長崎県・奥田学園創成館高等学校
※この記事は2010年時のインタビューです。
吹奏楽部の紹介をお願いします。
当部は私が赴任した17年前にゼロから創部しました。創部時は部員8名のスタートで、1年がかりでやっと校歌が演奏できる様になった事が懐かしい思い出の一つです。現在、長崎県吹奏楽コンクール10年連続11回の金賞受賞、うち九州大会に3回出場しています。マーチングは1年前に始め、平成21年度は33名の決して多くない部員数で活動しました。部のモットーは「人間性=音楽性」です。
マーチングを始めたきっかけは?
私は音楽大学卒業後、演奏家として活動していた経験もあり、座奏でちゃんと演奏するのが大事であると考えていたので、マーチングをやる気などまったくありませんでした。本校は長年に渡り、少人数で活動してきまして、部員増加と、学校に新しい風を吹き込みたいと思うようになり、昨年辺りから、考えもしなかったマーチングを意識し始めました。また、マーチングをやる事により、生徒の自主性がもっと高まるのではないかという期待もありました。
昨年1月ぐらいから、マーチングをやるかどうか真剣に悩み始めた時に、長崎県高校マーチング界のトップを走る県立佐世保東翔高等学校の遠藤克子教諭より、玉名女子高校と合同練習会をやるから合流するようお誘いを受けました。参加してみたところ、玉名女子の顧問である米田先生の「マーチング活動には教育的意義がある。」との言葉に感銘を受け、合同練習中の生徒の前で「マーチングをやります宣言!」をしてしまいました。
学校に戻ってすぐに保護者会をひらき理解を求めたところ、全員から「是非お願いします」との心強い返事をいただきました。その後、生徒にやる意思を確認したときには、目をきらきらさせてうれしそうな顔をしてわたしの話を聞いてくれたのです。
遠藤先生よりマーチング指導者:池田理恵先生を紹介していただき、今に至るまでお世話になっています。
いろいろな苦難はありましたが、昨年初めて吹奏楽連盟のパレードコンテストに参加しました。
最初は体育大会のエキシビションのために練習していたのですが、周りの指導者の方々に参加を勧められ出てみたところ、県マーチングコンテスト初出場でいきなり県代表、初出場の九州大会においても金賞を受賞し、4月から10月までの半年間の「キセキ」に、生徒たちも大きな感動と自信を得ることができました。
日頃のマーチングの練習は、短い時間でも必ずやるようにしています。また、座奏でもロングトーンは必ず足踏みを付けてやっています。
また、音が硬くならないようにおなかの支えを常に意識した練習をして、良いサウンドを心がけています。
ヤマハの楽器の良いところを教えてください。
ヤマハの製品に対しては大変信頼しています。音の良さにはびっくりしていますが、特に打楽器は素晴らしいですね。打楽器の音には大変こだわりがあり、コンサートスネアに近い音が欲しくヤマハ特約店の横浜屋さんに相談して、特注スネアドラムを作ってもらいました。これは大変気に入っています。また、マーチングバスドラムもコンサートバスドラムの様な深みのある低音が出るので満足しています。購入して大正解です。
マーチングならではの効果や楽しみとは?
第一にテンポ感がとても良くなり、合奏のときの音の縦・横が合わせやすくなりました。そして、これが一番大きいと思うのですが、普段あまりしゃべらないこどもたちが意見を言い合うようになってきた事です。演奏、演技で気付いたところを先輩後輩に関係無くお互いに言い合えるようになったので、いろいろな活動でプラスになっています。また、マーチングをやることにより基礎体力がついてきました。今では生徒が自分たちで工夫してマーチングに必要な体のトレーニングもやっています。とにかくマーチングに取組み、良いことだらけ「百利あって一害無し」です。始めるにあたり、お金の心配をしましたが、マーチングをやっている学校さんは、皆さんお互いにとても協力的で、アドバイスや楽器のお世話などいただき、とても歓迎された空気の中で始めることができました。当校はまずマーチング用打楽器だけを揃えて活動しています。最初は不安でしたが、無理にお金をかけなくても結果は出せるということですよ。最後に、マーチングを始めて、この一年で最も変わったのは、本番の回数が激増した事、そしてそれにより、生徒達が本当に真剣に練習するようになったことです。