをもたらす光となる

胸元の赤い羽根は 希望を与える印
助け合いふれ合い生きてゆく 君と僕と

涙が溢れ出し 前の見えない時もあった
君と出会うまで

友の襟元の羽は 僕に力をくれた
広めようこの羽の絆の輪 世界中に


是非、皆さんも歌ってみてくださいね。
バンドもレギュラートリオではなく、ベースに伊藤勇司、ヴァイオリンに山田拓斗というメンバー。山田拓斗は同じ流山出身の高校の同級生で、今は都内中心に活動している素晴らしいフィドラーです。僕のアルバムでもヴァイオリンとマンドリンを弾いてもらっています。
今回は一般的に広く知られている曲をメインに組んだプログラムでしたが、この楽器の組み合わせに可能性を感じました。良いサウンドだったので、何か模索しようと思います。ドラムレスで弦楽器とトランペット&ピアノが合わさる感じは味があり、いいですね!




10月20日の夜は平成生まれのジャズ奏者が10人集まって何かしよう、という企画のライブがありました。6ホーン+ギター/ピアノカルテットの大きめの編成もあり、色々な組み合わせの小編成もありでなかなか楽しかったです。演奏の度に同じような格好になるトランペットの佐瀬くんとの2トランペットも爆発していて面白かったです。






あれ? よくよく見たらZブログ執筆中でおなじみのトロンボーンの石橋さんがメンバーに! ということでここに載せる気満々で一緒に写真を撮りました(笑)。



ということで10月も色々ありました。

僕のライブ情報はウェブサイトのhttp://maosone.com/gigs.jp でご覧いただけます。

次回リーダーライブは、
11月29日(木) 六本木アルフィーで曽根麻央(trumpet&piano)、山本連(e-bass)、木村紘(drums)でお届けします! お待ちしております!

http://alfie.tokyo/

【Z BLOG】菅野 浩:ギターとのduo

僕はギターとのduoが好き。
これまで一定期間共演を重ねたり、単発で共演をしたことのあるギタリストは沢山いる。

ギターの音はピアノの音に比べて持続時間が長いことと、映えてくる音域がアルトサックスと近いのでアンサンブルしやすいのではないかと思う。
もちろんピアノとのduoはオーケストレーションの幅が広いので表現幅が広がるが、お店に置かれたピアノによってはサウンドが変わってくる事もある。
そもそも僕は、ギターならではのヴォイシングが好きなのかもしれない。
ギターに憧れて生きているのだ。

その理由としては、フルアコ、セミアコなど、アンプを必要とするエレキギターでは各種エフェクターを揃えることができ、アンプの選択によってもキャラクターを変えられ、あらゆる音場に対応できる。
また、アコギに持ち替えれば小さい音量なら生音でのセッションも可能だ。
つまり、音量、音色、シチュエーションに応じて対応できる幅が広い楽器だからなのだ。

これはとても羨ましく思うが、

ずるくないか?

〈音量〉
僕らサックス吹きは、生音のアコギと合わせる小さい音量では音量がでかいと言われ、電子楽器に囲まれた大音量の中では音が小さいと言われがちだ。サックスは金管楽器と違い、マイキングにとても神経を使う。キーの間から音が漏れるから。
しかしギタリストはそれをボリュームペダルひとつで解決する。

ずるくないか?

〈EQ〉
サックス吹きは、楽器やマウスピース、リードのほか、息を吹き込む奏法全て総合的に吟味した上で、音色、倍音成分、音量感、などが自分の好みのバランスを反映しつつ周りの音場に対応できるか判断する。
これは最終的には人力による部分が大きい。
しかしギタリストはEQなるものでいきなり倍音成分が整うのだ。

ずるくないか?

〈エフェクター〉
サックスでは音色を変えられると言っても、通常のノーマルトーン、渋い音色のサブトーン、声を出しながらのグロートーン、、
くらいしか変えられない。。
とてもデッドな音響のハコでは音の余韻などを息の使い方やリードの選別などで補わなければならない。
しかしギタリストはエフェクターひとつでありとあらゆる音色に変えられる。変化を求めるなら別のエフェクターをいくつも繋いだりする。さらにはリバーブ、ディレイなどでどんなにデッドなハコでも構わずご機嫌である。

ずるくないか?

〈和音〉
単音楽器であるサックスは急いでスケールやアルペジオを吹くことで和音の響きを表現する。
しかしギタリストは右手をひと振りするだけで余裕だ。

ずるくないか?
(あ、いや、これはしょうがないか…)

〈演奏姿〉
サックス吹きは立って演奏する事が多い。
もちろん座って演奏する事もあるが、ビッグバンドなどのセクションを吹くときくらいか。
あとはシチュエーションに応じて座って演奏する事もある。
しかしギタリストはいつでもどこでも大抵はどちらでも良い。しかも座った時には足を組んだりしてカッコいい演奏姿を取ることも許されている。

ずるくないか?

