玉名女子高等学校 米田真一先生

バンド紹介をお願い致します。

1966年(昭和41年)に創部、「良い演奏は良い活動から生まれる!」「玉女らしさあふれる音楽創り!」をモットーに、日々練習に励んでいます。活動内容は幅広く、校内行事をはじめ各種催しや地域行事、各種コンクール(吹奏楽・マーチング・アンサンブル)等に参加、「皆さまに感動していただける演奏」を目標に活動を展開しています。
また、音楽を通しての国際交流にも積極的に取り組んでおり、アメリカ・アイオワ州で開催されているグレン・ミラーフェスティバル(ジャズフェスティバル※これまでに13回公式招待)や、ワシントン州シアトルでの特別演奏会などにも参加、幅広い音楽観の育成と交流を行っています。

*これまでの大会成績(全国大会のみ)
全日本吹奏楽コンクール (11回)
*金賞受賞 7回(7年連続)、全日本吹奏楽連盟特別表彰受賞1回
全日本マーチングコンテスト (22回) ※九州支部で最多出場
*金賞受賞18回(10年連続)、全日本吹奏楽連盟特別表彰受賞3回
全日本アンサンブルコンテスト(10回)
*金賞受賞 2回
*6年連続三冠達成!!
三冠 = 全日本吹奏楽コンクール・全日本マーチングコンテスト・全日本アンサンブルコンテスト 3大大会
*九州初!!
平成28年度・平成30年度 吹奏楽連盟主催3大大会すべての大会において金賞受賞!

その実績を評価され、国民文化祭(大分大会)(広島大会)(山梨大会)に招待、第14回西日本バンドフェスティバルの出演、第45回日本吹奏楽指導者クリニック(2014 JAPAN BAND CLINIC)にモデルバンドとして出場しています。
また、第1回熊本県民文化賞、熊本県高等学校文化連盟優秀芸術文化賞(幾多)等を受賞しています。学校部活動で唯一、玉名市百選にも選ばれております。

先生のプロフィール

1969年生まれ。熊本県出身。1988年、武蔵野音楽大学音楽学部器楽学科(ホルン専攻)に入学。在学中、故田中正大(元NHK交響楽団主席ホルン奏者)に師事。1992年より玉名女子高等学校に音楽科教諭として着任し、吹奏楽部を指導。全日本吹奏楽コンクール10回(7回の金賞受賞)、全日本マーチングコンテスト19回(17回の金賞受賞)、全日本アンサンブルコンテスト10回(2回の金賞受賞)の出場を果たし、全日本吹奏楽連盟より4回の特別表彰を受ける。また、玉名女子ウインドアンサンブル(卒業生の吹奏楽団)の音楽監督も務め、平成23年度には3年連続全日本吹奏楽コンクールの出場を果たし、特別表彰を受ける。その他、平成22年度文部科学大臣優秀教員表彰、熊本県私学振興大会文化活動指導者表彰。熊本県吹奏楽連盟特別理事。

マーチングとの出会いをお聞かせください。

中学三年生の時、体育祭でパレードとマーチングドリルを初めてすることになりました。
男子部員も少なく身長も高い方だったので、ドラムメジャーをすることになりました。
高校入学後1年生の時に、熊本県選抜吹奏楽団でヨーロッパ遠征に行きマーチングドリルを披露しました。
これが学生時代のマーチングとの出会いです。

指導をされる上で気を付けているポイントは何ですか?

マーチング初心者の割合が多くて、部員の8割はマーチング初心者という状況になっているので、
「私たちにマーチングできるのかな?」といった不安と共に入ってきます。
本人たちの「壁」にならないように、意識しています。
初心者の生徒にマーチングは《音楽》ですか?《スポーツ》ですか?と質問したところ、迷わず《スポーツ》と返ってきました。
《音楽》という概念でマーチングをとらえていなかったんです。
本来マーチングは音楽的要素とスポーツ的要素の両方含んでいるので、どちらかに限定することはむずかしいですが、初めてする子からするとどっちかとなると《スポーツ》という風に感じてしまうのでそこを払拭して、音楽活動の一環の中にマーチングが存在しているということを意識して指導していくようにしています。

練習場所や練習方法で工夫されていることはありますか?

