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国府弘子の新・ピアノ一丁!∼ピアノへのラブレター∼

威勢のいいタイトルで登場させていただきました、どうぞヨロシク!ちなみにこれは1995年のエッセイ集のタイトル(それで今回「新」が付いているというわけ)。ピアノとともに東奔西走喜怒哀楽。果たしてこの歳月は自分をどれくらい成長させてくれたのか?はたまた老いに向かっているのか? 20年前には手書きの原稿用紙、今はパソコンを打ちながら、私のピアノライフを綴ります。

(毎月1日、15日頃更新。※更新日は、都合により前後する場合がございます。)
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pianist 国府弘子

pianist 国府弘子
ピアニスト/作・編曲家。
国立音楽大学ピアノ科卒業後、単身渡米しジャズ修行。帰国後1987年のデビュー以来、第一線で活躍し、アルバムの制作、ライブでのパフォーマンス、テレビやラジオのDJをはじめ活字メディアにもエッセイを寄稿するなど多彩な活動で全国的な人気を集める。 幅広い表現力を持ったインプロヴァイザーとして、音楽シーンをリードしてきたジャズ・ピアニストであり、また温かく心に響くメロディーを創造する作曲家としても評価が高い。2015年1月にピアノソロアルバムをリリースします。

No.16音でおしゃべりをする歓び(最終回)

2015.08.03更新

16ヶ月もいただいたこのマンスリーエッセイ、あっという間にいよいよ最終回となりました。また、いつブラリとやって来てしまうかわかりませんが(笑)、読んでくださって本当にありがとう。心からお礼を申し上げます。

最新の報告といえば、7月17日の銀座ヤマハスタジオ、今回はソロではなく、長いことチームを組んできた「国府弘子スペシャルトリオ」での出演です。最終回は、私にとって“宝物”でもある、このトリオの自慢をさせていただくとしましょう。

八尋洋一(ベース)、岩瀬立飛(ドラムス)、そして私というこの3人は、トリオで活動して2015年で満17年。私の作るオリジナル曲を一番最初に“料理”してくれるのは彼ら、そしておそるおそる出してみた「生まれたての曲」を、彼らの感性が予想を超えて素敵な音楽に完成させてくれ、時には作曲者にとって「思いがけない形」で生まれ変わったりもします。

ヨーイチこと八尋洋一さんはスペインのカナリア諸島で育った天真爛漫な男、わたしと彼は同い年ということもあり、この17年の間にはいろいろと言い争ったり行き違ったりしたことも(いいオトナ同士が、打ち上げ宴会の席で、つかみ合いのケンカをしたこともありました・・・最近はいたって穏やかですが、先のことはわかりません笑)なにしろ、アニマル洋一というニックネームを付けたくなるくらい、感性のままに生きている男。もちろんベースプレイは誰もが認める、本物のラテングルーヴに満ちたスペシャルなもの、まさにオンリーワンです。

タッピーこと岩瀬立飛(たっぴ)さんも唯一無二のドラマー、とにかく一度でも彼のプレイを見て聴いて感じてほしい。身体のどこにも力みがない状態で、イマジネーションあふれる超絶技巧のリズムが、ごくごく自然に“歌”となり“鼓動”となって、彼から生まれでてくるのです。ワークショップなどではどんなに引っ込み思案な子供たちもいつの間にかタッピーの周囲に群がって、彼の側を離れないんです。

この二人と出会って、トリオを結成して、17年。
まだまだ、ちっとも飽きないしマンネリ化する気配もない。
いつも「計画したのとは全然違う音楽になったけど、こっちの方がステキ!」と舌を巻き、私のコンサートにゲストとして迎えたいろいろなシンガーやソロプレイヤーたちが「こんなに息の合ったトリオは見たことがない」と、その“あうんの呼吸”に驚いてくれる。

まあ、まだまだ3人で成長していきたいので、自慢話をするのはこれくらいにしておきます!

彼らとはいろんなレパートリーがあって、楽器を取り替えてセッションしたり、3人でピアノ連弾したりもするんです。
3人でコーラスしたりも。ヘタだけど(笑)得意な楽器を置いて、あえてヘタクソな事をやることで純粋に音楽を楽しめる、ということも発見(もちろんプロとしては、その際も、お客さまを充分に楽しませることが必須条件ですが)。いわゆる、カッコつけないで自分をさらけ出す、“自分開放”ができるようになったのは彼らと一緒に音楽するようになってから、と確信してます。
ちなみに岩瀬立飛くんはピアニストとしても本当に素晴らしい腕前で、どこかで彼のピアノもぜひ聴いていただきたい。

仲間たちとあちこちのステージで熱い汗をかき(時には冷や汗)、各地のお客さまと時間をともにし、音楽でのおしゃべりは続く。

人生で最高の、私の表現方法です。

みなさま、これからもどうぞよろしくお願いします。
どこかで出会えたら、声をかけてくださいね!

感謝をこめて  国府弘子

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pianist 国府弘子
ピアニスト/作・編曲家。
国立音楽大学ピアノ科卒業後、単身渡米しジャズ修行。帰国後1987年のデビュー以来、第一線で活躍し、アルバムの制作、ライブでのパフォーマンス、テレビやラジオのDJをはじめ活字メディアにもエッセイを寄稿するなど多彩な活動で全国的な人気を集める。 幅広い表現力を持ったインプロヴァイザーとして、音楽シーンをリードしてきたジャズ・ピアニストであり、また温かく心に響くメロディーを創造する作曲家としても評価が高い。2015年1月にピアノソロアルバムをリリースします。
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