全国大会にはなんと26回連続出場していて、そのパワフルで豊かなサウンドで知られる東海大学付属第四高等学校吹奏楽部。このサウンドは、彼らの地元北海道の大自然と無関係でないらしい。その秘密に迫るために、まだ涼しさの残る北海道の同校を訪ねた。
※この記事は、月刊誌「バンドジャーナル」2007年12月号~2009年4月号に掲載された内容を一部改定して転載しており、取材当時の内容になります。制作:音楽之友社

東海大学付属第四高等学校 吹奏楽部顧問
井田 重芳先生
「うちのバンドは、北海道の大地のような大らかで雄大なサウンドを目指しているんです」
そう語るのは顧問の井田重芳先生。その言葉のとおり、同校のキャンパスは、周囲が一面の森に囲まれており、空気も美味しく、楽器を練習するには絶好の環境。周囲を気にせずに練習できるので、部員のみなさんは、外でロングトーンなどをする機会が多いという。
「大自然の中で、自然とともに音楽できるのがうちのバンドの最大のメリット。生徒には、とにかく楽に吹くようにアドバイスしています。基本がしっかりしていれば、無理に大きな音を出そうとしなくても楽器が自然に鳴ってくれると」
そうした練習の成果は、普門館のような大きな演奏会場に行ったときに見事に発揮される。全国大会に連続26回出場という同校の実績が何よりの証拠だ。
しかしながら、その間にはスランプもあったという。最初は金賞だったのが、銀賞、銅賞と下がっていったらしい。
「実は、そのときまでは、ただひたすら曲を繰り返し練習するだけで、チューニングもしていなかったんです。でも、それではもう通用しなくなった。そこで、ハーモニーディレクターを使ったチューニングや基礎合奏を取り入れたんです。すでにそれを実践していた埼玉栄高等学校の練習を見学するために、生徒全員を連れてフェリーで行ったんですよ。大滝先生には本当にお世話になりました。そこで小澤俊朗先生や中村俊哉先生ともお会いできました。あの体験がなかったら今の四高はなかったでしょう」
良いサウンドを出すためにはどんな楽器を使うかが重要


東海大四高吹奏楽部は、クラリネットだけでなく、他のセクションもヤマハで統一している。「17年前の課題曲がソプラノサックスから始まる曲で、どのメーカーの楽器で吹いても音程が悪かったのですが、ヤマハのカーブドのソプラノにしたら、何の苦労もなくぴったり音程がとれたんです。それからサックスは全部ヤマハにしました」(井田先生)
基礎合奏を導入したら、再び金賞を連続して受賞するようになったそうだ。それと同時に、楽器に求めるものも変わったと井田先生は語る。
「それまで使っていた輸入楽器では、どうしても僕らが目指している北海道らしい雄大なサウンドが出なかった。それでいろいろ試したんです。最初に試したのはクラリネット。ホールで輸入楽器とヤマハのSE -Vをテストしてみたら、ヤマハのほうがはるかに明るく柔らかい音で、ホールいっぱい豊かに響き渡った。他のセクションと見事に溶け込む点も、画期的な印象を受けましたね」
その後、チューバ、ユーフォニアム、ホルンなど、他のセクションも全部ヤマハに変えたそうだ。その結果、バンド全体のサウンドが大幅に変わったという。
「本当に変わりました。普門館に行くと、『四高のサウンドはゴージャスだ』とみなさんから言われます。これは楽器がすごく大きい要因だと思いますよ。うちは打楽器もほとんどヤマハで揃えているのですが、ヤマハの深胴のバスドラムを使ってから、バンドの全体の音が深みのある響きに変わりました」
井田先生は、生徒の楽器やコンディションを常に気にすることが指導者に求められていると力説する。
「良い音がしないときに、ただ生徒を怒っても意味がありません。楽器に原因があるときは、やっぱり楽器を整備しないといけない。以前、別の製品を使っているときは、購入後のケアがなく、楽器のコンディションを良質に保つことが困難でした。そんなとき、ヤマハの方々が他社製品にもかかわらず献身的にメンテナンスしてくれたのが、本当にうれしかったですね」
最後に今後の活動について伺った。
「せっかく北海道らしいサウンドと表現を目指しているのだから、演奏会やコンクールだけでなく、地域と密着した、社会に貢献できる活動も増やしていきたいですね」
クラリネットパートに聞きました!
クラリネットパートは全員ヤマハを使用している。「目標にしているのはキラキラして遠くまで響く音。SE-Vは響きが豊かなので満足しています」、「私が出したいのは柔らかくて明るくて幅広い音。SE-Vは上の音から下の音までよく響いて吹きやすい」、「札響の村松先生の音が目標。SE-Vmasterは音色も音程も合いやすいです」と語るメンバー。


他のパートにもインタビュー!
サクソフォーン
「アルトと、持ち替えでソプラノも吹いています。楽器はヤマハで、アルトはカスタムEX、ソプラノはカスタム875。ヤマハのソプラノは音程が良くて癖がないので、持ち替えたときに合わせやすいですね」
トロンボーン
「OBである読響の桒田晃さんのような美しい音が目標で、近づくことができるように練習しています。使っている楽器は桒田さんと同じヤマハのYSL-882V。吹きやすくて、音色が良いのでとても気に入っています」
東海大学付属第四高等学校

北海道にある東海大学付属第四高等学校は、札幌市内を一望できる高台にあり、周囲は光風園という森に囲まれている。部活動も盛んで、野球部を始めとする運動部の多くは全国大会常連で、吹奏楽部も昭和53年から平成18年まで26回連続全国大会出場(そのうち金賞13回銀賞11回)という偉業を達成している。学校の周囲が広大な森に囲まれているという好環境を活かし、外でのびのびと練習できることから、自然で豊かなサウンドが売り。読売日本交響楽団首席トロンボーン奏者の桒田晃氏を始め、卒業生に多くのプロを輩出している。