皆さんも苦労されているかと思います。
本校もグラウンドは非常に狭くて、放課後はソフトボール専用の練習場となり広い場所がありません。
以前は市役所横の公園で練習していましたが、現在玉名市民会館に建て替わり練習ができなくなり、昨年から市の調整池を使用させていただいています。ただ雨が降ったあと2~3日は使えなくなります・・・。
未だに練習環境を確保するのは苦労している状況です。

コンクールとマーチングを両立する方法とメリットをお聞かせください。

1年間を通して子供たち自身が両方やる方がいいんだと気づくところはありますが、
コンサートにおいてのメリットは、部屋の狭いところだけで練習しないのでサラウンドに響かせるイメージが付くことがマーチングをする1つのメリットだと思います。
よくマーチングをすると音が荒れると言う方がいますが、荒れない音でちゃんと響きを作る練習をすればいいだけだと思います。実際マーチングをやっているからと言って音が荒れたことはありません。前もって子供たちに「こういった音を作りたいんだ」ということを日頃から伝えることがいいと思います。
マーチングにおけるメリットは、配置によって様々な楽器とのアンサンブルを行うことが出来るということがまずあげられると思います。座奏だと一定の場所でのアンサンブルになりますが、聴かせたい楽器・楽器群の配置(ポジショニング)を変えることによって音響効果を変えることが出来ることが最大のメリットかと思います。コンサートよりもマーチングの方がより立体的な音楽づくりができるかと思います。
吹奏楽コンクールでもマーチがよく演奏されますが、足を踏みながら練習することにより一定のテンポを共有でき、体の中にリズム・テンポが身につく点も大きいメリットかと思います。
コンサートの練習の時も、立って足踏みや前進しながらの練習も取り入れています。
日頃の全体基礎トレーニング(ロングトーンなど)の際も、全員屋上で30分していますが、全メニューの中にマークタイムを入れています。
普段からすることで、ビート感も身に付き体を動かしながら吹く事にも慣れるので実際マーチングで動く時も負担になりにくいと思います。

ヤマハの楽器のいいところをお聞かせください。

まず私はホルンを吹いているのでホルンの事になりますが、世界中にメーカーはたくさんある中でも、ヤマハの楽器はクオリティが均一なので安心して使用できるし購入もできます。
また国内のメーカーなのでメンテナンスがしっかりしているので、何かあったときの対応も早く大変安心しております。
マーチング打楽器に関しては、様々なバンドの音も聞いたりしますが、吹奏楽と両立した配慮した音を作りやすいのもヤマハの特徴なのではないかと思います。

これからマーチングを始める方、指導される方へメッセージをお願いいたします。

自分がやったことのないという不安で構えてしまうと思います。これをどう払拭するかというところからスタートする必要があるかと思います。 初めから上手なマーチングを見せてしまうと、あんなのできないとシャッターを降ろしてしまうので、無理な動きを伴うマーチングではなく、吹連が提唱している「動くコンサートバンド」の形から入る事。
先生も初心者の方・未経験の方も多いと思うので、無理なく楽しめる範囲からはいっていただければと思います。
実際熊本県吹奏楽連盟の方でマーチングの担当理事をやっていますが、初心者からできるマーチング指導法の講習会も行っています。モデルバンドの学校に今やっている曲をいただき、この曲でマーチングをやってもらうことにより、負担を少なくしてその場で実践してもらい、これだったらできるというような感覚を持ってもらいました。
今年2年目で全国大会に出場したバンドもあります。この団体は私たちがそこで演奏会をした際に、マーチングの楽器を一切使わないステージマーチングをしました。公開練習から顧問の先生に見ていただき、その先生はその後ステージマーチングから入り、どんどん興味を持たれどんどんレベルアップもされてきました。
なので子供たちに音楽の表現の仕方がこんな風に動きを伴うことによって多彩になるし、楽しくなるし、立体的になるんだというのを経験してもらうそういう機会を設けることが大切だと思います。
無理なく体を使って音楽表現をできるのがマーチングだと分かってもらえると、取り組みやすいと思います。
マーチングの楽器がない、広い練習場がないという理由でマーチングを取り組まれていない団体さんも多いかと思います。だからこそマーチングの楽器を使わないマーチングを導入にはお勧めします。(マーチングステージ)
それが出来たら、次はパレーディングへと少しずつ一歩ずつ楽しみながら進んでいただければよいかと思います。
私も指導を始めたころはマーチングが好きで始めましたが、大嫌いになった時期もしばらくありました。ですが自分で1歩踏み込んだり、様々な出会いや機会に触れることで大きく変わっていきました。今ではマーチングはもちろん大好きです。