2017年 6月 の投稿一覧

【Z BLOG】朝里 勝久:「楽器運搬」

ミュージシャンにとって、現場まで持って行くものの中で一番必要なものは「楽器」。
どこへ行くのにも楽器運搬というのは付きまとう問題です。こういう話を仲間内でする時は、大抵「なぜもっと小さい楽器を選ばなかったんだ」という話に始まり、ピアニストが羨ましくなり、最後はだいたい「コントラバスよりはマシか」というオチで終わります。いや、コントラバスの方々には大変失礼だとは思うのですが…。

移動の方法は、徒歩、バス、タクシー、電車、自家用車、飛行機、船など様々ですが、今回は自家用車の話。

私はずっと車の免許を持っておらず、東京都内では駐車場は高いし公共交通機関が便利なので、基本電車とバスで移動していました。Bass Tromboneはそれなりに大きいですが、ケースを背負えるし、20代の頃の体力なら何も問題はありませんでした。ところが30代になり、とある現場に向かう途中事件が起きました。その現場はBass Tromboneの他に、ミュート類全部、スタンド、そしてトドメにテューバ(!)を全て持って行かなくてはならなかったのですが、20代の頃ですら結構キツかったこのセットを持って移動している途中で、腰を痛めて立てなくなってしまったのです。立てなくなっても、とりあえず現場には這ってでも行かねば!ということでそこからタクシーに乗り、運転手さんに手伝って貰い、ボロボロになりながら現場に着いたら「ごめん今日やっぱりテューバ無くていいや」と言われ、顔は笑顔で心は涙、アサリカツヒサ当時32歳、この日の帰りのタクシーの中で車の免許を取ることを固く固く誓ったのでした。

若者に混じって教習所に通い、晴れて自家用車で移動できることになったのですが、嬉しかったのはとにかく体が楽だったこと。やはり体は大事にしないといけません。また、確定申告の時にその年使ったお金をまとめるのですが、酒量が確実に減っていたことはびっくりでした。今までどんだけ呑んでたのだろう。

~おまけ~
先日初めてコンガを運びました。
(この後梱包はしました、念のため)

【Z BLOG】フジイ ヒロキ:「吹奏楽のお仕事」

5月12日(金)の出来事になりますが、東京オペラシティで行われた、東京ガス吹奏楽団さんの定期演奏会にお邪魔させていただきました。

熊川哲也さんのKバレエのオーケストラや、NHKのドラマ「あまちゃん」のテーマを演奏していたバンドなど、多方面で活躍中の友人、佐藤秀徳(しゅうとく)君が今回のゲストソロイストで、チック・コリアのスペインの吹奏楽アレンジの提供の他、僕の作曲した東日本大震災の復興支援のシンボル曲「You’ll Never Walk Alone」の吹奏楽版を演奏して下さいました。

彼はトランペットの名手ですが、あえてフリューゲルホルンのみで通したステージは、クラシックの歌曲、ジャズのバラード、そしてスペインと、とても多彩で美しい音色、本当に素晴らしかったです!

ちなみに彼のフリューゲルホルンはヤマハのYFH-8310Zです!

ヤマハYFH-8310Z

そして、彼が福島県出身である事や、東京ガス吹奏楽団さんがチャリティーにも力を入れている事もあり、ゲストステージのアンコールとして、「You’ll Never Walk Alone」を演奏して下さる事に。

震災後の海にたった一人取り残された所から始まる物語を、彼のフリューゲルホルンが切なくも温かく奏で、だんだん仲間が集い、復興、希望に向かって歩んでいく様子を、メンバーの皆さんが一体となって表現して下さいました。

音楽はただ音符を技術的に演奏するのではなく、その音符に込められたメッセージを演奏者やお客様が共有する事で、劇的にクオリティーや場の空気が変化します。昨日の演奏はそれを感じさせていただける演奏でした。

今回の依頼をしてくれたしゅうとく、素晴らしい演奏に仕上げて下さった指揮者の上原宏さん(東京佼成ウインドオーケストラのホルン奏者)、テーマパーク時代の元同僚で、パーカッションのアレンジを手伝ってくれた鍋元 眞之介さん、東京ガス吹奏楽団さんの皆様、お客様に感謝です。ありがとうございました!

