マーチングバスドラム

マーチングバスドラムのお手入れ・メンテナンス・チューニング

チューニング

マーチングバスドラムのチューニング

マーチングバスドラムは、バンド編成に合わせ、数量、サイズ体系を決めます。基本的に、複数台使う場合は異なるサイズを各一台ずつ3台以上、演奏者の体力に合ったサイズをお選び下さい。代表的なサイズ構成は〔表-1〕 編成参考例をご覧ください。
チューニングは4~6台でピッチを変えて使う場合には、マルチタムと同じようにすべて短三度間隔(ディミニッシュスケール)が基本的ですが、バンドの好み、使用台数、サイズに適した音域に応じて工夫して頂く事が大切です。

〔表-1〕 編成参考例

  対象 一般~高校生
(800シリーズ)
中学生
(800~600シリーズ)
小学生
(600~400シリーズ)
園児
(200~100シリーズ)
台数 1 26インチ
(24)
26インチ
(24)
22インチ
(24)
18インチ
(20)
2 22、26
(20、24)
22、26
(20、24)
22、24
(20、24)
14、18
3 18、20、24
(20、22、26)
(22、24、26)
(16、18、22)
(16、20、24)
18、20、24
(22、24、26)
(16、18、22)
(16、20、24)
16、18、22
(18、20、24)
(16、18、20)
(22、24、26)
14、16、20
4 18、20、22、24
(22、24、26、28)
(20、22、24、26)
(16、18、22、24)
(16、20、22、24)
18、20、22、24
(20、22、24、26)
(16、18、22、24)
(16、20、22、24)
16、18、22、24
(18、20、22、24)
(16、18、20、22)
(20、22、24、26)
(16、18、20、24)
14、16、18、20
5 16、18、20、22、26
(20、22、24、26、28)
(18、20、22、24、28)
(16、18、20、22、24)
(18、20、22、24、26)
(16、18、20、24、26)
16、18、20、22、26
(16、18、20、22、24)
(18、20、22、24、26)
(16、18、20、24、26)
16、18、20、22、24 -
6 16、18、20、24、26、28
(18、20、22、24、26、30)
(16、18、20、22、24、26)
(16、18、22、24、26、28)
(18、20、22、24、26、28)
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チューニングの手順

〔図-1〕 バスドラムの音程チェック

1)〔図-1〕に示すドラムヘッドのポイントをマレットで軽く叩き、音程を確認します。

2)次に締めボルト付近〔図-2〕を軽く叩いた音がそれぞれ揃っているかを確認します。各ポイントの中でもっとも異なったピッチのボルトを優先的に調整し、音程を揃えて行きます。
(締めボルトは締めれば音程は上がり、緩めれば音程は下がります。)

〔図-2〕 締めボルトを締める順序

3)各締めボルト間の音程が揃えば、もう一度〔図-2〕に示すポイントをマレットで軽く叩き、音程を確認します。
ドラムの音程が、合わせたい音程より低ければ、すべての締めボルトを少しずつ均等に締めて行きます。また、同様にドラムの音程が、合わせたい音程より高ければ、すべての締めボルトを少しずつ均等に緩めて行きます。
なお、締めボルトを締める順番は〔図-2〕に示すような順序で行えば、木リム、シェル、ラグなど各部品を傷める事無く行えます。

POINT!

バスドラムのチューニングで最も重要なのは、左右のヘッドが正しく同じ音程に張られている事です。左右のヘッドから、同じ音程の音が聞こえているようでも、左右のヘッドの響き方が違ったり、遠くで離れて聞いてみると音程が違って聞こえる事があります。左右のヘッドが全く同じ音程に張られていれば、左右のタッチ感もそろい、音程感もボリューム感も良くなります。左右のヘッドの音程を揃える方法を以下で紹介しますので、お試し下さい。

