2011年3月11日に発生した東日本大震災により被災された皆様には、心よりお見舞い申し上げます。ここでは、この震災によるヤマハグループへの影響と併せて、被災地の復興に向けた支援活動についてご報告します。
地震発生後の対処と被災状況
ヤマハグループでは、地震発生直後より本社に災害対策総本部を立ち上げ、迅速な情報収集と的確な対応に努めました。同時に各地域の災害対策本部において、安全確保、安否確認、被害状況の確認と被害拡大防止を実施しました。また、本社から被災地に向けて食料品などの災害時備蓄物資を移送・提供しました。なお、当社グループ従業員について人的被害はありませんでした。
事業インフラ被害状況と復旧対応
全国の事業所建物・設備について、地震発生日当日から被害状況を確認した結果、東北地方を中心に建物のひび割れなどの被害を確認。これらの建物を含めて、安全確認完了後に立ち入りを再開する手順を踏みました。通信システムなどの情報インフラについては、東北並びに関東地区の事業所の通信網が一時不通となりましたが、3月19日には障害が発生した拠点の約9割が回復、4月10日には復旧が完了しています。
事業活動への影響と対応
震災そのものや、その影響による電力供給不安などが事業活動にもたらす影響についいては、ヤマハ(株)社長を本部長とする「東日本大震災全社対策本部」を2011年4月1日に設置し、詳細な影響把握と必要な対策立案に努めています。
ヤマハグループの国内の主要工場は、埼玉工場並びに400km以上離れた遠州地域にあり、いずれの工場においても生産施設への直接的な被害はありませんでした。部品・材料調達については、事業部間で共有している調達先ロケーション情報に基づき、地震発生直後に事業部門ごとに調達先対応担当を決め、被災状況の確認を行いました。ピアノなどアコースティック楽器の生産に大きな影響はありませんでしたが、電子楽器やAV機器などの電子部品について調達困難となったものがあり、生産に影響が出ています。
なお、放射能事故をうけての当社製品の安全性確認については、必要に応じ工場出荷時並びに船積み時における線量測定を実施しております。
被災地への支援
ヤマハグループでは、国内外のグループ会社による義援金、および特約店を通じた楽器の点検や修理の実施、また音楽教室の復興や各所で行われるチャリティーコンサートの支援など、被災地の皆様が一日も早く笑顔を取り戻されるよう、可能な限りの取り組みを行っています。
また、7月からは梅村 充社長を発起人代表とし、全国楽器協会が中心となって設置された「こどもの音楽再生基金」を通して、被災地の幼稚園、小中高校が所有する楽器の点検・修理を開始しました。
節電対策
ヤマハグループでは、震災の影響による電力供給不足を踏まえた対応として、事業所における使用電力削減の目標設定と、平日ピーク時の電力削減を目的とした休日シフトを実施しました。
・事業所における使用電力削減
東北電力・東京電力管内の契約電力500kW以上の事業所※1において、照明の間引きや空調調節などの積極的節電により、7~9月の平日9~20時の最大電力使用量(1時間当たり)を前年比で15%以上削減することを目標としました。なお、同管内の上記以外の事業所については、前述の目標に準じた目標設定を行い、ピーク時最大使用電力削減の取り組みを推進しています。
- ※1 埼玉工場(埼玉県ふじみ野市)、東京事業所(港区)、ヤマハ銀座ビル(中央区)
・休日シフトによる平日ピーク時電力削減
中部電力管内の事業所※2において、平日ピーク時電力削減のため7~8月の月曜日5日間を休業とし、代替として土曜日並びに祝日の稼動としました。
- ※2 ヤマハ(株)本社および静岡県西部地区の各工場
今後の災害対策への取り組みのポイント
ヤマハグループでは今回の東日本大震災を教訓とし、全社の災害対策の対応の見直しを実施するとともに、特に発生が近いとされている東海大地震エリアである遠州地域の各拠点において、備蓄を含めた体制整備を重点的に行っています。
初動段階については、複数の通信手段の確保や、拠点・組織ごとの連絡体制の見直しを行っています。 また、スタッフ部門を中心に専門対策グループを設置しており、今回の東日本大震災での対応を通して、より効率的なインフラ復旧を行えるよう、手順や方法を調整しています。
津波については、現時点では遠州地域の拠点に深刻な被害はないと予測されていますが※3、現在行われている国、県の被害想定の見直しを注視しつつ、対策を検討します。
加えて、沿岸部に居住する従業員については、避難時の家族との行動など、平時から取り決めておくべき事項について周知を行っています。
上記内容の反映を含め、2009年に策定した「BCP※4ガイドライン」の継続的見直しにより、当社ではグループ従業員のより一層の安全確保とともに、事業継続への影響を最小限に抑えるよう取り組んでいます。
- ※3 静岡県第3次被害想定による
- ※4 BCP(Business Continuity Plan):事業継続計画