〈口があいている〉
サックス吹きはもちろんのことだが、演奏中喋ることができない。
しかしギタリストはギターを弾きながら喋ってMCをしたり、急なシチュエーションでメンバーに指示を口頭で伝えることができる。
歌うことだってできる。

ずるくないか?

〈練習環境〉
サックス吹きは、とにかく練習環境の確保に頭を悩まされる。どんなにミュートしてもキーの間から音が漏れるから。
しかしギタリストはエレキ系であれば防音もしてない室内で生音で練習できる。
ヘッドホン使えばエフェクター通した音でも練習できる。

ずるくないか?

ふぅ。

ギターに憧れる理由はだいたいこんなところだろうか。ギターって楽器はサックスで出来ないこと沢山あってずるいなぁいいなぁと思いつつも、最終的には自分はサックスで良かったと思うのが正直なところ。
優れたギタリストはエフェクターやペダルなどのつまみを常に意識し、バンドでのバランスを常に考えている。機材が増えれば増えるほどその操作に苦労しているようだ。時折故障したり電池切れであたふたしていることも。それは見ていて大変だなぁと思う。
しかしサックス吹きはそこらへんをリードを変えたり、ちょこっと奏法を変えたり、マイキングを変えたりするだけで良い。それはそれでテクニックもいるけどもうだいぶ慣れた。
突然の停電でもなんとかなる(笑)

そして何よりもサックスで良かったと思うことは、優れたギタリストの演奏を間近で聴けることだ。
最近では毎月、暖かいサウンドのギタリスト佐津間純くんと、横浜の元町・中華街駅そばの491HOUSEというお店で演奏しています。
編成はduoもしくはtrio。
彼との演奏は毎回幸せ感に溢れています。
機会ありましたら是非お越しください♪

【Z BLOG】曽根 麻央:Brightness Of The Lives

こんにちは。トランペットの曽根です。そういえば、僕のバンド『Brightness Of The Lives』の紹介をこのブログではしていませんでした! 先日ライブが2daysあったので、そのご報告も兼ねて紹介します。

『Brightness Of The Lives』は2014年の全米桜祭りで演奏するためメンバーを集めてください、という日本大使館とバークリー音楽大学の依頼を僕が受けて、当時ボストンで学生だった、井上銘(guitar)、山本連(bass)、木村紘(drums)に声をかけたところから始まりました。
ちょうど僕が日本の音を用いたジャズを作曲し始めた頃だったので、全米桜祭りに向けて何曲もこのバンドのために書いたのを覚えています。「Brightness Of The Lives」はその時の一曲の名前だったのですが、バンドの名前になってしまいました。

ちょっと昔の写真を引っ張り出してみます!

2014年のアー写。バークリーの新しいビルで撮影。


最初の演奏はワシントンDCのワーナーシアターでした。


オープニングセレモニーでご一緒した夏川りみさんと大西宇宙さん。日本大使公邸にて。


そして本家ブルース・アレイ!!


若いね(笑)! 
その後僕以外の各々が日本での活動を開始し、2017年に僕が日本に戻ったので、アルバム『Infinite Creature』のDISC 2にこのバンドは収録されています。

先日の10月9日の柏Studio WUUと10月10日のTokyo Tucは平日にも関わらず多くのお客様にご来場いただけたのでまずは心より感謝です! バンド・メンバーの一人一人のスキルが4年前とはかけ離れて成長していて、それがCD発売以降のレパートリーにも活かされ、改善されたサウンドに僕が一番楽しんでいたのではないかと思います。

このバンドのトランペットのパートは非常にハードなものが多いので コンディション管理がメインの仕事になるので、演奏が始まってしまえば本当に楽しいのです(笑)。

10月9日の柏Studio WUUです。子供の時からお世話になっているライブハウスです。


そして10月10日のTokyo Tuc。こちらもデビュー前より大変お世話になったお店。残念ながら今年の12月をもって閉店なので、このバンドでの出演は最後になってしまいました。



また二曲ほどこのライブ演奏をYouTubeにアップしてみたので聞いてみてください! 

『月の砂漠』
https://youtu.be/NrxX84nCtw8

『メドレー:Shrine – Recollection』
https://youtu.be/20mXAxAM0Ao

Tokyo Tuc では11月24日にLAからトランペットのマイク・ロチャを迎えて僕のトリオとコラボします。これが本当に僕の最後のTokyo Tuc出演です! 是非!
http://tokyotuc.jp/2015/09/06/20181124/

『制御不能の初コラボレーション! 』
曽根麻央(tp,pf) 伊藤勇司(b) 則武 諒(ds)
Special Guest:マイク・ロチャ(tp)

■OPEN 18:00 1st Show 18:30~19:30 / 2nd Show 19:50~20:50
■Music Charge
□一般 ¥3,800 (tax in/当日¥500up)
□一般ペア ¥7,000 (tax in/当日¥1,000up) □学生 ¥2,000(tax in/当日¥500up /要学生証)

