YSP-2200

YSP-2200 -小さいなボディが、リビングを本物の音で満たしていく。-

薄型テレビや、BDプレーヤーと組み合わせるだけで、迫力あるサラウンド音場を楽しめるサウンドバー。
この新しいスピーカー・ジャンルを創出したのがデジタル・サウンド・プロジェクター「YSP」シリーズだ。
2004年の登場以来、毎年のように製品を進化させデジタルコンテンツの楽しみ方を広げてきた。
ただ、数あるサウンドバーと「YSP」の間には、一つ決定的な違いがある。それは・・・
 

リアルか、バーチャルか。それが問題だ ヤマハが創出したスピーカーの新分野 リアル、アンビエント、スイートスポット! 自動で音響をセッティングする「インテリビーム」 使い勝手を追求したHDMIのリンク機能 迫力と手軽さを兼ね備えた最新モデル「YSP-2200」 縦横自在に設置できるサブウーファー

開発者プロフィール 村田 守啓
村田 守啓
商品開発部
TV周辺機器グループ 技師
■これまでの主な担当製品
・YSP-600 ・YSP-500/3000/4000
・YSP-900/1100 ・YSP-2200
・YSP-4100/5100
YSP-600
YSP-600
YSP-4100
YSP-4100
■趣 味
・読書 ・旅行

■特 技
・料理 ・スイミング
開発者プロフィール 田中 一伯
田中 一伯
商品開発部
TV周辺機器グループ 技師補
■これまでの主な担当製品
・ピアノクラフト用スピーカー:NX-E150 / E200 / E300 / E400 / E700
・単品スピーカー:NS-777 / 555 / 444 / 33 ・YSPシリーズ全て
・DVX-1000 ・YHT-S400
NX-E700
NX-E700
NS-777
YHT-S400
■趣 味
・作曲家の生涯と作品調べ

■特 技
・炭火焼(焼魚、焼鳥等)
開発者プロフィール 大久保 茂治
大久保 茂治
商品開発部
TV周辺機器グループ 技師補
■これまでの主な担当製品
・SWK-W10 ・YTS-T500/F500
・YSP-2200
SWK-W10
SWK-W10
YTS-T500
YTS-T500
■趣 味
・ゴルフ ・読書

■特 技
・日曜大工(ウッドデッキやラックを作りました)
まず基本的な事実からおさらいしておこう。一般にワンボディー型のフロントサラウンドシステムは、フロントLRの2チャンネルを用いて臨場感を作り出している。左右2つのスピーカーから出る音の波形に特殊な関数処理を施し、耳の錯覚を意図的に生み出して、まるで後ろから音が聞こえるような感覚を擬似的に与えているわけだ。世に存在するサウンドバー製品の大半はこのバーチャルサラウンド方式を採用している。
一方、この分野の先駆者であるヤマハの「YSP」シリーズがユニークなのは、ビーム化した音を壁に反射させて前方チャンネルはもちろん、後方チャンネルまでも再現していること。サウンドバーのほとんどがバーチャルサラウンド方式を採用する中で、リアル5.1chサラウンドを実現できる「YSP」は圧倒的な存在感を示している。でも、音のビームって一体?
「静かな水面にそっと小石を落としたところを想像してみてください」。商品開発のマネジャーとして「YSP」シリーズ全体をまとめる村田守啓は、その原理について、実直な口調でこう説明してくれた。

村田 守啓
村田:水面に同心円状の波紋が広がっていきますね。音の伝わり方も同じ。例えば1つのスピーカーを鳴らすと、音波は放射状に広がっていきます。ではスピーカーを2つ横に並べて鳴らすとどうでしょう? 今度は小石を2つ落としたように波紋と波紋が重なり合い、その結果、音が強まる部分と消えてしまう部分が生じます。さらに同じ特性を持つスピーカーをたくさん横一列に並べ、同時に鳴らすと、波紋が足し合わされて直進方向の強い波が生じます。この直進する音の波がビームです。ビーム状になった音は、まさに波と同じような物理特性を持っていて、鏡にあたった光のように部屋の壁に反射します。