〔図-3〕 左右の音程の調整

  1. 〔図-3〕に示したポイントを少し強めに叩いて音を鳴らしてみます。
    左右それぞれの音を比べた時、響きの豊かな方(余韻が長く、音が膨らむような音)のヘッドは、そうでない方と比べて、テンションが低いです。締めボルトを均等に少しずつ締めて下さい。
  2. 更に精度良く合わせる為に、〔図-4〕に示すポイントを、反対側のヘッドを手で押さえながら軽く叩き、左右の音程差を比べます。低い方の締めボルトを均等に少しずつ締め(或いは高い方を緩め)、両側の響きを揃えます。

〔図-4〕 バスドラムのチューニングの例

  • 1~2台で同じピッチで使う場合には、低めのピッチのほうが全体のサウンドのバランスが良くなります。
    但し体育館では反響音が長いために、野外よりも少しピッチを高めにとる方がよいでしょう。
  • 4~5台で、ピッチを変えて使う場合には、すべて短3度間隔(ディミニッシュスケール)にするのが基本です。
    もう少し親しみやすい間隔にしたい場合は長3度と短3度を交互に積み上げたり、完全4度+長3度もよいでしょう。
  • 3台の場合は、完全4度+長3度にして音域を広くとるとよいでしょう。
  • 2台の場合は、4度または5度の間隔が適当です。
  • 演奏する曲や、管楽器の編成でも変わりますので、上記を基本に色々と工夫することが大切です。
〔表-2〕 バスドラムの音域表
品番 最低音 最高音 ヘッド
MB-118B A25 C28 DH18B-250SW
MB-120B F#22 A25 DH20B-250SW
MB-214D D#31 F#34 DH14B-250SW
MB-216D C28 D#31 DH16B-250SW
MB-218D A25 C28 DH18B-250SW
MB-220D F#22 A25 DH20B-250SW
MB-416E D#31 F#34 DH16B-250SW ※1
MB-418E B27 D#31 DH18B-250SW ※1
MB-420E G#24 C28 DH20B-250SW ※1
MB-422E F#22 A25 DH22B-250SW ※1
MB-424E D#19 F#22 DH24B-250SW ※1
MB-616E D30 G35 DH16B-250SW
MB-618E B27 E32 DH18B-250SW
MB-620E G#24 C#29 DH20B-250SW
MB-622E F21 A#26 DH22B-250SW
MB-624E D18 G23 DH24B-250SW
MB-626E B15 E20 DH26B-250SW
MB-816F2 D30 G#36 MBFM2-SW16
MB-818F2 B27 F33 MBFM2-SW18
MB-820F2 G#24 D30 MBFM2-SW20
MB-822F2 F21 B27 MBFM2-SW22
MB-824F2 D18 G#24 MBFM2-SW24
MB-826F2 B15 F21 MBFM2-SW26
MB-828F2 A13 E20 MBFM2-SW28
MB-830F2 F9 D18 MBFM2-SW30
MB-832F2 D#19 C16 MBFM2-SW32
  • ※1 インナーミュート内蔵

インナーミュートについて

小・中・高・一般編成で、バスドラムを用いる団体には、インナーミュートを利用した音色作りをお勧めします。
程よいミュート効果が簡単に得られるだけでなく、外観的にもスマートで、効果は絶大です。
基本的に、MB-#600/#800 を複数のサイズ体系でご使用のバンドにはお勧めのミュート法です。
但し、あまり多くつけすぎると音がつまってしまい、響きがなくなりますので注意してください。

〔図-5〕 内部ミュートの貼り方

  1. 締めボルトを全て緩め、フープ、ヘッドをシェルから外します。
  2. シェルのベアリングエッジ付近、内面を乾いた布などできれいに拭きます。
    インナーミュートは強粘着タイプミュートのMU-35BS、またはMU-40BSを使用します。
    粘着力が強力である為、演奏中に剥がれてしまう事はありません。
  3. 〔図-5〕に示すように、ベアリングエッジより2~3mm程度ミュートの面がはみ出す様にして、全周にミュートを軽く貼ります。
    ミュートの効きは、はみ出す部分の量で調整します。
  4. 全周にわたって、はみ出しが均等である事を確認したら、ミュートをしっかりと手で押さえつけて粘着させます。
    バスドラムのサイズによって、はみ出し部分を多くしたり少なくしたりします。
    張り方も全周、2ヶ所、3ヶ所等色々と工夫してみるのも大切です。〔図-6〕

