環境負荷物質の低減

製品含有化学物質の基準設定と管理

 製品に含まれる化学物質の中には、環境負荷低減のため廃棄時に適切な処理を必要とするもの(環境負荷物質)や、用途によっては使用者の健康に影響のある物質があります。このため、世界各国において、従来の化学物質規制に加えて、近年急速に管理・規制が強化されています。
 例えば、2006年に実施された欧州の「電気・電子機器に含まれる特定有害物質の使用制限(RoHS※1)指令」は、製品への鉛や六価クロムなど6物質の含有禁止を求めたものですが、近年では他の国々にも類似規制が拡大しています。また、2007年発効の同じく欧州のREACH※2規則では、製品に含有する特定化学物質の把握・管理も求められています。
 こうした潮流を踏まえて、ヤマハグループでは、2003年2月に「製品に係る化学物質の含有基準」を制定。製品の設計・開発に当たって、この基準に沿って含有化学物質を管理することで、遵法性の確保と環境負荷の低減に役立てています。
 また、基準は法規制の拡大・改定への対応や自主基準の付加などにより、随時改定を行っています。2010年度は、REACH規制をはじめとした環境規制への対応のレベルアップを図るべく、大幅な改訂を実施しました。

  • ※1 RoHS:Restriction of Hazardous Substances in Electrical and Electronic Equipmentの略。電気・電子機器における特定有害物質(鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、ポリ臭素化ビフェニル、ポリ臭素化ジフェニルエーテル)の使用制限についての欧州連合(EU)による指令。
  • ※2 REACH:Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicalsの略。人の健康と環境の保護などを目的にスタートした、欧州における化学物質の総合的な登録・評価・認可・制限の制度。

化学物質管理システムの整備

 製品の含有化学物質を管理するためには、製品に組み込む部品・材料などに含まれる化学物質を把握・管理することが重要です。  そこでヤマハグループは、2008年度に部品含有化学物質の管理システムを構築しました。さらに、グリーン調達活動の一環として調達先様の協力のもとに部品含有化学物質の調査と管理を進めてきました。
 2010年度には、化学物質管理システムを刷新して、業界標準の含有化学物質情報伝達フォーマットの一つであるAIS※3に対応。例えば欧州REACH規則におけるSVHC※4のように、継続的に追加されていく化学物質規制にも、調達先様の負担軽減に配慮しながら、柔軟に対応できる体制を整えました。
 また、新規システムによる部品含有化学物質の管理体制について調達先様の理解と協力を得るため、国内外で説明会を実施しています。


  • ※3 AIS(Article Information Sheet)の略で、JAMP(アーティクルマネジメント協議会) が推奨する製品含有化学物質情報を伝達するための基本的な情報伝達シートのこと。部品メーカーなどが、材料、原料メーカーからの含有化学物質の情報を使い、部品の含有化学物質情報を供給先に伝達していくための物です。
  • ※4 SVHC:Substances of Very High Concernの略で、内分泌かく乱物質などの高懸念物質のこと。REACH規則ではSVHCに指定された物質が製品に一定以上含有する場合は、情報提供の義務などが生じ、管理が必要となります。

環境負荷物質削減製品の例

鉛フリーはんだを用いた管楽器

鉛フリーはんだを用いた管楽器
RoHs指令の対象外である製品についても、鉛など有害物質の代替化を推進。管楽器では世界初となる「はんだ」の鉛フリー化を実現しています。

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