2014年 11月 の投稿一覧

【Z BLOG】三木 俊雄:Kevin Garren インタビュー その2

ケヴィンとは朝の11時から昼食をはさんで午後4時までの5時間、
マウスピースのこと以外についてもいろいろ話を伺うことができた。



例えばリードの産地は大きく分けてフランスとアルゼンチンがあるが、その見分け方、またこれについても産地の違いよりカットの違いとその精度の問題であること。一般にフランス産のケーン(葦)の方が高級とされているが、天然素材であるがゆえ一つの産地のみに依存するのは危険であり、現在は北米での栽培を検討しているとの事。
特にケーンはブドウの栽培に条件が似ておりワイン造りのさかんなカリフォルニアに期待しているらしい。
実はダダリオ社が世界最大のリードメーカーであるリコを買収したのはもう10年も前であるがダダリオの名前を出すようになったのはつい最近のこと。ダダリオ社としてはその間、どちらかというと学生向けとか初心者向けというリコのイメージを何とか向上させたいという思惑があったようだ。



またケヴィンはロスアンゼルスを中心としたフリーランスミュージシャンとしての活動以外にダダリオ社の契約社員であり、それ以前は大手楽器店に勤めていたという。彼ほどの実力を持ちながら一般企業人としての生活を両立させているところに、アメリカにおけるミュージックビジネスの垣間見る思いがした。



そう言った意味においても、彼は良くも悪くもジャズミュージシャンにありがちないい加減さやシニカルな部分の全く無い、典型的なナイスアメリカンだ。
通訳をしていていつも感じることだが、「通訳されることを意識した」語り手というのは実に有難いもの。
中には自分の議論に没入し延々と喋り続ける人もおり、僕は内心(これ、後で全部日本語に訳すの誰か分かってる?)と悲鳴を上げそうになることがある。彼にはその点、非常に気を遣って頂きとてもやり易かった。



今回のツアーには来れなかったが、ビッグファットと言えばかつて”Chick Corea Elektric Band”のサックスプレーヤー、Eric Marienthalがリードを務めていることでも有名。
ケヴィンは16歳の時エリックにレッスンを受けていたという。
その師匠であり、またアイドルであるプレーヤーとステージを共にするという事は実にミュージシャン冥利に尽きるものだが、彼もその歓びをひたすら謙虚に受け止めているのがよく分かる。



今回のブルーノート東京でのプログラムでも如何にトランペットのWayne Bergeronをフィーチャーした曲が素晴らしいかを力説していた。
今回はバンドでの彼の演奏を聴くことは出来なかったが、次回は是非聴きにいこうと思う。



【Z BLOG】朝里 勝久:身体のメンテナンス

毎日楽器を使って演奏をしていると、それに応じて色々なところに特殊な疲れが溜まります。
私が演奏するBass Tromboneは、特に楽器を支える左肩、左腕、首周りが疲れます。
構え方が良く、また楽器自体がいかに持ち易くとも、毎日演奏する以上ある程度の疲労は避けられないものだと
今は思っています。
演奏中は、音楽に集中していることもあってかあまり気にならないのですが、
演奏後や帰宅後、次の日の朝など、あからさまに疲労が溜まっている場合が多くあります。



アサリカツヒサ、現在35才。



正直20代の頃は、練習して、本番やって、そのまま呑みに行って帰ってシャワーだけ浴びて睡眠。
次の日も同じ事の繰り返し~…という感じでもある程度平気だったのですが、
30才を過ぎた辺りから段々と辛くなってきました。やはり、身体が資本!!
少しでも良い演奏がお届け出来るよう、数年前から身体のメンテナンスにも気を遣うようになったのでした。



