出雲北陵高等学校 竹内康貴先生

バンド紹介をお願い致します。

平成3年に創部され、現在まで全日本吹奏楽コンクール全国大会へ13度の出場を果たしている。日本管楽合奏コンテスト全国大会へも4度の出場を果たし、平成22年には高等学校全部門を通じて第1位となる最優秀グランプリ賞並びに文部科学大臣奨励賞を受賞した。加えて全日本アンサンブルコンテスト全国大会へも3度の出場を果たしている。
近年はマーチングにも活動の幅を拡げ、ステージドリルやパレードなどに取り組んでおり、全日本マーチングコンテスト全国大会に8度の出場を果たしている。
こうした各種大会への出場のほか、年に2度の自主公演(定期演奏会・ウインターコンサート)を開催。また依頼演奏に積極的にも出掛け、地域に愛されるバンドを目指して日々活動している。

学校HP  https://izumohokuryo-h.ed.jp/

先生のプロフィール

昭和54年、島根県に生まれる。
出雲北陵高等学校音楽コース、くらしき作陽大学音楽学部音楽学科、同音楽学部音楽専攻科修了。
平成16年より出雲北陵高等学校に赴任し、現在に至る。
マーチングバンド1級指導員

マーチングとの出会いをお聞かせください。

出会いは中学生のときですね。中学2年生のときにねんりんピック(全国健康福祉祭)でマーチングをしたのが初めてです。その時に「Fire Storm」と「Trooper Salute」この2曲は今でも覚えています。
そこからしばらくマーチングはしていなくて、教員になってうちにきてから本格的にマーチングに携わるようになりましたね。

指導をされる上で気を付けているポイントは何ですか?

まず生徒がマーチングを嫌いにならないようにというところは気を付けていますね。元々好きで入ってくる生徒も多いですが、とにかくマーチングを好きになってもらうようにというのがまず一つ。
それから、マーチングは音楽の一ジャンルだと思うので、良い音で音楽表現をするということを忘れずに指導しています。
動きやフォーメーションに関しても、派手でトリッキーなものよりも、基本的なことが丁寧にできるよう指導しています。
あとは生徒同士でも自主的にできる時間をつくったり、お互いが高められるよう気を遣うようにしています。

練習場所や練習方法で工夫されていることはありますか?

近くの体育館で練習する際は保護者の方が取ってくださっています。
とても協力的に動いてくださるので、本当に感謝しています。
普段の基礎練習などは子供たち自ら学校の敷地内で場所をみつけて練習するようにしています。
唯一工夫したのは、僕がバスの免許を取得したくらいでしょうか。
近くの体育館まで10kmの片道を3往復くらいでしょうか?それだけで2時間はかかっていたんですが、最近は保護者の方も集まっていただき送迎のお手伝いもしていただいています。本当に恵まれていると思います。
その体育館も会場を取るのに朝8時半から並ばなきゃいけないので、保護者の方の中の会場を取る係の方が動いてくださっています。
なので僕自身も保護者の方から良いプレッシャーをもらいながら指導に集中することができています。
普段の練習から1人ずつは見るようにしています。基礎練習のところから見るように心掛けています。

