Web音遊人(みゅーじん)

ヤマハギターの原点“赤ラベル”の意思を受け継ぐRed Labelシリーズが登場

これまで多彩なラインナップでギターファンの楽しみを後押ししてきたヤマハアコースティックギターに、新たにFG/FS Red Labelシリーズが加わった。“Red Label”というキーワードに、昭和のフォークブームに胸をときめかせた世代は“これは!”と反応するだろう。そう、“赤ラベル”の名称で親しまれたヤマハ初の国産フォークギター「FG180」「FG150」をモチーフにした、コレクター心をくすぐるシリーズなのだ。国内マーケティング担当の風間美紀子さん、兼子義一さんに話を聞いた。

ヤマハ初の国産フォークギター「FG」(左)と、新たな「FG Red Label」(右)。

サウンドホール内のラベルには伝統の赤ラベルを使用し、ヘッドのトラスロッドカバーにはモダンで繊細な印象を与える“since 1966”と刻印。ペグも初代FGと同じオープンギアタイプを使い、ヘッドロゴには当時と同じ音叉マークが施されている。ボディも豊かな低音域が特徴であるトラッドウェスタンタイプのFGと、スモールボディでふくよかなサウンドが特徴のフォークタイプFSを用意し、弦長も初代FGと同じ634mmスケールをFG、FS共に採用するなど、まさに往年の“赤ラベル”を彷彿させる仕様になっている。
しかし風間さんいわく、今回のFG/FS Red Labelシリーズはノスタルジーを満たすだけの“復刻”ではなく、新たな目標を持って開発がスタートしたのだそうだ。

「例えば今の時代に好まれる低音~中低音を充実させたいということで、表板にはシトカスプルース、側裏板にはオールソリッドのマホガニーを使用し、さらに表板のブレイシング(響棒。組み方によって音に影響を与える)は、最新の音響解析シミュレーションと実際の試作の両輪により実現したスキャロップ加工を施すなど、新たな設計デザインがなされています。また表板にはA.R.E.(Acoustic Resonance Enhancement)という処理をほどこしていますが、これはビンテージ感のある渇いたサウンドが出せるようにするヤマハ独自の技術で、新品でも何年も弾き続けたような音が出せます。弾き語りのためのフォークギターという初代FGの設計思想を、いまの時代に合わせて発展させているのです」

表板のブレイシングには最新の音響解析シミュレーションによる新たな設計デザインが施されている。

そんな“音”へのこだわりは、同時発売されるエレクトリック・アコースティックギタータイプでも追及されている。新開発の3ウェイハイブリッドピックアップシステムAtmosfeel(アトモスフィール)に搭載されているコンタクトセンターは、ヤマハ株式会社とユポ・コーポレーション、一般財団法人小林理学研究所が共同開発。これによりアコースティックギターの自然な生音を、スピーカーを通して鳴らすことを可能にしたのだ。
「今回のRed Labelシリーズでは、表板に圧電性合成紙を使ったコンタクトセンサーが取り付けられています。これで高音域を拾い、従来のアンダーサドル部のピックアップで中低域を、プリアンプ部分に仕込まれたマイクで胴の中の響きを拾う仕組みになっています。この3か所で音を拾うことで、より豊かな生音をラインアウトできるようにしました。もちろん今回の2種類のボディ、トラッドウェスタンタイプのFGとフォークタイプのFSではそれぞれ鳴りが違うので、電装部分のチューニングは最終工程で、個体1本1本に合わせて調整しています」

3ウェイハイブリッドシステムAtmosfeel(アトモスフィール)。3か所で音を拾うことで、より豊かな生音をラインアウトできる。

ビンテージの風合いを演出するこだわりは塗装工程にもおよんでいて、新品のギターでありながら独特の質感を演出していると、自身もギター演奏をたしなむ兼子さんは語る。

「これまでのアコースティックギターは、最終工程でグロスを吹きかけ、バフという磨きをかけて鏡面仕上げにしていたのですが、Red Labelシリーズでは最終工程でスチールウールによりオイルを塗りこんで、半艶仕上げを実現しています。これによって塗膜が薄くなり、グロス仕上げにくらべてより音の広がりが感じられるようになったんです。実はこのセミグロス(半艶)加工をボディに施したのは、今回のFG/FS Red Labelシリーズが初めて。FGシリーズは1966年から続く代表的なフォークギターのモデルですけど、Red Labelシリーズは昔からの伝統的なところを残しつつ新しい要素を入れた、まさに調和を大事にする“令和のFG”なんです」
フォークソング全盛の60年代に誕生したFG180、FG150を意識しながらも、今の時代にあった音を鳴らせるギターを目指したFG/FS Red Labelシリーズ。歌い手の声とさらに馴染みやすくなったこの“令和のFG”は、アコースティック編成のバンドアンサンブルにおけるギターの音表現を愛する人、弾き語りで活動しているミュージシャンたちの歌をより引き立ててくれることだろう。