演奏前はまずストレッチ。下半身(特に膝周り)から上半身まで、ゆっくり呼吸しつつリラックスしながら解します。
かける時間は3分程度でしょうか。演奏後も同じようにストレッチ。肩周りを中心に解します。こちらも3分程度。
そして帰宅後は、出来る限り湯船に浸かり、寝る前にまた少しストレッチ。
あとは水を多めに飲むようにしています。
この通り別にそんなに大した事はやっていないのですが、これだけで大分変わりました。
「身体が楽になった」というより、「身体の調子が良くないと思う事が減った」という感じです。



ただ、どうしてもこれだけでは疲れがとれない事もあります。(あのバンドとか、あの現場とか…笑)



そんな時、強い味方になって頂いているのが、自宅の近所にある整骨院!こちらは院長さんとの一枚。




私より大分年下の、超優秀な院長先生。触っただけで身体の状態を的確に把握し、完璧な施術を施してくれます。
面白いのは、左肩が辛いのに何故か下半身中心のマッサージが始まり「はて?」と思っていたら、
いつの間にか左肩を含め全身が楽になっていたり。
「全身の血流が悪かったようなので」とサラッと言っちゃう院長。かっこいいぞ院長!
ご子息ご誕生おめでとう院長!(私信)



彼はジャズがお好きで、色々な話をしながらマッサージして頂いています。
(お気に入りはROY HARGROVEらしい)他に人生相談なんかも…。
ちなみに、ここの整骨院は院長さんだけでなく、数名いらっしゃる方全員が素晴らしい腕の持ち主です。
今現在、既に大忙しの整骨院なので、場所は内緒です(笑)



そんなこんなで、楽器を演奏するには身体が資本!というお話でした。

【Z BLOG】中山 浩佑:長野 ゲストコンサート

長野県松本市に現地の中・高校が中心となって活動しているビッグバンドがあります。
The BigBand of Music Toysというバンドで、音楽監督には、米米クラブでBig Horns Beeのサックスプレイヤーでも
お馴染みの織田浩司さんが音楽監督をされているバンドです。



僕は昨年から指導で携わっているのですが、そのバンドが今年で10周年という記念すべきタイミングで
コンサートのゲストに呼んで頂きました。



毎年織田さんをスペシャルゲストに招き、12月にコンサートをしているのですが、
今回はそのためのプレコンサートとして、なんとエリックミヤシロさんと僕をゲストに招いて頂きました。







そして、アレンジャーとコンダクターとして素晴らしい若き作曲家。
深澤恵梨香さんも一緒に三人でコンサートに招かれて演奏してきました。







一部ではToysの子達と、ToysのOB.OGさんバンドのFascinating Note Jazz Orch.
また松本で活動している一般バンドJOY Sound Jazz Orch.
の方々でのステージ。



二部からは僕をフューチャリングしてもらい、僕のオリジナル含めて深澤恵梨香さんのアレンジで三曲。
そして、エリックさんのゲスト曲ではエリックさんアレンジの曲を三曲演奏して頂きました。















子供たちも難曲を必死に食らいついてきて演奏してくれて、本当にかっこいい演奏になったと思います。



そして一曲はエリックさんと僕のデュエットで、
先方のリクエストで僕のオリジナルからCloverという曲を深澤さんのアレンジで演奏しました。



この曲はかなり反響を頂いて、バンドの皆さんからも「こんな曲に出会えてよかった。」とか、
「演奏していて感動して泣きそうになりました。」などすごく嬉しい言葉を頂き
作曲者としては本当に嬉しいプレゼントを頂きました。
勿論エリックさんの涙の出るような素敵な音色。歌のおかげですが、まさか僕のオリジナルを
大好きで尊敬してやまないエリックさんとデュエットで共演でき、みんなにそんな風に思って貰えたのは
僕にとってもすごく嬉しかったです。



このCloverですが、過去に某雑誌で連載していた時に譜面とカラオケ音源、模範演奏などアップしてあるので、
よかったらチェックしてみてください。



http://rittor-music.jp/saxbrass/column/tpnakayama/131



また僕のリーダーCD。.7のSeven Steps to .SevenというCDにもボーナストラックで収録し直しています。
是非チェックしてみてくださいね!