今後も「音楽」を通した復興支援の活動も継続していきたいと思っています。

Mt.Fuji Musicホームページ

【Z BLOG】三木 俊雄:開拓派と受け入れ派 その3

前回の続きです。
(開拓派と受け入れ派 その1)
(開拓派と受け入れ派 その2)

お笑いコンビ、「爆笑問題」の太田光は相方の田中裕二を評して「こいつは今まで、ただの一度も自分で何かを決めてやったことのない奴だ」と言っていた。それを聞いて「あぁ、やっぱりそういう人もいるんだ」と少しホッとした気分になったものだ。

情けない話ではあるが、今までの人生、自分で何かを決断したという経験がほとんどない。田中さんを引き合いに出すのも申し訳ないが、やはり僕には運命を切り拓いていくような才能やバイタリティーは無く、ただ何となくそれを、良く言えば受け入れ、悪く言えば流されて来た。つまりその意味で僕はかなり「運命受け入れ派」だと思う。

このように、すべてにおいて行き当たりばったりではあるが、その代わりと言っては何だけど、その運命をなるべく無駄にしないように努めてきたとは思う。

大学では楽器ばかり吹いていたので勉強は全くしなかったけど、通わせてくれた親に心配をかけたくなかったのでソコソコの成績は取るようにした。当時の文系学部はそういったことが可能だった。
それによって親からの一定の信用を取りつけることができ、最初の2年間限定で留学の費用を出してもらった。

そして日本に帰ったら多分「バークリーで何を勉強してきたんだ?」と聞かれるだろうから、向こうではいわゆるバークリーシステム的なものを勉強した。
また「アメリカに行ってたんだから英語くらいしゃべれるだろう」と思われるだろうから、それもある程度は何とかしようと思った。

この世界に入ってからも人の頼み事をよく聞いたし、まったくお金にならない譜面なども随分書いた。
仕事は自分で取ってきたことはほとんどないが、そのかわり来た仕事を断ったこともほぼ無い。

ヤマハの楽器は最初うまく馴染めず、結局そのコンサートでは最初の一曲しか吹かなかったけど、それを機に思いつく限りの改造をヤマハの技術者と試した。それが出来たのも、たまたま当時アトリエの近くに住んでいたからだ。
「サックスといえばアルト」という感じだった大企業ヤマハの社内的な空気も彼らの技術と根気、そして小さな実証の積み重ねにより少しづつ動いていった。
今ではあの時この楽器と出会えて良かったと心から思う。

よく学生と話をしていても「今これをやらなかったら後できっと後悔すると思うんです」と言うのを聞くけど、そういう風に考える人は「あのときこれをやらなければ良かったのに」と後悔することはないのだろうか。そもそも後悔とは後で振り返り悔やむことであって、それを予想するものではないのではないか?

何かを選択するということは必ず何かを選択しないということ。その選択しなかった何かのことを考えても仕方がないのではないかと「運命受け入れ派」としては思ってしまう。
なぜならそこまで自分は自分の人生をコントロール出来るとは思っていないからだ、というのはまぁ、負け惜しみ半分の言い訳であるが。

【Z BLOG】河村 緑:バラエティに富んだ毎日

最近はとてもバラエティに富んだ毎日を送っていましたー!

まず、いつもお世話になってる石井竜也さんの事務所から急遽呼ばれてZepp Divercityに行ってきましたー!
ISHYSTというツアー中なのですが、東京公演のみ参加してきましたー!
楽屋が少し汚かったのでモザイクー笑

その次の日はこれまた活動し始めからずーっとお世話になっている井上昌己さんのバースデーコンサートで渋谷マウントレーニアホールへ!
こちらはホーンアレンジもさせていただきました✨
大変だったけど、とっても勉強になりました!

そして、間髪入れずに学校公演のお仕事へ!
ディキシー!

そして、6/7はsax tripletsでブルースアレイジャパンでした!

ライブの写真ない
メンバーの皆さんとも写真を撮り忘れて、お客様に撮っていただいたこれだけでした!笑

サックスはもちろん!
歌あり
踊りあり
小道具あり
いろいろありありの盛りだくさんライブでした!

今年のsax tripletsの活動は見逃せませんよ!
7/6広島、8/6,7札幌への遠征も決まっています!
そしてそして!
ライブでもお伝えしましたが、8/4金は高円寺ジロキチでのライブも決まりました!
お見逃しなく!