■アコースティックギター「FG/FS Red Labelシリーズ」

詳細はこちら

特集

今月の音遊人:仲道郁代さん「多様性こそが音楽の素晴らしさ、私自身もまだまだ変化していきます」

今月の音遊人

今月の音遊人:仲道郁代さん「多様性こそが音楽の素晴らしさ、私自身もまだまだ変化していきます」

4988views

音楽ライターの眼

言葉なき歌をうたう/マイケル・コリンズ 天才クラリネット奏者が贈る室内楽の愉悦

1874views

楽器探訪 - ステージア「ELC-02」

楽器探訪 Anothertake

持ち運び可能なエレクトーン「ELC-02」、自由な発想でカジュアルに遊ぶ

19155views

購入前に知っておきたい!電子ピアノを選ぶときのポイントとおすすめ

楽器のあれこれQ&A

購入前に知っておきたい!電子ピアノを選ぶときのポイントとおすすめ機種

11406views

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:注目の若手サクソフォン奏者 住谷美帆がバイオリンに挑戦!

2386views

マイク1本から吟味して求められる音に近づける/レコーディングエンジニアの仕事(前編)

オトノ仕事人

マイク1本から吟味して求められる音に近づける/レコーディングエンジニアの仕事(前編)

6311views

HAKUJU HALL(白寿ホール)

ホール自慢を聞きましょう

心身ともにリラックスできる贅沢な音楽空間/Hakuju Hall(ハクジュホール)

11885views

こどもと楽しむMusicナビ

オルガンの仕組みを遊びながら学ぶ「それいけ!オルガン探検隊」/サントリーホールでオルガンZANMAI!

2491views

浜松市楽器博物館

楽器博物館探訪

見るだけでなく、楽器の音を聴くこともできる!

5799views

われら音遊人:ずっと続けられることがいちばん!“アツく、楽しい”吹奏楽団

われら音遊人

われら音遊人:ずっと続けられることがいちばん!“アツく、楽しい”吹奏楽団

4954views

山口正介 - Web音遊人

パイドパイパー・ダイアリー

この感覚を体験すると「音楽がやみつきになる」

3080views

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする Web音遊人

音楽めぐり紀行

太平洋に浮かぶ楽園で、小笠原古謡に恋をする

3708views

桑原あい

おとなの楽器練習記

おとなの楽器練習記:注目の若きジャズピアニスト桑原あいがバイオリンの体験レッスンに挑戦!

9505views

浜松市楽器博物館

楽器博物館探訪

世界中の珍しい楽器が一堂に集まった「浜松市楽器博物館」

14776views

Vans Warped Tour Japan 2018 presented by XFLAG

音楽ライターの眼

ロックの新時代を告げるフェス/2018年3月31日~4月1日、Vans Warped Tour Japan 2018 presented by XFLAG開催

1928views

オトノ仕事人 ボイストレーナー

オトノ仕事人

思い描く声が出せたときの感動を分かち合いたい/ボイストレーナーの仕事(後編)

4653views

われら音遊人

われら音遊人:ただ今、バンド活動リハビリ中!

3729views

音楽を楽しむ気持ちに届ける「ELC-02」のデザインと機能

楽器探訪 Anothertake

【動画】「楽しさ」をまるごと運ぼう!「ELC-02」の分解、組み立て手順

10541views

グランツたけた

ホール自慢を聞きましょう

美しい歌声の響くホールで、瀧廉太郎愛にあふれる街が新しい時代を創造/グランツたけた(竹田市総合文化ホール)

1857views

山口正介

パイドパイパー・ダイアリー

大人の音楽レッスン、わたし、これでも10年つづけています!

3534views

引っ越しのシーズン、電子ピアノやエレクトーンの取り扱いについて

楽器のあれこれQ&A

引っ越しのシーズン、電子ピアノやエレクトーンを安心して運ぶには?

40115views

Kitaraあ・ら・かると

こどもと楽しむMusicナビ

子どもも大人も楽しめるコンサート&イベントが盛りだくさん。ピクニック気分で出かけよう!/Kitaraあ・ら・かると

1656views

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅 - Web音遊人

音楽めぐり紀行

ポロネーズに始まりマズルカに終わる、ショパンの誇り高き精神をめぐるポーランドの旅

14313views