http://dotseven.wix.com/home#!dotseven/mainPage



話が逸れてしまいましたが、このプレコンサートのプロジェクトは一年前から始まっていて、
長年の願いだったエリックさんと子供たちの初共演でした。みんなずーっと楽しみに頑張ってきました!
僕が初めて彼らとあってから数回のレッスンで、みるみる音が良くなっていき、
本当に子供たちの成長の早さと、純粋な気持ちに僕も大きな感動を頂きました。



みんな輝いていて、本当に素敵なコンサートでした。
コンサートの次の日はエリックさんにクリニックをして頂き、とても有意義でスペシャルな2日間でした。
僕も死ぬほど勉強になりました。
やはり素晴らしいプレイヤーは、素晴らしい教育者でもあるということを認識しました。



子供たちの将来のために、なにか記憶に残ることが出来たんじゃないかな?と思っています。
これからも輝きある音楽生活を送って欲しいと思いつつ、本当にパワーを貰った2日間でした。



【Z BLOG】田中 充:橋

すみません、今回の話題は全く音楽と関係ありません(笑)。



巨大な建造物が好きです。橋とか、高速道路のインターチェンジとか、ダムとか、風力発電の風車とか。
先日、仕事でとあるホールに向かう時に、名古屋まで新幹線で行って、
そこからマイクロバスで揖斐川の川沿いをさかのぼっていったのですが、これがまたかっこいい橋がたくさん!
天気も良かったし。



少〜し角張っているアーチがかっこいい!




緑色のかくかくしてるのがかっこいい!




ちょっとぶれちゃいましたけど、緑とクリーム色の橋に挟まれて。




バンドみんなでバスに揺られていたので、ゆっくり鑑賞することは出来なかったのですが、今度はゆっくり見に来るぞ〜!

【Z BLOG】三木 俊雄:Kevin Garren インタヴュー その1

10月27日はヤマハの高輪オフィスで “Gordon Goodwin & Big Phat Bigband”で来日中のサックスプレーヤーKevin Garrenさんのインタヴューがあった。
今回は彼が開発に携わったRICO (現D’Addario)のアルトサックス・マウスピースのプロモーションに関連した雑誌の取材を4誌、そのうち僕は3誌を担当した。



このブログでも管楽器の経年変化の真偽を取り上げたが、似たようなヴィンテージ信仰はマウスピースの世界にも存在する。
いわゆるヴィンテージ・マウスピースは殆どが後の持ち主によりリフェース(サイズや形状に後から手を加えること)されているにもかかわらず現在なお、信じがたい高値で取り引きされている。
かくいう私もいわゆるヴィンテージ・マウスピースを使っている。



そこでよく議論になるのは何故、現行品に満足するものが少ないのか?
楽器の場合、管体の材質や形状に加え夥しい数の部品があるため、音色や吹奏感において決定的な要素、いわゆるクリティカル・ポイントを特定しにくいのは理解できる。
しかしマウスピースはそれ自体単一の素材で、そのほとんどは真鍮かハードラバーでいずれも高価なものはない。



ケヴィンによると多くのプレーヤーがヴィンテージ・マウスピースが良いのは材質によると考えているが、マウスピースのクリティカル・ポイントは材質ではなく内部の形状であるとのこと。そのためにかなり大掛かりなテストを行ったという。
もちろんリードがマウスピースを物理的に開閉する、すなわち叩く訳であるから、当然叩かれる材質によって音は変わる。僕自身も同じサイズのマウスピースの場合メタルの方がより抵抗を感じる。
しかし、同じハードラバーの質による差異は極めて微小なものであるとのこと。