毎日毎日素晴らしいメンバーに囲まれた環境で、感謝です✨

///// LIVE INFO /////
◎7月6日(木)sax triplets feat.APEX@広島ライブジューク
sax triplets feat.APEX

◎7月19日(水)midori & miru @高田馬場音楽室DX
midori & miru

7月20日(木)upright@汐留ブルームード
upright

◯7月24日(月)Z EXPRESS BIGBAND@目黒ブルースアレイジャパン
Z EXPRESS BIGBAND

7月25日(火)植田博之 with friends @高円寺JIROKICHI
植田博之 with friends

◎8月4日(金)sax triplets@高円寺JIROKICHI
sax triplets

◎8月6日(日)sax triplets@札幌Surr
sax triplets

◎8月7日(月)sax triplets@札幌クロスシティジャズ
sax triplets

その他、随時更新しています◎
詳細はホームページでご確認ください! →MIDORI KAWAMURA OFFICIAL WEBSITE

【Z BLOG】朝里 勝久:「文章で表現する音楽」

昔から本は割と読む方。家でゴロゴロしながら読む時間が好きです。また移動中などの暇つぶしにも、とても重宝しています。

ここ最近、なんとなく音楽を題材にしたものを読む機会があったのですが、特に演奏表現に関して、本当に音が聴こえてきそうな素敵な文章が多くあり、音楽を生業にする者としても非常に勉強になります。音楽を文章で表現するには、相当具体的に文章にする必要があるのですが、それに伴って自分の演奏に関しても、演奏前にどのようなイメージで臨むかを具体的に考えることが増えました。もちろん演奏後に振り返る際も。また、レッスンの時にイメージを伝える語彙が前より少しは増えた気がします。

具体的なイメージだけが正しいという訳では決してないのですが、具体的思考と抽象的思考のバランスがちょうど良い時って、急に面白いことを思い付いたり、それこそ急に楽器が上手くなる(側から見たらそんな大したことには見えないかもしれないのですが)時などがあって、とても興味深いです。
音楽を演奏する時、自分は抽象的思考に傾いていることが多いような気がするので、思いがけずそんなことにも役立っています。

家にあるものの中から、最近読んだ音楽に関する本。ミーハーなのがバレる感じのラインナップ(笑)
そして、後部に「太らない食べ方」という本があるのは内緒。

【Z BLOG】古屋 ひろこ:YAMAHA Z EXPRESS BIGBAND

少し前になりますが、YAMAHA Z EXPRESS BIGBANDのデビューライブが4/22、YAMAHA銀座スタジオにて行われました。去年の楽器フェアの為に結成されたバンドでしたが、その時に加えこの度デビューライブのメンバーとして参加し、とても光栄でした。

このZ blogのブロガーさんがライブの直後にたくさん書かれていたので、私は少し時間をおいて次のライブが迫ってきたこの時期に書かせていただきますね。

全体集合写真。集合写真におけるポージングはいろんな場面で様々ですが、私はバンザイしてラッパを上に掲げても隣のMikeさんには追いつけない小さいっぷり。


演奏中の一コマ。リーダー三塚さんのステキなアレンジが楽しくて、夢中で演奏したり手拍子したりしてました。

ゲストのチューバマンショーのお二人。本当にエンターテイナーでいらっしゃって、演奏者は笑ってはいけないようなシーン(ネタバレになるのでこれ以上は言えない)で、笑いを堪えるのに必死でありました。

サックス奏者の雲井雅人さん。透き通るようなキレイな音色でした。ご一緒出来て嬉しかったです。


一音入魂中のワタクシ。ビッグバンドは私の青春、全員が合わさったパワーが強くて本当に大好きな演奏形態のひとつです。

会場内は超満員のお客様で、自分の生徒さん達とその親御さん、大学の先輩方、そしてチラホラ大先輩のお顔も。緊張しちゃいましたけど、楽しい!が余裕で勝って楽しい演奏が出来ました。

リーダーの三塚さんはそりゃもうプレイもアレンジもリーダーとして皆様に愛される素質もたっぷりで尊敬したり、大学の先輩や後輩が居て心強かったり、超かっこいいな!と思う方のソロで感動したり、打ち上げでも、色々有難いお言葉を頂いたり、皆様お酒もお強くて楽しく呑ませて頂いたり、次回に向けて気合いが入るしかない私なのでした。

メンバー&ゲストの皆様、YAMAHAの皆様、関係者の皆様、そしてお客様、本当にありがとうございました。

次回ライブは7/24、目黒Blues Alley Japan 
にて
日本が世界に誇る、いやもう世界が誇るスーパートランペッターのエリックミヤシロさんをゲストにお迎えしてお届けします。昔雑誌で対談させて頂いて、そのまま裏表紙を飾らせて頂いたのが懐かしいです。
楽しみ、ワクワク!お席が早めに埋まってしまいそうなのでご予約はお店まで、お早めに!

