光ヶ丘女子高等学校(愛知県)

CLARINETS Spirit of Yamaha Clarinets

全日本吹奏楽コンクール金賞校に聞く!地道な個人練習が実を結んだ光ヶ丘女子高の緻密なサウンド

昨年の吹奏楽コンクール全国大会で金賞を受賞し、一躍注目をあびた愛知県の光ヶ丘女子高校吹奏楽部。文字どおり、全員が女子生徒からなるこのバンドのサウンドは、男性顔負けのパワフルさがあって音色も魅力的。意外なことに、この光ヶ丘サウンドは、基礎合奏ではなく個人レッスンの賜物だという。

この記事は、月刊誌「バンドジャーナル」2007年12月号~2009年4月号に掲載された内容を一部改定して転載しており、取材当時の内容になります。制作:音楽之友社

良い本番のためには日常の個人練習が重要

光ヶ丘女子高校吹奏楽部顧問 日野 謙太郎先生の写真
光ヶ丘女子高校 吹奏楽部顧問
日野 謙太郎先生

名古屋から電車で30分の愛知県岡崎市。徳川家康公生誕の地として知られる同市に光ヶ丘女子高校はある。ミッション系の私立高校である同校は部活動が盛んで、吹奏楽部は41年の伝統がある。

現在の顧問は、同校で英語を教える日野謙太郎先生。吹奏楽部の指導におけるモットーは、“日常を大切にすること”だそうだ。
「本番だけ吹けるように練習してもダメだと思うんです。本番が特別なものになるからミスをするんですよ。いつも本番だと思って練習し、本番で日常と同じように吹けば良い演奏になるはず。日頃の授業や清掃活動も同じで、『先生がいない自習のときにサボるような子は、本番で力を発揮できないよ』と生徒に言っています」

その考え方は、練習方法にも反映している。「日常の個人練習がきちんとできていて、一人ひとりが吹けていなければ合奏をやっても仕方がない」と日野先生は力説する。
「個人練習の時間に、準備室にひとりずつ呼んできて吹かせるのが僕のやり方。朝練では、7時半頃に来てレッスンしています。そのとき練習している曲や音階を吹かせて、僕がまずいところを指摘する。合奏で一人ひとり直していると、暇な子ができるじゃないですか。そうなると合奏が面白くないと思うんですよ。
あと、現実問題として、部活の時間が短いから、基礎合奏に割く時間がないということもあります。以前はチューニングもひとりずつやっていましたが、あるときから、合奏前に自分たちでチューニングしておき、その時間をスケールに充てるようにしました」

音程が良ければ音色も良いという考え方

光ヶ丘女子高校吹奏楽部 練習風景の写真
各自の音程に対する感覚が敏感で、チューナーはチェックにしか使わない。音程を優先した結果、サックスやトロンボーン、ホルンなど多くのパートがヤマハになったそうだ

日野先生の個人レッスンの際、優先するのは音程だという。
「僕は〝音程が良い=音色が良い〝だと考えています。音程が良ければ音色も良いし、音色が良ければその音の音程も良いだろうと。だから、音程には特に気をつけて、キーボードを使って練習するようにしています。
楽器によって、特定の音程に癖があったり、鳴らない音がありますよね。でも、そこで妥協はしない。生徒に〝なぜその音が鳴らないの?〝と言うわけです。僕はその楽器の専門家ではないから、逆に問題点が見えることもあるのでしょう」

とりわけ、クラリネットのように大勢でユニゾンを吹くパートは、欠点を個人の段階で克服しておくことが欠かせない。「クラリネットとトランペットが吹けないと、バンドは成り立たないですね。他のパートにいくら上手な子がいても、これらの楽器の粒が揃っていないとバンドの響きは作れません。特にクラリネットは、楽器が原因で〝低いソとラの辺りが鳴らない〝という問題があったときに、10人いたら、その鳴らない音だけ響きが10分の1になってしまう。合奏では吹けたつもりになっていても、ひとりずつ取り出してみると、『えっ、こんなに吹けてないの?』ということはざらにあるわけです。これは音程も同じですね」

当然、楽器自体の癖が原因であることも少なくないが、日野先生は特に楽器を同一機種に揃えさせていないそうだ。「うちの学校では、揃えなさいと強制的には言っていません。結果論ですね。たとえば、ユーフォニアムやチューバのように音程の癖が出やすい楽器は、ヤマハが本当に音程が良いわけですよ。サックスもそう。だから、クラリネットも含めて、学校の備品は全部ヤマハです。
やっぱり、ヤマハの楽器は音程が良いし、ハズレがない。特に、うちのように女の子の場合は、ヤマハは鳴らしやすいので無理をすることがありません。修理や調整についても、楽器店さんが定期的に来てくれるので安心なんですよ」

こうした個人のスキルを向上させる練習をした結果、昨年は吹奏楽コンクールだけでなく、アンサンブルコンテストでも金管八重奏で全国大会出場を果たした。「アンコンも、やはり個人が吹けるようになることを優先します。日頃、個人レッスンで見ているなかから、僕がメンバーを選んで曲や編成も決めます」

最後に日野先生は、「コンクールも大切ですが、自分たちがどのように活動してきたかを大切にしてほしい」と締めくくった。こうして一人ひとりの演奏技術が向上することは、卒業後に音楽を続けるうえで大きな財産になるに違いない。

光ヶ丘女子高校吹奏楽部 クラリネットパートの写真

クラリネットパートに聞きました!

クラリネットパートのメンバーにお話を伺った。「私は中1 からバスクラ専門です。バスクラは、バンドの芯になる大切な楽器。ヤマハの楽器は低い音も高い音も出しやすいですね。指の間隔も操作しやすい」、「アルトクラは地味だけど、合奏の中では重要な楽器。ヤマハの楽器は吹きやすくてうまく溶け込みやすい」、「曲の中でBクラからEクラにすぐに持ち替えるのは大変なのですが、ヤマハのEクラは吹きやすくて、抵抗なく持ち替えることができます」、「中学から使っているSEは吹きやすく、まとまりがあって豊かな音が気に入っています」

光ヶ丘女子高等学校吹奏楽部

光ヶ丘女子高等学校吹奏楽部の写真

愛知県岡崎市にある光ヶ丘女子高等学校は、今年で45 年の歴史を持つカトリック系のミッションスクール。西三河地区の中では唯一の女子高で、部活動が盛んだ。吹奏楽部以外にも、ダンス部や放送部などが全国的に知られている。吹奏楽部は、今から41 年前に前任の渡辺尚也先生によって創部され、現在の顧問である日野謙太郎先生が赴任した年に全国大会に初出場。そして、昨年には全国大会でリストの《BACH の名によるフーガ》を演奏して見事金賞を獲得した。部活動のモットーは“日常を大切にすること”。合奏以前の自主的な練習や行動を重視していて、学校のゴミ拾いなども積極的に行っている。定期演奏会のほか、クリスマスページェントも有名。

光ヶ丘女子高等学校公式ホームページ別ウインドウで開きます

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