井上鑑、岡沢章、神保彰。3人のAKIRAとの躍動感あふれる70分/AKIRA’S Special Live Vol.4

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AKIRA’S Special Live Vol.4
音楽ライターの眼
井上鑑、岡沢章、神保彰。3人のAKIRAとの躍動感あふれる70分/AKIRA’S Special Live Vol.4
2018.4.10
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井上鑑(Key)、岡沢章(B)、神保彰(Dr)の3人のAKIRAによる年1回のライヴが今年も開催された。卓越したプレイと回を重ねるごとに強固になるアンサンブルで、4回目の今回も芳醇なステージを展開した。昼夜2公演の昼の部に足を運んだ。

ライヴは、神保のオリジナル曲「The Light」でスタート。井上のピアノが静謐な調べを響かせる導入部から、岡沢と神保のリズム隊が加わって楽曲を彩っていく構成が実にドラマチックで、オープニングから心地よい雰囲気で会場を満たす。

「演奏する僕たちも毎年楽しみにしていますし、お客さんと出会えることも、とても幸せなことだと思います」という井上のフレンドリーな挨拶に続いて「Tango Del Sol」。これも神保の作品だが、こちらは哀愁を帯びた美しいメロディとタイトに打ち鳴らされるリズムに思わず胸が躍り、いつしか身体も揺れている。

AKIRA’S Special Live Vol.4

早くも“AKIRA”の世界に引き込まれたところで、このライヴではお馴染みとなったハービー・ハンコックの「Actual Proof」が鳴り響く。昨年も強烈なインタープレイで楽しませてくれたが、今年はそれを上回るエネルギッシュな演奏を披露。うねりまくる岡沢のベースに、神保は切れ味鋭いドラミングで応戦し、井上もエキセントリックなピアノで対抗。そうやって火花を散らす演奏を繰り広げながら、キメのパートではしっかり息の合ったユニゾンを聴かせる。MCで神保が「一昨年に演り始めた時は手も足も出なかったけど、3回目ともなると、いい感じになってきましたね?」と謙遜気味に語ったが、圧倒的なプレイだったことは、演奏直後の熱烈な拍手と声援が物語っていた。

AKIRA’S Special Live Vol.4

続いて、複雑な展開にプログレ魂が刺激される「地上になんて住めない」、都会的なメロディが心地よい「West of the sun」、ゆったりした演奏に海辺の風景が浮かんでくる「The Beach Is Far」と、井上、神保のオリジナル曲を交互にプレイ。そして、井上が警鐘的なメッセージを込めた歌を聴かせるファンキーチューン「Prometheus」から、ブルース・スタンダードの「Feeling Alright」では、岡沢もソウルフルなボーカルを披露。井上と神保もアグレッシヴなソロを放って、客席の興奮の熱をどんどん上げていく。

「いや~、神保さんの歌バン(歌ものの演奏)という贅沢……岡沢さんのコーラスという贅沢……」と感慨にふける井上に、「僕だってそうだよ」と返す岡沢。それを受けて井上が「AKIRAたち、幸せです」と笑顔で客席に語りかける。

そんな素敵な光景を見せられて、心躍らぬ観客がいるわけがない。ピースフルなバラードの「Distant Guns Of August」、フュージョンファンクな「Iniesta 2018」、そしてアンコールのテクニカルなポップナンバー「Kick It Out」と、最後まで色とりどりの楽曲たちを躍動的な演奏で楽しませてくれた“AKIRA”に、客席からは惜しみない拍手と、満面の笑顔が贈られた。

AKIRA’S Special Live Vol.4

飯島健一〔いいじま・けんいち〕
音楽ライター、編集者。1970年埼玉県生まれ。書店勤務、レコード会社のアルバイトを経て、音楽雑誌『音楽と人』で編集に従事。フリーに転向してからは、Jポップを中心にジャズやクラシック、アニメ音楽のアーティストのインタビューやライヴレポートを執筆。映画や舞台、アートなどの分野の記事執筆も手掛けている。

 

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文/ 飯島健一
photo/ 森島興一