では、また。

古屋ひろこ

【Z BLOG】三木 俊雄:開拓派と受け入れ派 その2

前回の続きです。
(開拓派と受け入れ派 その1)

ラジオ 「ジェーン・スー 生活は踊る」の「相談は踊る」のコーナーに寄せられる相談の中でよく耳にするのは、「あの時あれをやっていれば、と今になって後悔しています」あるいは「今これをやらないと後で後悔するのではないでしょうか」というもの。

自分の性別、国籍、身体的特徴、あるいは時代、つまり生まれた環境や属性といったものは自分ではどうすることもできない。逆に言えばそれらを「後悔」することもない。
しかし特に女性にとって結婚や出産といったものが相手あっての話であるにせよ、いつかはタイムリミットが来てしまうので何らかの決断が必要になるだろう。

では進学や仕事といったものはどうか。これらはかなり自分の能動的な選択によるものだが、しかしその選択をしなかったら、別の選択をしていたらどうだったろうか?

「ミュージシャンになっていなかったら何になっていましたか?」と聞かれることがたまにあるけど、これは全くわからない。
「大学に行って良かったですか?」「バークリーに行って良かったですか?」
これもよくわからない。

もともと小さな頃からミュージシャンになるのを夢見ていたわけではないし、かといって特別なりたい何かがあったわけではない。
音楽をしていなかったら当然ほかの何かをしているわけだし、大学に行かなくても、バークリーに行かなくてもやはりそうだろう。もちろん何をしていたかは想像もできない。
自分の経験しなかった何かについては何も知らないし、語ることもできない。

大学はたまたま歩いて行ける家の近所を受けた。同じ大学のより偏差値の低い学部は落ちたので多分受かったのはマグレだろう。
その大学を卒業するとき、家業を継ぐという同級生に、親から「1年間好きなことをやってこい」と言われバークリーに行ってみようと思うけど一緒に行かないかと誘われた。
当時のバークリーは今では考えられないくらい学費も安く、そのうえ奨学金に応募したら半額くらい出た。そのころ日本はバブル期、しかもそれがこの先もずっと続くと考えられていて、いま就職しなくてもまぁ何とかなるだろうというムードだった。
今から考えてみると、かなり見通しの甘い、いわゆる「モラトリアム」だったと言ってもいいだろう。

日本に帰ってきてから、まさかビッグバンドのアレンジなどをやるようになるとは思っていなかったし、僕の20年以上続いているフロントページ・オーケストラもきっかけはレコード会社の企画で、僕が言い出して始めたわけではない。その時の企画は立ち消えになりCDも出なかった。

こういった人生の岐路に限らず、例えば「どうしてヤマハのテナーを吹いているのか?」というのもよく聞かれる。

これも実は僕が理想の楽器を探し回ったあげく見つけたわけではない。たまたまトロンボーンの中川英二郎君がヤマハ主催のコンサートに誘ってくれた時、出来ればそのコンサートではヤマハの楽器を使ってくれないかということで、当時の備品を借りたのがきっかけだった。

(つづく)

【Z BLOG】古屋 ひろこ:ニコニコ超会議2017

今年も東京アクティブNEETsで出演して参りました、『ニコニコ超会議2017』!
4月29日、30日の2日間、千葉・幕張メッセで開催され、2日間の会場来場者数は15万4601人、会場からの生放送を視聴したネット来場者数は505万9967人を記録したとのこと。世界の北野武監督や小池百合子都知事、それから白鵬さんなんかも出演なさってました。テレビのニュースでも放送されてましたよね!
私たちは、超演奏してみたステージにて一日目のトリを務めさせて頂きました。

こちらは一番最後の曲の様子。すごく盛り上がりました!やっぱりライブっていいなぁといつも思います。

終演後の集合写真。てじなーにゃでおなじみ司会の山上兄弟さんも混ざってパチリ。

ライブ中のホーンセクション二人のナイスショット。なかなか決まってます♪

というわけで演奏はものすごくいつも通り楽しくて、最高でした!東京アクティブNEETs、以前のブログで触れたレコーディングで撮った新しい動画も公開されているので、是非見てみてくださいね!


けものフレンズ、ようこそジャパリパークへ!
こちらはそろそろ30万回再生です。すごい、有難いです!


