柏市立柏高等学校(千葉県)

CLARINETS Spirit of Yamaha Clarinets

全国大会金賞校に聞く!唯一のサウンドを目指して異彩を放つ市立柏高等学校の試み
学校の中庭にある野外ステージに大集合! 生徒のみなさんは、楽器の練習だけでなく、部内のさまざまな仕事にも大忙し。石田先生は「部活動を通して、後の人生に役立つ、かけがえのない体験ができるんです」と語る

定期演奏会では1万人のお客さんが押し寄せるという市立柏高等学校吹奏楽部。その人気の秘密は、演奏の質の高さはもちろん、民族楽器やシンセサイザーなどを積極的に導入することで、すべてのお客さんを楽しませようとする姿勢にある。

この記事は、月刊誌「バンドジャーナル」2007年12月号~2009年4月号に掲載された内容を一部改定して転載しており、取材当時の内容になります。制作:音楽之友社

市立柏高等学校吹奏楽部顧問 石田 修一先生の写真
市立柏高等学校吹奏楽部顧問
石田 修一先生

聴衆を多く集められる理由――千葉県柏市立柏高等学校吹奏楽部の場合、それは全国大会の常連バンドだから、というだけに留まらない。もちろん、今年の全国大会でも見事金賞を受賞し、その演奏の質の高さはお墨付き。しかし、「お客さんをとにかく飽きさせてはいけない」という音楽総監督である石田修一先生の信念は、「上手なバンド」という範疇を超え、ファンの多いステージの源となっている。

「もう20年近く前になりますが、最初のアメリカン・グラフィティが出たとき、メロディパートがスタンドプレイをしたのですが、何かつまらない。そこで動いてみようとなったんだけれど、それでもまだ物足りない。そこで吹いていない人を動かそうと考えたのが始まりです。世界吹奏楽大会でやったとき、A・リードさんがお腹を抱えて笑っていましたよ」

ところが、意外にも現在は動かない練習をしているそうだ。
「たとえば、演劇や中国の雑技団を見ると、真ん中で誰かがすごいことをやっているときは、他の人たちは動かないんです。主役が『生きるべきか死ぬべきか』とやっているときに、後ろの人が頭をポリポリ掻いていたらおかしいでしょ。中国の雑技団も、そういうときは瞬きもしないし、息も止めている。そうすることによってソロが引き立つんです」

市立柏高等学校吹奏楽部 クラリネットパートの写真
「クラリネットの金属楽器にはない柔らかい音が好き」、「楽器を始めたのは『クラリネットが壊れちゃった』という曲の出ない音を自分が出してやろうと思ったから(笑)」、「クラリネットパートはみな個性的。それをまとめるのがパートリーダーである私の仕事です!」

お客さんを飽きさせてはいけないという石田先生の考えから生まれたアイデアが、民族楽器の導入や他の音楽文化とのコラボレーションだ。
「今年は、津軽三味線、揚琴、二胡、大正琴を入れて『北京へようこそ』という曲を練習しています。もちろん、それらの楽器を弾くのは部員たち。楽器は演奏旅行のときに、私が買って帰ってくるんです」

自分の楽器を練習するだけでも大変なのに、振り付けや民族楽器の準備もしているのだから、先生も、生徒たちも想像を絶する努力をしているに違いない。「自分の楽器だけを突き詰めてやっていくことも大事ですが、バンド活動の中で、歌ったり、踊ったり、構成を考えたり、衣装を考えたり、そういう経験が、生徒たちにとってかけがえのないものになるんです。卒業して、劇団四季のコスチュームのチーフになったり、ミュージカルの役者になったり、楽器の運搬に目覚めて、美術品の運送会社に入った卒業生もいるんですよ」

ただ溶ける音だけでなく、目立つ音も出せることが重要

市立柏高等学校の人気を支えるのは演出だけではない。美しいハーモニーもその魅力の1つだ。

吹奏楽部が受賞してきたトロフィーや盾の写真
輝かしい実績の証!廊下のショーケースには、これまで吹奏楽部が受賞してきたトロフィーや盾が所狭しと並ぶ。1階には収まりきらず2階にもずらり

「以前は、シャープなサウンドを目指していたこともあるのですが、今は柔らかくて包み込むようなサウンドを目指しています。やっぱり、ふくよかなサウンドのほうが、たくさんの人が感動してくれますからね。そのためには、全員の奏法や音色が統一されていなければいけません。もちろん、楽器のメーカーも統一していたほうが合うに決まっている。異なるメーカーの楽器が混ざっていたら、きれいな和音が鳴らないでしょう」
そういう考えから、現在は打楽器も含めて全部ヤマハの楽器で統一している。

「昔、ホール練習をしているとき、いろんなメーカーの楽器をブラインド・テストをしたら、ヤマハが一番良かったんです。同じ生徒が吹いているとは思えないぐらい響きが良くなった。それがきっかけでセクションで揃えました」

しかし、「ヤマハを使う理由はそれだけではない」と石田先生は付け加える。
「さきほど、誰かがソロを吹いているとき、周りは動かないほうが効果的だと言ったのと同じで、音色も、ただ溶ける音だけでなく、ソロで目立つ音やポップスに適した音も出せることが重要です。民族楽器と一緒に演奏するときには、クラシックのクラリネットの音色と違う音が欲しいときもありますしね」

石田先生に質問

Q いい音色を作るためにはどうすればいい?
A 他の音が何もない広い場所で、自分の音を聴くことが大切ですね。それから、「自分の音を録音して聴く」ことを繰り返すのも重要。可能ならば、プロの音を生で近くで聴いて真似してみることも、いい音に近づく方法です。

Q いい音楽をするために必要なことは?
A 常に、他人への気配りを忘れないこと。同時に、それを自分にフィードバックして、本当にその人のためになっているか考えることが大切です。毎日その日の自分を振り返ることを習慣づけるといいでしょう。私も実行していますよ。

柏市立柏高等学校

市立柏高等学校吹奏楽部 クラリネットパートの写真
明るく個性的なキャラクターが揃ったクラリネットパート。全員がSE-VmasterやIdealなどのヤマハモデルを使用し、柔らかいハーモニーを形づくる

千葉県柏市立柏高等学校吹奏楽部の歴史は、今から31年前に同高が開校したときに開始した。14名からスタートした同部も、現在は部員数は221名の大所帯に。創部当時から牽引してきた石田修一先生の熱血指導によって、1年目に千葉県の吹奏楽コンクールで準優勝。以来、現在に至るまで、吹奏楽コンクールやマーチングコンテストなどで優秀な成績を残している。他に、地元に密着した音楽活動や、シンガポール、中国などへの海外公演も積極的に行っており、そこで得た体験を盛り込み、津軽三味線、揚琴、二胡、大正琴など世界各地の民族楽器、ハンドベル、シンセサイザーを取り入れた彼らのコンサートは、吹奏楽ファンに留まらない多くのファンを持つ。

柏市立柏高等学校公式ホームページ別ウインドウで開きます

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