では何故、現行品でヴィンテージ・マウスピースを再現出来ないのか?
こんな事を言っては何だが、歴史的ジャズジャイアンツに愛用されたマウスピース・メーカーはたとえその当時とかけ離れた生産体制と品質であっても、その強力なブランドバリューゆえ今なお売れ続けている。と同時にそれに対する幻滅から昨今の過熱したヴィンテージ市場が形成されているのではないだろうか。
これに対するダダリオ社の答えがこのRICOのマウスピースだと言う。
もちろん以前からヴィンテージ・マウスピースの最良の物のロウ型を取り、溶けた材質を流し込んで作るいわゆる「ロストワックス」製法もあるが、材質が冷えて固まる過程で誤差が生じ、無視出来ないバラツキが出る。
そこで人の手が入る訳だが、これも職人の腕によるバラツキは当然ある。



ケヴィンによればこのマウスピースはハードラバーの棒から削り出す完全なマシンメイドで人の手は一切入っていないとの事。
つまり、機械の精度とプログラミングのデータが全てということだ。
一般のハンドメイド、ハンドフィニッシュのマウスピースと比較して個体差は極めて小さいという。
誰かが持っている物を吹いて気に入れば同じ物が通販で買える訳で、これが満足の行く物であればこれは画期的と言えるだろう。



残念ながら僕はアルトを吹かないのでこのマウスピースを試した事は無いのだが、僕の周りのアルト吹きの評判はとても良い。
しかも残念なことにテナーのマウスピースが出るのにはまだ時間がかかるとの事。



サックスっていつもアルト優先でテナーは後回しなんですね…



【Z BLOG】フジイ ヒロキ:9年振りの再会





先日、来日中の「Gordon Goodwin’s Big Phat Band」のライブを聴きに、ブルーノート東京へ行って来ました。



http://www.bluenote.co.jp/jp/artists/gordon-goodwin-big-phat-band/



ゴードン・グッドウィン氏は、作編曲家、ピアニスト、サックス奏者というマルチな方で、
グラミー賞も受賞している素晴らしいバンドリーダーで、バンドメンバーも、アメリカ西海岸のファーストコールの
ジャズ&スタジオ・ミュージシャンが集結しているエリート集団です。
リード・トランペットのウェイン・バージェロン氏や、リードトロンボーンのアンディ・マーチン氏は、
ヤマハのZシリーズの監修者としても有名ですよね!











そんなお二人とは、2008年、某ジャズ雑誌の対談のお仕事でもお会いしましたが(僕は通訳とライターとして)、
今回は彼らではなく、3rdトロンボーンで来日していた、ライアン・ドラゴン君を紹介したいと思います。



僕は2002年から2004年と、2006年から2007年に千葉県の某有名外資系テーマパークのパフォーマーとして
お仕事をさせてもらっていました。その関係もあり、本家アメリカの方とも交流があったのですが、
ロサンゼルスのテーマパークのトロンボーン奏者であり、バンドリーダーだったのが、ライアンのお父さんの
アート・ドラゴン氏だったのです!!(グレン・ミラー楽団にも在籍経験があるそうです)



2005年、僕がラスベガスのネバダ州立大学に留学していた時、冬休みにロサンゼルスを訪れ、
彼の家に泊めていただいた事があります。その際、



「ウチの息子もトロンボーンをやってるから、ちょっと一緒に音を出してみなよ!」



と言われ、紹介されたのが、今回9年振りに再会したライアンなんです!
確か当時まだ大学1年生で、アンディ・マーチン氏の弟子だったと思います。
その後、ジャズの名門、バークリー音楽大学に進学したと言っていました。



あれから9年、世界屈指のミュージシャンが揃うロサンゼルスで、
20代にしてビッグ・ファット・バンドのサブメンバーになっているなんて、ちょっとビックリでした。
アンディ氏の弟子であったり、お父さんもトロンボーン奏者だったりと、環境やDNAなどは申し分ないでしょうけど、
当然彼自身の努力があったからこそではないかと思います。正に「アメリカン・ドリーム」ですね!