ビームを斜め方向に飛ばすには、横に並んだスピーカーを鳴らすタイミングをほんの少しずつずらしてやればいい。よく見ると横長のグリル越しに、小口径のスピーカーがずらりと配置されているのがわかるだろう。「YSP」では、高性能なプロセッサで処理された信号を用い、これら全てを個別のデジタルアンプで駆動している。つまり1つひとつのスピーカーをきわめて精密に制御することで、自由自在に音のビームを作り出しているわけだ。このように5チャンネル分の音をスピーカーから出すと、重ね合わせの原理によって5本のビームを同時に得ることができる。それら各ビームの角度を調整することで壁の反射を利用し、リスナーのポジションにサラウンド音場を実現できるのだ。

基礎研究時に使われていたインテリビームスピーカー
村田: 音をビーム化してサラウンドを作り出すというアイデアは、以前から社内で基礎研究を重ねていたんです。具体的な商品プロジェクトに発展したのは、2004年当初から。イギリスの1Limited社(現Cambridge Mechatronics社)の優れたアプリケーション化技術と出会ったことで一気に製品化が進みました。
その年の12月に発売された『YSP-1』は、リアスピーカーもケーブルもなしで迫力あるサラウンド音声を楽しめる初のデジタル・サウンド・プロジェクターとして、ホームシアター好きの間で大きな話題になった。その初代モデルからずっと「YSP」シリーズの音を磨き上げてきたのが田中一伯。機械工学の教授を思わせる彼はそれまでHiFiスピーカーの開発を担当していた。新しいプロジェクトに自ら加わったのは、ノウハウがまるで確立されてない新天地に刺激を感じたからだ。

田中 一伯
田中:スピーカーというのはかなり成熟した分野で、シンプルな部品構成でいかに音の純粋さを追求するかという作業の繰り返しです。それはそれで奥深い世界ですが、フロントサラウンドという未開拓の領域に挑戦してみたいと思いました。実際『YSP-1』の開発では、最初はまるで話にならなかった音質が、ちょっと手を加えただけで目に見えて進化したりして。目の前の景色がどんどん変わっていくようで、新鮮な体験でした。

とはいえ、最初の開発は困難をきわめた。例えば、ビーム用スピーカーの口径を小さくし間隔を狭くすると、再生帯域が狭くなってしまう。逆に距離を広くとると薄型テレビの横幅をはみ出してしまう。スピーカーの数と配置をどうすれば、最も効率的にビームを作り出せるのか。何回も試行錯誤を繰り返しながら、その黄金比を割り出していった。

田中:個人的に面白かったのは、基本的な音質対策を行うことでサラウンド感も高まるということ。それまで自分の中にも、サラウンドの完成度を高めるのは“デジタル屋”の仕事、音質を作り込むのは“音屋”の仕事という先入観があったんですね。でもビームスピーカー自体の性能を上げたり、あとはユニットをきちんと密閉させたり、スピーカー作りでは当然とされるノウハウを入れ込むとビーム技術によるサラウンドの持ち味も生きてくる。この2つが相乗関係にあるという発見は大きかったですね。


リアル5.1chサラウンド再生概念図
さて、リアル5.1chサラウンドの「YSP」を選ぶことで、あなたはどんな価値を享受できるのだろう? 何と言っても大きいのは、壁に跳ね返った音が“実際に”後ろから届くと言うことだ。バーチャルサラウンドの場合、仮想のリアチャンネルが耳のすぐ後方で鳴っているように感じられることも多い。頭の中で擬似的にサラウンド感を作り出しているため聞こえ方に個人差もあるし、人によっては映画をまるまる1本観ると“聴き疲れ”してしまうケースもある。さらにもう1つ見逃せないのが、自然なアンビエントだろう。これこそ本格的なホームシアターシステムにも劣らない「YSP」シリーズの持ち味だと、村田は強調する。

村田:例えば、とても広い部屋でサラウンドシステムを組んだ場合。スピーカーとスピーカーの距離が空きすぎて、音の“中抜け”現象が起きることがある。5つの方向から音がバラバラに届く感じになってしまうわけですね。一方「YSP」では、壁に反射させたビームが柔らかく広がって各チャンネルの間も埋めてくれる。映画館のように、部屋中が自然に音で包まれる感覚ですね。

田中 一伯
この自然なアンビエント感を表現するため、音作り担当の田中はこれまで大変な苦労を重ねてきた。どうすればリスナーに違和感を抱かせることなく、その場に居合わせたような体験を再現できるか。それを突き詰めるため、初期の頃はサラウンド音声で収録されたライブ作品を繰り返し観たという。