〔図-6〕 インナーミュートの貼りつけ位置の例

各サイズに適したミュートをお選び下さい。
MU-35BS: 16”/18”/20”
MU-40BS: 22”/24”/26”/28”/30”/32”

アウトミュートについて

インナーミュートを施してなく、もう少し余韻をカットしたい場合は、ヘッドの表面にミュートを適量貼りつけます。(アウトミュート)
その場合ヘッドに貼るミュートはMU-35BR/40BRを使います。好みに合わせてミュートして下さい。

  • MU-35(40)BRタイプのミュートは特殊粘着剤を使用していますので、取り外しを繰り返しても、粘着力が長持ちします。
    但し近年ではビジュアルを重視するためにインナーミュートが主流となっています。

〔図-7〕 アウトミュートの貼りつけ位置の例

ヘッドの寿命について

チューニングボルトを全てゆるめてみて、中央部分がたるんでしまったり、でこぼこになっていると既に寿命切れです。
使用状況によって、かなりの差がありますので、月に1~2回はチェックしてください。

日常の取り扱いについて

  1. 使用後はヘッドを緩める必要はありません。
  2. ヘッドにほこりは禁物、こまめに掃除をしてください。シェル(胴)は柔らかい布でから拭きをします。
  3. ホルダーの作動部分には、年1回程度、良質のグリスを注油します。
  4. ヘッド交換の際、チューニングボルトに良質のグリスを注油します。
  5. フープに衝撃を与えると割れますので注意してください。

日常のお手入れには、ヤマハお手入れ用品をご使用ください。

楽器のトラブルと解決法

起こりうるトラブル チェックポイント 解決法
チューニングできない 締めボルトが回りにくい 締めボルトネジ部にグリス塗付
ラグは浮いていないか ラグ取付ネジの増し締め(損傷の場合は交換)※3
ヘッドは傷んでないか※1 ヘッド交換
フープは歪んでいないか フープの方向を180°変えてセットしなおせばある程度は解決できる
(重症の場合は交換が必要)
シェルに損傷はないか※2 重症の場合は交換が必要
ノイズが出る ラグは浮いていないか ラグ取付ネジの増し締め(損傷の場合は交換)※3
ストレイナーがガタガタしている ラグ取付ネジの増し締め(損傷の場合は交換)※3
スネア音にノイズが混ざっていないか 響き線張力調整※4
スネア音は伸び過ぎていないか 響き線張力調整※4
締めボルトのいずれかが緩んでいないか テンションが均一になるようにチューニングし直す
楽器のポジションがしっくりこない※5 キャリアは調整されているか 品番に応じて微調整機能で体格に合わせる(キャリングホルダー)
アームを上下させ高さを調節する
角度調整機構のある物(スネアホルダー)は楽器が前に垂れたり角度が上がり過ぎたりしないように調整する
その他メンテナンス スネア用テープ/紐 消耗してきたら取り替える
シェル 柔らかい布でカラ拭き
ヘッド ほこりを除く
ホルダーやストレイナーなどの作動部品 作動部にグリス注油(年に一回程度で良い)
  • ※1 ・ヘッドのフープからフィルムが抜ける ・ヘッドが伸びてしまっている ・ヘッドが破れている ・打痕等でヘッドが凸凹している など
  • ※2 ・エッヂ部分が凸凹になってしまっている ・シェルにひびが入っている ・シェルが割れている ・シェルが変形している など
  • ※3 緩すぎず締めすぎず
    (バネ座金がしっかり利いていないと緩んでしまい、また締めすぎると六角スパナで締めた場合にはネジの頭が切れてしまい、プラスドライバーで締めた場合には十字穴が潰れてしまう。)
  • ※4 響き線が伸び切っている場合、単線調整可能なものは調整し、そうでないものは響き線を交換する。
  • ※5 マルチタムが角度調整機能が無いため、前垂れしているものについてはパーツ交換が必要。

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