ラスベガスで当時一緒にプレイした友人も、今ではシルク・ドゥ・ソレイユや、
セリーヌ・ディオンと仕事をしているトロンボーンプレイヤーもいます。
こうやって10年近くの月日が経ってからの再会というのも、身が引き締まるというか、
自分ももっと夢を持って頑張らないといけないという気持ちにさせてくれますね。



そんな思いを抱かせてくれたライアンに感謝です!



【Z BLOG】中山 浩佑:レコーディング&923BigBand

皆さんこんにちは。こんばんは。
先日は某国営放送の番組用のレコーディングでした。
この日はEricさん、奥村さん、僕というセクションでした。
先輩方と演奏すると本当に「はっ!」とさせられる事が沢山あります。
あの掴めそうで掴めない不思議な感覚。自分の足りてない部分だなーと思い知らされつつ、録音は無事終了しました。



そして、その後Ericさんがゲスト出演するコンサートに遊び行ってきました。
真っ正面から久しぶりに演奏を見せて頂いた気がしますが、やっぱり突き抜けてかっこいい!!
心が踊るコンサートでした。
人生勉強ですね!!もっともっと進化していかねば!と思う一日でした。



そしてタイトルにも書いたTpの木幡光邦さん率いる923BigBand。







実は僕が大学生の時から大好きでライブに通っていたバンドです。
メンバーも素晴らしい方ばかりで、大御所から若くて光る物を持つ人ばかりです。
木幡さんのお人柄や、豊かな音楽性も出ていて、本当におもしろいBigBandだと思います。
僕も光栄なことに出演させて頂いています。9月10月と2回出演させて頂きました。
毎月1回赤坂Bbでレギュラー出演しているので、皆さんに是非チェックしてほしいバンドだと思っています。







意外とブルーノートとかには行くけど、日本人のプロのバンド見に行く人って意外と少ない気がしていて
(勿論僕の知らないとこで沢山いらっしゃると思うんですが)若い人にも、音楽の事あまり詳しくない人でも
楽しめる音楽が溢れている、素晴らしいバンドを生で感じてほしいな。と言う思いがあります。
すごい人たちが本気で音出してるのを是非見に来てください!!
生で見たらCDとかでは感じられない良さが必ずありますよ。



勇気を持って是非色んなライブに足を運んで、そしてミュージシャンとも交流してみてください。
意外とみなさん優しくて、いろんな話を聞けると思うしそれもライブの楽しみの1つですよー!



それではまた!

【Z BLOG】田中 充:ライブのお知らせ





11月14日、20時から、自由が丘のハイフンというお店でライブをやります。
題して、「ミツルンバ!」。



日本を代表するサルサバンド、オルケスタ・デ・ラ・ルスからピアニスト斎藤タカヤさん、
ベーシストには、日本のラテンバンドにはこの人小泉哲夫さん、
そして、パーカッションには熱帯JAZZ楽団から伊波淑さん!



僕のオリジナル曲やジャズスタンダードをラテンにアレンジしてお届けします。
実はこのライブの前日に同じメンバーで軽井沢の保育園でミニコンサートをやるのです。
どんな風にみんなで音楽を楽しもうか、今から色々と考えていて、とても楽しみなんです!
というわけで、保育園で起こった面白い話も出来るかもしれません。是非ご来場下さい。

【Z BLOG】フジイ ヒロキ:サポートの仕事で得るもの





この日はテレビ朝日主催の音楽イベント「DREAM FESTIVAL 2014」に、
関ジャニ∞のメインボーカル、渋谷すばる君のサポートバンドで出演させていただきました!



http://dreamfestival.jp/artist/shibutani_subaru/



彼のパフォーマンスはとても熱く、聴いている人たちを引き込んでいくオーラに溢れていて、
一緒に演奏している自分たちもエネルギーを貰っている感覚になります。



素晴らしいメンバーの中で音楽が出来るチャンス、それはジャンルの枠を超えて素晴らしい経験、
とてもありがたい事ですね。
僕のお仕事は、ある時はジャズ、ある時はこのようなJ-Popのサポートなど、多岐に渡るので、
いわゆる″ジャズ・ミュージシャン″ではないのかも知れません。
ですが、ジャズだけでは出来ない様々な経験から得るモノは、
ひとつを極めるのとはまた違う達成感、充実感があるように思います。



こういった経験を蓄積し、″自分の音楽″を形成していけたら最高ですね!



