ブロードバンドを有効活用する[Dynamic Traffic Control](RTX1500)

企業ネットワークの「VPN」と「VoIP」を推進

画像 イーサアクセスVPNルーターRTX1500
イーサアクセスVPNルーター
RTX1500
希望小売価格<税込>207,900円
(本体価格 198,000円)

企業ネットワークのブロードバンド化が進み、音声など多様なデータが混在するようになった。ヤマハはこうした新しい局面に備え、10月からイーサアクセスVPNルーター「RTX1500」を発売した。RTX1500は、独自開発のQoSアルゴリズムにより、混在データの効率良いトラフィックを実現する。IP-VPNや広域イーサネットなどの閉域網、インターネットVPNを利用した、統合型のIPネットワーク構築を目指す企業にとって、心強いソリューションとなるはずだ。

閉域網もインターネットVPNでも使えるVPNルーター「RTX1500」

安価で大容量なインターネットVPNの普及に牽引されて、IP-VPN、広域イーサネット、FTTH(光ファイバー)など高信頼性を特長とする閉域網も、ブロードバンド化が進んでいる。
高速化したネットワーク上では、音声、映像、基幹系データ、情報系データなどがまとめて利用される。したがって企業ネットワークの要となるルーターには、ブロードバンド対応やVoIP機能だけでなく、多種の情報が混在して流れる状況に対応して、大容量帯域をより有効活用するための新たな機能が求められているのである。

SOHO/中小規模ネットワーク向けルーター市場で、信頼性とコストパフォーマンスの高さで高い評価を獲得してきたヤマハでは、こうした新しいニーズに応えるため、この10月、新製品のイーサアクセスVPNルーター「RTX1500」を発売した。

RTX1500は、2つの新技術を搭載している。第1は、増大するネットワーク上の情報をコントロールするために、ヤマハ独自のきめ細かいQoSアルゴリズム(Quality of Service)を開発したこと。第2は、ショートパケット時のルーティング性能を大幅に強化したことだ。これにより、IP電話やテレビ会議等を途切れなく利用できるネットワーク環境が実現できる。
通常、ショートパケットはロングパケットに比較してルーティング性能が低下する。しかし、音声や映像データでは、リアルタイム性を確保するためにショートパケットが用いられる。そこでRTX1500は、ルーティング性能の大幅な強化により、片方向のみならず、双方向でのショートパケットのスループット高速化を追求したのだ。

ヤマハ独自のQoSアルゴリズム「Dynamic Traffic Control」

RTX1500で最もユニークなのは、第1に挙げた自社開発のきめ細かいQoSアルゴリズム「Dynamic Traffic Control」である。
QoSとは、流れるデータの種類や通信の目的に応じて最適な帯域割り当てを行うことで、それぞれの通信に求められるレスポンスやスループットを確実に確保するための技術のことである。

従来のQoSは、優先制御と帯域制御という概念が一般的だった。

優先制御とは、データの性格に応じて優先順位を設定する方式である。問題点は、優先順位の低いデータが犠牲になってしまうことだ。例えば、基幹系の入力が集中する夕方には、情報系のメールのレスポンスが著しく低下するといった事態を招くケースもある。

これに対して帯域制御は、データごとに保証帯域を設定する方式である。トラフィックが増大しても、最低限のレスポンスはすべての種類のデータに対して保証される。ただし、こちらも空いている帯域を別種のデータに流用できないため、ネットワークの利用効率が悪くなる傾向がある。基幹系データがまったく流れていないときでも、情報系データは定められた保証帯域を超えることができない。したがって、常にネットワークのかなりの容量が利用されることなく、「無駄」が発生してしまう。

ブロードバンド帯域の有効利用を実現

エンドユーザーに支持されないQoSや、効率の悪いQoSでは、多種データが混在する統合型のIPネットワークを有効に活用していくことはできない。

そこでヤマハでは、独自のQoSとして「Dynamic Traffic Control」を開発した。
Dynamic Traffic Controlでは、帯域制御と同様に保証帯域を設定するが、決定的に違うのは、空いているときにはどの帯域をどの種類のデータが流れても良いという臨機応変なQoSであることだ。つまり、帯域制御に比べて格段に、ネットワークの利用効率が高いのである(図1参照)。

図1:ヤマハ独自のQoSアルゴリズム「Dynamic Traffic Control」

保証帯域は常に確保しつつ、剰余帯域を有効活用できる融通性の高いQoSアルゴリズムを搭載

通常は保証帯域が確保されているので、基幹系データやVoIPがたくさん流れている場合でも、情報系データのやり取りは行える。さらに、VoIPデータが保証帯域以上に流れているときに、情報系データのトラフィックが減ってくれば、空いた領域をVoIPデータが自動的に利用する。
もちろん、情報系データの流れが発生すれば、速やかに情報系データの保証帯域が確保できるし、Dynamic Traffic Controlは、保証帯域を確保するため、帯域が大きく変動する情報系データから、クリティカルな音声系データや基幹系データを守るという機能を果たす。しかも、データ量に応じてダイナミックに帯域をコントロールするため、ブロードバンドをこれまで以上に効率よく有効活用できるのである。

加えて、Dynamic Traffic Controlは、メインCPUとは別のプロセッサを搭載し、専用にチューニングされたソフトウェア処理によって、高速かつ高精度なQoS処理を実現する。

バックアップ・ソリューションで信頼性の高いネットワーク構築

図2:RTX1500で柔軟かつ信頼性の高い
ネットワーク構築が可能
図2:RTX1500で柔軟かつ信頼性の高いネットワーク構築が可能
メイン回線に閉域網を使い、回線障害時には
ISDN回線でバックアップ

Dynamic Traffic Controlなどの画期的な新技術を採用しているうえに、RTX1500は、これまでのRTXシリーズで多くのユーザーから支持されてきた多彩な機能を継承している。したがって、さまざまな回線、さまざまなサービスを組み合わせて、柔軟なネットワークを構築可能だ。

たとえば、閉域網サービスとRTXシリーズならではのフローティング・スタティック機能やネットワーク・バックアップ機能を組み合わせることができる。メイン回線にはIP-VPN/広域イーサネットなど信頼性の高い閉域網サービスを使いつつ、回線障害時にはISDN回線でバックアップすることで、可用性の高いネットワークを構築できるのである(図2参照)。

現在閉域網サービスを使用している企業では、新たにインターネットVPNを併用して帯域拡張を実現することもできる。機密性の高い基幹系データは従来通りに閉域網サービス、VoIPや情報系データはインターネットVPNを利用するのである。

RTX1500を用いると、IP-VPNや広域イーサネットなどの閉域網とインターネットVPNを組み合わせて、信頼性が高く、ネットワーク効率も高い統合型のIPネットワークを構築できる。RTX1500は、Dynamic Traffic Controlやショートパケット時のスループットを大幅に向上させることで、閉域網を含むブロードバンドの有効活用に強力なソリューションを提供するイーサアクセスVPNルーターなのである。

出典:日経BP社「日経NETWORK」

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