Nathan East(ネイザン・イースト)
使用機材
- BB-NE II オリジナル仕様
- BB-NE II (PU位置違いA)
- BB-NE II (PU位置違いB)
- BB-NE II キルテッドメイプルトップ
- BB-NE II 6弦仕様
世界のトップベーシストとして名を馳せるネイザン・イースト氏を迎えて、東京・渋谷にあるヤマハARTのスタジオにおいて、エバリュエーション ミーティングが行なわれた。
エヴァリュエーションとは、さまざまなセッティングの機材を用意してミュージシャンにチェックしてもらい、その後の製品開発に役立てるための評価ミーティングのこと。今回はネイザン・イースト氏のシグネチャーモデルBB-NE IIのピックアップ位置の違いによる音色評価などを中心に実施された。
当日用意されたのは、現在市販されているシグネチャーモデルBB-NE IIのほか、ピックアップの位置が異なる2本と、キルテッドメイプル材をボディトップに使用した試作モデル、そして通常は5弦であるBB-NE IIの6弦バージョンだ。
BB-NE IIのピックアップ位置の違いによる音色評価
エレクトリックベースの音色を決定付ける大きな要素である、ピックアップの取付位置によるサウンドの変化と、それぞれの特長をチェック。ネイザン氏なりの観点からの意見をもらった。
それぞれに特長のあるサウンドで、「このサウンドならこういった曲調に合いそうだ」と、演奏スタイルを変えながらニュアンスの異なる各モデルを徹底的に比較チェック。最終的な結論としては、現代的であり倍音構成の綺麗な現行製品の仕様が一番だと評価した。
また、ネイザン氏は今回のチェック方式に関し、ピックアップの位置だけを変えて音色を比較するというアイディアに非常に興味を持った様子。結果的には、商品仕様が最も彼には馴染むという評価ではあったが、色々な音楽のジャンル等に合わせて、各バリエーションを試してみたいとのコメントも得られた。
BB-NE IIキルテッドメイプル仕様の音色評価
ヤマハ開発陣からのネイザン氏に対する新たな提案として、基本仕様を変えずにトップ材だけを杢目の美しいキルテッドメイプルに変更したサンプルを試作、チェックを依頼した。本人仕様のハードメイプルトップと違い、キルトはやや軽く、柔らかいソフトメイプルであるが故に、サウンドの違いが彼に受入れられるかが興味深いポイントであったが…
トップ材によるサウンドの違いに関し、彼は「(軽く柔らかい材ならではの) 倍音成分が非常に美しい」と評し、すぐにでもステージで使いたいとコメント。彼が長年気に入って使っている、ヤマハモーションベースに非常に音色が似ているとの事であった。※なお、このプロトタイプは、後日エリック・クラプトン日本公演においてメインで使用された。
BB-NE II 6弦仕様の音色評価
ネイザン氏は現在、6弦でプレイする際にはヤマハTRBを使用。今回、ヤマハから彼のトレードマークともなったBB-NE II同様のデザイン・サウンドコンセプトを採用した6弦プロトタイプを製作し、提案した。
使い慣れているTRBとの比較で、ボディがコンパクトになりブリッジ部の弦間ピッチが狭くなったため、非常に弾きやすくサウンド的にも申し分ないとの高い評価が得られた。