【Z BLOG】三木 俊雄:No Name Horses Tour その3

さて、小曽根真率いるNo Name Horsesのツアーも終わって随分時間も経つが、もう一度このツアーを振り返ってみたい。



その1、その2ではクリスチャン・マクブライド、マイク・スターンといった
海外のミュージシャンとの共演について触れたが、それからはNo Name Horses単独のコンサートが
札幌→山形→熊谷→彦根→津→福岡で一旦東京に戻り、長野→横須賀、東京→金沢、の10ヶ所で行われた。



小曽根真と言えば何と言っても世界的な「ピアニスト」。
しかし多くの人にとってビッグバンドとは決して「ピアニストを聴く」ための音楽ではないのではないだろうか。
真さんにとってもNo Name Horsesは初めてのビッグバンドの試みであり、
発足当初はステージの中にソロピアノやトリオのプログラムを取り入れていた。
しかし、次第にバンドの、あるいはバンドメンバーの比重が高くなり、
今回のツアーでは真さんを単独にフィーチャーするプログラムはアンコールを含めて一切無かった。
それに代わって加わったのは各メンバーがトリオとワンホーンで一曲やる、というもの。
しかもフロントは当日ステージでのクジ引きで決まり、前もってのリハーサルは無い。
これは彼がメンバーをどれ程信頼しているかの証であるがそれ故それぞれの責任は、重い。
No Name Horsesとしての楽曲においても全員にソロは割り当てられている。



しかしこれが皆、何とも素晴らしいのだ。通常ビッグバンドと言えばソロのサイズなど決まっていることが多く、
まるで予め書かれたようなソロであったり、あるいは力が入り過ぎた詰め込んだようなソロになることが往々にしてあるが、ノーネームは基本的にソロのサイズは決まっておらず、スモールコンボのような状態。
ソリストそれぞれが進むべき音楽のツボを押さえながら自己を主張するプレイを惚れ惚れしながら聴いている半面、
僕自身は緊張と不安の連続だった。技術面でも精神面でもまだまだだなと改めて思い知らされた。



僕自身の課題はともかく、ツアー自体は非常に楽しく、行程や移動手段を含めて無駄のない快適なものであった。
それにしてもスタッフは大変だったと思う。何しろ、音響、照明、そして今回は結成10周年の舞台装飾もあり、
その上楽器はもとよりピアノまで運ぶ大掛かりなもの。
僕たちが飛行機や新幹線で行くところも専用トラックは陸路移動する。



コンサートが終わり、メンバーがサイン会をする頃、舞台のバラしが始まるのだが
次の日僕たちが会場入りする時には既に舞台は出来上がっている。
まるで手品のようであるが、その裏ではドライバーが夜通しトラックを走らせ、
スタッフは僕たちとは別に始発の列車や飛行機に乗り、あるいは夜通しバスで移動する。



このツアーを最後にニューヨーク転勤となった小曽根さんが全幅の信頼を寄せる調律師の曽我さんは
ヤマハの社員であるはずなのだが、ステージのスタッフとしてこの行程に加わっている。
彼等は皆それぞれの名前を背中に記したユニフォームを着て動くチームなのだ。



こうしてステージを色々な側面から支えてくれる彼らには只々頭が下がるのみ。
これもまた人を引き付けるマグネティックな力を持つ小曽根さんだからこそ成せる業なのだろう。



写真は全て曽我紀之さん撮影。(C)Soganoya