スペシャルコンテンツ 2015年ショパン国際ピアノコンクール 予備予選レポート

第17回ショパン国際ピアノコンクールのコンテスタントを選抜する予備予選が、4月13日から24日までの12日間にわたってワルシャワで開催された。5年に1度のステージを目指して熱演を繰り広げた若者たちの姿をレポートしよう。

予備予選がスタート!

 4月13日午前10時、予備予選の幕が開いた。ステージにはヤマハとスタインウェイのピアノが置かれ、ライヴ配信のために何台ものカメラが配置され、会場いっぱいに緊張感がみなぎる中、最初の演奏者、地元ポーランドの18歳のアレクサンドラ・ホルテンシア・ドンベクが登場。審査は姓の頭文字が“D”のコンテスタントからアルファベット順におこなわれた。

 プログラムに記載された参加者は158名。実際には6名が棄権したため、152名がワルシャワ・フィルハーモニー室内楽ホールのステージに立った。予備予選の課題は、エチュード3曲、ノクターン1曲(エチュードOp.10-3、Op.10-6、Op.25-7でも可)、マズルカ1曲、バラード、スケルツォ、幻想曲、舟歌から1曲、それぞれ30分の演奏を披露する。つまり、12日間で80時間近くショパンの音楽を聴くことになる。審査員はカタジーナ・ポポヴァ=ズィドロン(ポーランド)を筆頭に、ルドミル・アンゲロフ(ブルガリア)、海老彰子(日本)、アダム・ハラシェヴィチ(ポーランド)、イヴ・アンリ(フランス)、アンジェイ・ヤシンスキ(ポーランド)、イヴァン・クランスキー(チェコ)、アンナ・マリコヴァ(ウズベキスタン)、アルベルト・ノゼ(イタリア)、ピオトル・パレチニ(ポーランド)、エヴァ・ポブウォツカ(ポーランド)、マルタ・ソシンスカ・ヤンチェウスカ(ポーランド)、ヴォイチエチ・スヴィタワ(ポーランド)、ディーナ・ヨッフェ(イスラエル)の各氏。連日8時間の審査は、かなりハードではなかったかと思う。

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ライター Profile

森岡 葉

森岡 葉(もりおか よう)
慶応義塾大学法学部政治学科卒業。音楽ジャーナリスト。著書に『望郷のマズルカ―激動の中国現代史を生きたピアニスト フー・ツォン』(ショパン)、『知っているようで知らないエレクトーンおもしろ雑学事典』(共著、ヤマハミュージックメディア)、訳書に『ピアニストが語る! 現代の世界的ピアニストとの対話』(焦元溥著、アルファベータブックス)、『音符ではなく、音楽を! 現代の世界的ピアニストたちとの対話 第2集』(焦元溥著、アルファベータブックス)

書籍

望郷のマズルカ―激動の中国現代史を生きたピアニストフー・ツォン
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ピアニストが語る! 現代の世界的ピアニストたちとの対話
ピアニストが語る! 現代の世界的ピアニストたちとの対話
ピアニストが語る! 音符ではなく、音楽を! 現代の世界的ピアニストたちとの対話 第二巻
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