コンクールとマーチングを両立する方法とメリットをお聞かせください。

メリットはまずマーチングは隠れられないということですね。どんな子でも出る以上は見えてしまうので。そういった意味では、子供たちは失敗したくないから始まってどんどんやっていく中で自分の役割が分かってきて、責任感が出てくると思います。
マーチングすることによって見られている意識というのは大きくなると思います。そこはすごいメリットだと思います。
他には、歩くということはすごくいいことだと思います。いわゆるビート感が出てくるので。
授業していても吹奏楽していても思う時がありますが、最初にビート感がなく音楽していることが多いと感じます。すごく複雑なリズムなのにビート感が無く、聞き覚えちゃうんですよね。どういうリズム感なのか分からずタイミングで取っちゃっているので、人と合わせられないのです。僕の中でこれはすごく問題だと思っています。
足踏みが合わないんですよね、最初は絶対。これは合わないんじゃなくて、ビートの感覚が無いからだと思います。
ただ瞬時に人に合わせる、瞬発力が高いですよね。今の子。人がやったことに瞬時に合わすみたいな反応はものすごく早いんですけど、自分でそれを作っていくっていう事はほとんど出来ないですね。そこを教えるのにすごく苦労しますが、マーチングは否応なしにしないといけないので、座ったら吹けるのに、歩くと吹けないっていう状態から一年生はスタートしていますね。難しいリズムの曲は吹けるけど、歩きながらっていうのは全然できなくなるので。それは動くからとかじゃないんですよね。感覚が分からないというか、ビートに対するリズムの譜割が分かってないだけで、そういったことを理解させるにはすごく音楽の基礎的な要素をトレーニングするうえでもいいと思います。音楽の基礎が身体で分かるというのも、一役買っていると思いますね。
あとは、音が合うか合わないかは、耳を訓練しないといけないのですごく大変なんですけど、目ってずっと使っているので動きは分かりますよね。合っているとか合っていないっていうのはどんな子でも。なので合ってないという意識に行くのはすごく良いですね、合ったら「きれいになった!」とか「昨日よりきれいだ!」となると、じゃあもっとこうしてみようというサイクルに行きやすいと思います。
コンクールとマーチングじゃないんですが、地域の方や皆さんに聞いていただいて『いいね!』って言ってもらえたり、一緒にいいねを共有できると思います。音楽にあまり触れてない方とでもマーチングだと触れ合え、すごく見てもらいやすい、応援してもらいやすい表現方法なので、そういった意味でもバンドとしてのメリットがすごくあると思います。マーチングのいいところは全員で大きい表現が出来るというか、耳だけじゃなくて動きも加えているので、より表現が大きくできるところはマーチングの魅力ですよね。

ヤマハの楽器のいいところをお聞かせください。

ヤマハさん、ものすごく精度が高いですね!
あとはアフターケアもすごくいいと思います。すごく人間的にも楽器だけじゃなくてそこに携わっている方々にも、すごく信頼がおけるのでそこもいいですよね。
更に、音がいいですよね。子供達も扱いやすいし、自分もトランペットを吹いていますが絶対ヤマハですもんね。
特にバッテリーなんかは自分たちの音を作りやすいです。ヤマハの楽器は自分の色になってくれやすかったり、主張するところは主張してくれる、楽器としてのキャパシティが広いって感じですかね。全幅の信頼を置いてる感じです。

これからマーチングを始める方、指導される方へメッセージをお願いいたします。

僕がそんな偉そうなことを言う話ではないのですが、子供たちと一緒にやりましょう!一緒に楽しみましょう!って感じですね。
マーチングを始めたことによって失敗したと思うことが無いんですね。
始めるのが大変だと思っている方が多いと思うんですよね。ですが、大変なことをすることによって、自分が成長できると思うんですよね。
多分場所が無い、楽器が無い、とかそういうことだと思うんですね。ただ、それって工夫次第でいくらでも何とでもなると思うので、まずは怖がらず一歩踏み出してみてはいかがでしょうか。
そこが出来るように工夫すれば自分のスキルも上がっていくし、周りの方、保護者の方も助けてくれると思います。楽器屋さんも協力してくれる、楽器はリースもできる、そういうところをうまく活用していければいいと思います。
やってみると変わると思うんですよね。ちょっと動きを取り入れてみるところから始めて、出来たら次はパレードをやってみたり。学校を練り歩いたりとか、近所を練り歩いたとか。地域の地区民体育会の最初に入場行進曲演奏しながらトラックを歩いたとか。そうしたら周りからの応援もきっと得られるとおもいます。
初めは5メートル8歩も気にしなくていいと思います。練習するうちに「ここを揃えると綺麗に見えるよね!かっこいいよね!」という感じになってくると思いますよ。
是非怖がらずに、子供達・生徒達と一緒に楽しみながら取り組んでみてください。