田中:バンドの演奏はもちろんですが、コンサートの場合、一番難しいのは拍手を拍手らしく聞かせることなんですね。客席の真ん中で観ている感覚を味わってもらうためには、前だけでも後ろだけでもなく、その空間全体からウワーッと拍手が沸き上がってくる質感が必要。ビームスピーカーの特性をうまく生かすと、その包まれる感覚がいい感じで表現できるんです。この部分は本当に試行錯誤を重ねました。

また壁反射には、部屋そのものを広く感じさせる効果もある。これは、壁が鏡だと想像すると分かりやすい。音が自分のところに届くまでの距離が長くなるために、いわば壁のもっと向こう側にスピーカーが置かれているような感じがするわけだ。いわゆるスイートスポットも広くて、リスニングポイントが多少動いてもサラウンド感が保たれる。例えば、恋人同士が横長のカウチに座って映画を観ても、聞こえ方に差が出にくい。
あなたが映画好きなら、あるいはこんな風に考えてみてもいいかもしれない。例えば『フィールド・オブ・ドリームス』を観れば、あなたはケヴィン・コスナーのように広大なトウモロコシ畑の真ん中に立って、無数の葉っぱが風にさやぐサヤサヤという音を体感できるだろう。『プライベート・ライアン』であればノルマンディー上陸を敢行するトム・ハンクスのように、耳をかすめた銃弾が後方に飛び去っていく恐怖を味わうだろうし、『羊たちの沈黙』であれば真っ暗な地下室に忍び込んだジョディ・フォスターのように、背後で聞こえるガサッという物音に怯えることになる。そのリアルで自然な追体験こそが、おそらく「YSP」を手に入れる価値なのだ。
もちろん、全ての人が「ホームシアター的に最適な部屋」でテレビを観ているわけではない。部屋の形、カーテンや本棚の位置、壁の材質など、音の響きを左右する室内環境はユーザーによってまったく違う。いやむしろ、ホームシアターとはほど遠い普通の居間で、手軽にいい音を楽しみたい人のために、ワンボディー型のサウンドバー製品があると言った方がいいだろう。「YSP」ではこのような現実を前提に、どんな部屋でも最高のパフォーマンスを発揮できる技術を盛り込んでいる。2005年に発売された第2世代となる商品『YSP-800/YSP-1000』から導入された「インテリビーム」がそう。製品コンセプトを考えたとき、部屋に合わせて音響を自動セッティングするこの機能は、開発チームにとって譲れないポイントだった。

インテリビーム 専用マイク
村田:使い方は簡単で、まず使いたい場所に本体を設置し、次に自分のリスニングポイントに専用マイクを置く。その状態でスイッチを入れるとスピーカーから発射されたビームが自動的に部屋の壁をぐるりとスキャンし、最適な角度や強さ、音質などを最適に設定してくれます。お客さまに対して、どんな部屋でも一定水準のホームシアター的サラウンド感を保証できるという意味で、これは私たちにとってもこれは大きな進歩でした。

インテリビームの導入により、サラウンド感はもちろん映画などの音響効果もより正確に再現できるようになったと、田中は胸を張る。各チャンネルにあらかじめディレイコントロールをかけることで、壁反射した音がリスナーのところに到着するタイミングを完璧に揃えられるからだ。

田中:例えばアクション映画で、ビルが爆発するシーンがあったとします。爆弾の炸裂音、建物が崩れ落ちる音、大地が振動する音など、そのサウンドエフェクトには高域から重低音までさまざまな周波数帯域が混じり合っている。制作者が伝えたかった本当のリアリティーというのは、5チャンネル分の音声がぴったりのタイミングでリスナーに届いて初めて再現できるんです。
2005年頃、オーディオ&ビジュアルの世界には大きなイノベーションが起こった。映像と音声を1本のケーブルで伝送できる「HDMI」という新しい規格が、インターフェースの“最終兵器”として市場を席巻しはじめたのだ。もちろん「YSP」もこの成果をいち早く採り入れていった。

村田 守啓
村田:HDMIが登場する前、サウンドバーで手軽にいい音を楽しみたいユーザーを悩ませていたのは、何よりテレビとスピーカーを結ぶケーブルの煩わしさでした。場合によっては、映像用のコンポーネントケーブルが3本に、音声用のアナログケーブルが2本。音声信号をデジタルでやりとりする場合にも「同軸ケーブル」と「光ケーブル」の2種類があり、接続が大変でした。ところがHDMIによりそれらが全て1本のケーブルで結線できるようになり、しかも映像信号もデジタルで送れるようになった。これは「YSP」の使い勝手にとっても、大きな進歩でした。

