ゲームへの没入感と臨場感を高める、重要なエレメントの1つ――“音”。HDゲーム機の誕生に伴い、映像だけでなくサウンドも高品位化が進み、効果音の1つ1つまでこだわり抜いたゲームが増えている。
中でも「メタルギア ソリッド」(以下「MGS」)は、いち早く音の重要性に着目したシリーズだ。敵兵が下草を踏みしめる音、背後で鳴り響く銃声、薬莢が床に落ちる乾いた音……。敵から身を隠して行動するこのシリーズでは、あらゆる音がゲーム性と密接に絡み合うため、極めて緻密な音作りがなされている。
「98年に発売した『メタルギア ソリッド』から映画的な音作りを心がけ、環境音を取り入れてきました。何もない部屋でも、エアコンや蛍光灯のジーッという音が響けば、臨場感が伝わりますよね。一方クライマックスなどでは音楽を流す。ハリウッド映画を研究し、方法論を学びました」
そう語るのは、サウンドディレクターの村岡一樹氏。シリーズを通じ、ハードのメモリ容量と戦いながら高品位なサウンドを提供し続けてきた。 「映像も重要ですが、音質も犠牲にできません。そこで我々は細かい波形を複数用意し、その組み合わせで音を表現しています。例えば鉄扉をノックする音と爆裂音を組み合わせて、金属的な爆発音を演出するといった具合。こうして“節約”を図る一方、取材による生音も取り入れています。例えば『4』では、南米やモロッコで環境音を収録。どんな鳥が鳴き、どんな音がするのか、現地で録音すれば、一番リアルですから」
このように細部まで作り込まれた音だからこそ、HDサラウンド環境で楽しみたい。薄型化とともに音まで萎ませてしまったHDテレビのスピーカーで聴いても、その真価は感じ取れないだろう。そこで村岡氏に薄型テレビのスピーカーとヤマハ『YHT-S401』、両方で「MGS」の音を聴き比べてもらうと……?
「すばらしいですね!スピーカーの口径はさほど大きくないのに、オーディオらしい自然な音が響きます。薄型テレビはスピーカーの容積が少なく、無理をして音を出しているような人工感がありますが、これは安心して聴ける。フロントスピーカーとサブウーファー、双方の音もスムーズにつながっていて耳も疲れません。特に違いを感じたのは『4』のデモシーン。二足歩行兵器『月光』が着地する重い音、ジェット機が飛び去る轟音。低音が引き締まっていて、音の解像感も感じられました」