こちらは艦これというゲームの曲をカバーしております。可愛い衣装も着させてもらってます!コスプレ!

夏にはまた新しいCDが出ますよ!楽しみだなぁ。

では、またお会いしましょう!

古屋ひろこ

【Z BLOG】朝里 勝久:「VOLTZ中国地方ツアーその2」

Jazz Trombone Quartet VOLTZで、昨年に引き続き岡山県と広島県で演奏してきました。
なぜそんなよく中国地方で演奏できる機会があるのかと聞かれるのですが、いつもお世話になっている方々が企画からアテンドなど諸々ご尽力くださって、有難くもお呼び頂いています。5泊6日の演奏旅行、ライブハウスやホテルなどの他、前回に続き、走る電車の車内でも演奏しました。


※分かりにくいかもしれませんが、後列の私は急な揺れに対応するため重心をかなり落として演奏しています。

こういった演奏旅行でいつも思うのが、各地で素敵な出会いがあること。そして確実に太っていくこと…。
大学時代までは旅行そのものがそれほど好きではなかったのですが、この職に就いてから旅が大好きになりました。

下の写真は、何故か鉄道会社のオフィシャルページに載っていた私の楽器のアップ。これだとサテン(前回ブログ参照)がどうか分かりにくいな~(笑)

~おまけ~
題:ポピー畑でつかまえて

【Z BLOG】三木 俊雄:開拓派と受け入れ派 その1

お昼のTBSラジオ 「ジェーン・スー 生活は踊る」はもともと土曜日夕方の「相談は踊る」をやっていた彼女が、長寿番組「大沢悠里のゆうゆうワイド」の後を継ぐ形で抜擢された番組。
ジェーン・スー(作詞家、コラムニストのペンネームで日本人)さんは一人っ子で、現在も独身のいわゆるアラフォー女性。そのため、いわゆる「働くお一人様女性」の代弁者として高い人気を誇る。

番組の中にもこの「相談は踊る」のコーナーがあり、毎回いろいろな相談が寄せられる。
お昼のAMラジオということもあり、相談者は女性が多い。相談の内容もやはり妙齢女性の恋愛、結婚、出産、あるいは夫婦間のトラブルに関するものが多く、独身のスーさんと家庭持ちのパートナー(この番組ではアシスタントをこう呼ぶ)という違った立場の二人によって質問に答えていく。

僕がこの番組を聴いていてよく思うのは、「人間は自分の人生をどれくらいコントロール出来るのだろうか?」ということ。
つまり運命を「切り拓いていく」のか「受け入れていく」のか。

もう両方とも亡くなってしまったが、うちの両親は見合い結婚だった。二人の結婚が正確にいつだったかは知らないが、おそらく昭和30年頃だろう。当時はお見合い結婚が半数以上を占めてた。

お見合いには「釣書」という、自分のみならず家族の学歴、職業などのプロフィール、場合よっては家系図とかも書かれている身上書を交換する。
女性の社会進出のまだ少なかった時代、結婚は「永久就職」と言われていた。つまり今で言えば男性の釣書は企業のIRであり、女性のそれはESということになるだろう。

僕はお見合い結婚というものをしたことがないので分かったようなことは何も言えないが、見ず知らずの者同士が釣書の条件を擦りわせ、ほとんど恋愛期間のないまま結婚するのだとすれば、彼らは一体「運命開拓派」なのか、それとも「運命受け入れ派」なのか。

そして何より僕が不思議だったのは、そんな両親は果たして愛し合っていたのだろうか?ということ。
父は母のことを「オイ!」と呼んでいたし、あまり仲が良いようには見えなかった。とはいうものの子供は4人もいる。

父が亡くなる直前、母にそのことを聞いてみたことがある。

母は僕が9歳の頃、大病を患い一年近く入院していた。
その母の入院中に父が海外出張に出掛けることになった。
当時は飛行機に乗って海外に行くというのは一大事で、出発前に父が母の病室を訪れた。しかし出発の時間が迫るのに父はなかなか立ち上がろうとしない。「ホラもう、遅れちゃうから」と母が促すと立ち上ったが、背中を向けたまま立っている。「どうしたの?早く行かないと」と言うと父は背中を向けまま「愛してるよ」と言ったらしい。

その話を聞いて僕はイスから転げ落ちそうになった。
親父はああ見えてちゃんとやることはやっていたのだ。

(つづく)