【Z BLOG】菅野 浩:宮野裕司さん

アルトサックスの宮野裕司さんと知り合ってから、かれこれ20年くらい経っただろうか。
大学を卒業して高円寺に住んでいたころ、隣街の阿佐ヶ谷にあるライブハウス「マンハッタン」によくセッションに通っていた。
そこのマスター望月氏は、今もご健在でミュージシャンを志す若者にとても優しく、よき相談相手になってくれるとても温かみのある人。
僕がポール・デスモンドが好きということを知って「宮野さんを知ってるかな?」と聞くと、すぐさま宮野さんが参加していた小林桂(vo)さんのCDを店内に流してくれた。
すると日本人では聞いたことのないアルトサックスの音色が店内に広がった。

うわっ!こんな美しい音色の人がいるのか!
衝撃だった。

感動している僕を見たマスターは「ん〜、じゃ君は宮野さんにあったほうがいいな。電話番号教えるから連絡してみな。」
と言っていきなり宮野さんの電話番号を教えてくれた。

そ、そんな個人情報を…
と思いつつも、翌日には電話していた。

初めて話す電話越しの宮野さんは今と変わらずとても丁寧な口調。
どうやらデスモンド好きな僕の事は噂で聞いていたらしい。ならば話が早いということで早速お会いすることに。
数日後訪れたのは国立にある「奏」というお店。このエリアでは通な音楽家が集い、たまにライブもやっていた。
そしてこの夜は僕にとって一生忘れることのない時間となった。

宮野さんとの会話は、ポール・デスモンドにまつわる話は何時間もしてもまだ足りないというくらい尽きなかった。
そもそもポール・デスモンドを敬愛し、その音色、ニュアンス、フレージングなどを感じるプレイヤーは世界を見渡しても数は少ない。更に興味を惹くのは彼の人物像。数あるインタビューの中での彼の回答はどれもユーモアに富んでいるものばかり。
これらポール・デスモンドにまつわるありとあらゆる話を宮野さんに聞きまくった。
最終的にその晩は二人でセッションしてみようということに。
初めて聴く宮野さんの生音はとても暖かかった。宮野さんのアドリブのフレージング(言葉)はとてもよくわかり、そのニュアンスもまた僕が欲しかったものそのものだった。
優しく語り掛けてくる宮野さんの言葉に必死になって答えた。

それ以降、宮野さんとはお互いのライブに遊びに行ってセッションする間柄になった。
宮野さんは、YAMAHAユーザーでもあったバリトンサックスの名手、故・宮本大路さんと「CROSS COUNTER」というバンドをやっていた。”Gerry Mulligan meets Paul Desmond”というアルバムを彷彿とさせるコードレスカルテット。一度僕がこのバンドに飛び入りさせてもらったとき、宮野さんとの4バース(4小節ごとのソロの掛け合い)になる場面があったが、それは決して戦い合うような“ソロ合戦”にはならず、なんとも平和な“語り合い”の4バースだった。
宮野さんのソロのバックでバッキングを吹く大路さんも愛情溢れる音色でかっこよかったなぁ。

もうこれは一緒にバンドをやるしかないと思い、宮野さんとの2管編成のライブを組みはじめた。(2009年ころか?)
するとトントン拍子にCD化の話が舞い込み、ラジオ出演(NHK-FM「セッション2012」)やサックスの専門誌(THE SAX vol.75)でも取り上げて頂いた。
そして今では宮野さんと僕の双頭バンド「Alto Talks」名義で2枚もアルバムをリリースするに至った。しかも幸いなことに2枚ともCDとLPの両方でのリリース。

『Alto Talks』(2011年)



『Alto Talks with String Sextet』(2015年)



視聴はこちら
https://youtu.be/TCosdx_yV8k

販売元レーベルのサイトから購入できます。
「Audio Fab Records」
http://audiofabrecords.wix.com/afrecords

最近では、2枚目のアルバムの小編成ヴァージョン〜宮野裕司(as) 菅野浩(as) 関根彰良(g) 小塚泰(vln) 橋本歩(cello)〜のメンバーで数ヶ月に一度、東中野でライブをしてます。毎回涙腺が緩むサウンド。
毎回満席のお客様。
毎回感謝山盛りです。
次回は来年ですが、ご都合つきましたら皆様是非お越しください。

2019年2月5日(火)@中野「Sweet Rain」
http://jazzsweetrain.com
「Alto Talks」
宮野裕司(as) 菅野浩(as) 関根彰良(g) 小塚泰(vln) 橋本歩(cello)

前回9月28日(金)のライブにて
左から、宮野裕司(as)小塚泰(vln)橋本歩(cello)関根彰良(g)菅野浩(as)

2枚目のアルバムのフルメンバー総勢11名でのライブは未だに実現しておりません。
コンサートやイベントを企画されている方、ご興味ありましたら是非お声掛けください。
よろしくお願い致します。