HDMIには、さらに大きなメリットがあった。映像・音声信号だけでなく、機器と機器の間で制御信号もやりとりできる「CEC」機能が標準化されたことだ。これを用いれば、例えばテレビ側のリモコンから「YSP」の電源をオン/オフしたり、ボリューム調整/消音などの操作を行うことができる。

村田:CECに標準装備された機能を用いれば、例えばテレビが選択したソース機器に合わせて「YSP」側の入力を自動で切り換えることも可能。ユーザーの使い勝手をよりよくするには必須だと思い、積極的に取り組みました。07年の『YSP-3000/YSP-4000』から初めてCEC機能を導入し、それ以降に発売された「YSP」シリーズでは標準機能として全モデルが対応しています。
7.1chサラウンド再生 概念図
薄型テレビまわりに気軽に置けるワンボディー型で、あくまでリアルな5.1chサラウンドを楽しんでもらいたい──。そんな一貫した目標に向かって、ヤマハの技術者は「YSP」シリーズをブラッシュアップし、5.1chから7.1ch対応へと進化した『YSP-4100』などさまざまなバリエーションのモデルを発表してきた。その最新版が2010年秋に発表された『YSP-2200』だ。最大の特徴は、フラッグシップモデルの実力を受け継ぎつつ、どんなテレビやラックにも後から追加できるデザインを兼ね備えていること。そのため本体を思い切ってコンパクト化し、従来本体に内蔵されていたウーファースピーカーを切り離してセパレート型のサブウーファーに収めた。ワンボディー型にこだわってきた「YSP」にとっては、初の2ユニット型製品となる。
テレビのスタンド部分をまたげ、コンパクトで迫力と手軽さを兼ね備えた最新モデル「YSP-2200」
開発チームに課せられた至上命題はシンプルだった。まずテレビのスタンド部分をまたいで後から追加できるようにすること。ポンと無造作に置いたときに画面下端とスピーカーが重ならないほど本体をスリム化すること。それでいて満足のいく7.1chサラウンドを実現することだ。それにはスピーカー部の高さ方向をぐっと抑えなければいけない。この難題に設計面から挑んだのが、ヤマハ入社2年目の大久保茂治だった。

大久保:最近の薄型テレビはフレームの幅もどんどん狭くなっています。テレビスタンドをまたぐことを考えると、本体の高さはやはり50ミリ程度に抑えたい。しかし「YSP」の場合、ビームスピーカーの径だけで約30ミリはあるし、それ以外にもDSP回路など大量の部品を積まないといけないので、これはかなり厳しかったです。構造をゼロから洗い直し、いろんな部品の厚みや細かい合わせ目の隙間などを徹底して詰めていって。何とかこのサイズに入れ込みました。でも一番大変だったのは、内部の構造をギュッと緻密化しながら、音質を落とさないようにすることだった気がします。

言うまでもなく、構造と音質は切り離せない。実は大久保は、2年前まで他のAVメーカーで高級薄型テレビの開発を担当していた。機構設計のプロフェッショナルだが、単体のスピーカーを手がけるのは初めて。その意味で、オフィスの隣のデスクが田中だったことは彼にとって(そしておそらくヤマハにとってもユーザーにとっても)幸運だった。図面を引き、試作を重ねるたびにすぐ、「YSPの守護神」とも言うべき人物の意見を仰げたからだ。「ぶっきらぼうに見えますが、根はすごく真面目。こちらが要望を出すと一途に応えてくれました」と、田中は振り返って笑う。一方、大久保自身も新領域での作業には学ぶところが大きかった。

村田 守啓,田中 一伯,大久保 茂治
大久保:ヤマハに来て新鮮だったのは、ディテールへのこだわり。例えば製品を作り込んでいく過程で、部品同士がビリつき微かな音を出すことがあるんですね。そうするとスピーカーから出てくる音が、ほんのちょっと濁ったりザラついた感じになったりする。そういう微少な振動に対しても、いちいち防振材を貼り付けたりして原因を潰しきらないと、品質保証部門の担当者がOKを出してくれません。その反面、いいものが作れるなら多少手間がかかっても、工場側が頑張って応えてくれる文化がある。今回の『YSP-2200』もそうですが、設計者の思い入れを実現できる環境なんですね。

ヘアライン加工のアルミニウムのボディー
高さや厚みのあるテレビスタンドが来てもいいように、スピーカーの脚の高さを無段階にプラス10mm調節できる工夫も導入。洗練されたイメージを出すため、「YSP」シリーズで初めて、本体にはヘアライン加工のアルミニウム素材を使用した。

大久保:アルミニウムのボディーには、デザイン性や質感だけでなく実際的な効用もいくつかありました。まず薄さの問題。ビームスピーカーは微量の電磁波を出すため、従来の樹脂筐体では内部にシールド処理が必要でしたが、今回はこれを省くことができた。剛性が高まり、しかもプラスチックに比べて素材が持つ響きの特性もいいので、音質改善にも寄与しています。
スピーカーを大幅にスリム化したことで、本体に内蔵されていたウーファーは必然的に分離されることになった。これまではユーザーが好みで追加購入していたサブウーファーを最初から付属させ、そこにウーファー機能も統合させるというスタイルだ。従来と全く異なるシステム構成で「YSP」の名に恥じないサウンドに仕上げる作業は、「開発史上で最も大変だったかもしれません」と田中は振り返る。ただ、その苦労のおかげで『YSP-2200』はこれまで以上に迫力ある低音表現を手に入れることにもなった。

田中:そもそもこのシステム構成に踏み切った理由の1つに、「YSP」ユーザーの多くがご自分でサブウーファーを別途購入し、低音域を補強されているという顧客データがあったんです。それならサブウーファーを最初から標準装備することで、最適にマッチングさせた重低音をご提供した方がいいという考え方も成立します。スピーカーとサブウーファーの調整がうまくいかないと、例えば爆発シーンなどで、破裂音と地響きが微妙にズレて聞こえてしまったりする。今回『YSP-2200』では、そのような気持ち悪さは完璧に排除できた。縦・横どちらでも置けるよう設置性にも気を使いました。手軽さと迫力のバランスという意味では、これまでの「YSP」ラインナップの中でも随一だと自負しています。

映画、コンサート、スポーツ中継など、視聴ジャンルごとにぴったり合った音場を創成してれくる「シネマDSP」も搭載。本格的AVレシーバーの分野でも評価の高いこのヤマハ独自の技術に加えて、今回は新たに、サラウンド音声のゲームソフトに対応したモードも盛り込まれている。迫力ある効果音はもちろん、BGMやセリフなど、まるでゲームの世界に入り込んだような臨場感を体感できるように、きめ細かくリニューアルが施された。さらに、「ユニボリューム」という便利な機能もある。これはテレビ番組からCMに切り替わった際や、さまざまなチャンネルをザッピングしている際などに、音量差を自動的に補正してくれるというもの。これならコマーシャルに切り替わった瞬間音量がアップし、びっくりしてソファーから飛び上がるという心配もないだろう。
もう1つ、別売のオプションを追加して、iPodやiPhoneの音楽を『YSP-2200』のスピーカーで楽しみたいという人には、「ミュージックエンハンサー」という優れた音質向上テクノロジーが入っているのも魅力と言えるだろう。これはAACやMP3などの圧縮デジタル音声につきものの「高域の伸び不足」や「中低音の薄さ」を解消するヤマハのオリジナル技術。失われた音声データを独自のアルゴリズムで補間することで、自然かつ奥行きのあるサウンドを生き生きと蘇らせてくれる。
この数年間で、テレビの薄型化は飛躍的に進んだ。ただ意外に見落とされがちだが、薄型化によって、テレビ自体の音質が落ちてきているというのも事実。発売以来「YSP」シリーズが着実に支持を広げてきた背景には、せっかく充実してきたデジタルソフトを画質面だけでなくサウンドの面でももっと味わい尽くしたいという、ユーザーたちの無言の希求があるに違いない。

村田:テレビと一緒に使っていただく製品ですから、ブルーレイディスクのような高品質な映画・音楽ソフトはもちろん、ニュース番組、スポーツ中継からバラエティーショーまで、どんなソースもきっちり楽しめてこそ存在価値があると考えています。あらゆるシチュエーションで、テレビのサウンドを飛躍的にパワーアップさせる――そんなデイリーで万能スピーカーを作りたいというのが、YSPにかける変わらない私たちのテーマです。

村田 守啓,田中 一伯,大久保 茂治
この記事は、2010年10月に行われた
インタビュー取材をもとに再構成したものです。
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