滝川第二高等学校 西谷尚生先生

バンド紹介をお願い致します。

私たちの学校は神戸市西区の西端に位置し、南には明石海峡、北には六甲山系を臨む豊かな自然と広大な敷地の中にあります。
吹奏楽部の活動は、年1回の定期演奏会を始め、コンクールや依頼演奏など様々な演奏の機会を頂いており、常に「感謝の気持ちを大切に」をモットーとして、演奏できる喜びと、私たちを支えてくださる全ての方々に感謝し、情熱を持って日々努力しております。
滝川第二高等学校 吹奏楽部  http://t2wo.jp/

先生のプロフィール

大阪音楽大学 音楽学部 器楽学科 テューバ専攻卒業
同大学教育助手を経て、同大学非常勤講師として勤務
平成8年より滝川第二高等学校に勤務
神戸市吹奏楽連盟常任理事

マーチングとの出会いをお聞かせください。

中高生の時に吹奏楽はやっていましたが、マーチングは未経験でした。存在すら知らなかったです。
滝2に来て25年経ちましたが大学での教鞭活動はあったものの、高校生を指導するのが初めてで色々と吹奏楽事情について調べていたところ、赴任して1~2年目の頃にマーチングを始めてみようと、主顧問の先生から提案があり、全く知識のないところから手探りで一緒に始めました。
その当時、神戸市の中学校の先生から情報を得たり、周りの活動している学校の演奏を見たり聞いたりして進めてきました。
吹奏楽活動をしていく上でマーチングの活動は「生徒の自主性」を上げる意味でも役立つのでは?と思い始めました。
とりあえずやってみよう!という挑戦からスタートしました。

指導をされる上で気を付けているポイントは何ですか?

まずちゃんと演奏が出来る事。登り方は自由だが頂上にはちゃんとした演奏が出来ていないと意味がないと思い指導しています。
生徒たちは楽しい方へ行くことが多く振り付けを考えるのは楽しそうですが・・・
全ては演奏あってのことと思っています。そこにプラスαで動きがあることでより高まると思っています。
動きだけにならないようにバランスを見ながらの指導をしています。
また指導スタッフや生徒との意思疎通があってそのバランスが保てると思います。
OBOGが指導者になって母校に帰ってきてくれているので、意思の疎通はしやすいですね。意思疎通は日ごろの部活動の運営にも非常に役立っています。
そして何事もちゃんとポリシーを持ってやること!決して無理せず活動するのが一番だと思います。

練習場所や練習方法で工夫されていることはありますか?

西神ニュータウンの真ん中にあるので住宅地の中に学校があるという環境ですが、学校の方が先に出来ていることもあり他の学校に比べて比較的やりやすい環境だと思います。ただ体育館は無いので外部の体育館を借りるのには苦労はしています。
さらに合奏場も無いので基本運動場で練習しています。これはマーチングの時だけではなくオールシーズンです。さすがに木管楽器の子たちは食堂や個別教室を借りたりしながら練習しています。
でも外で練習することで精神力も鍛えられていると思います。
朝の練習は自主性に任せて強制練習はしていません。1番学校まで距離のある子が始発に乗って間に合うくらいの時間からスタートするというルールは設けています。
マーチングの動きの練習も筋トレもオールシーズン、生徒が曜日を決めて基本的に全員で取り組んでいます。
上級生が下級生とペアになってしています。全て子供たちが考えてやっているので目指した「自主性の向上」に確実につながっていると感じています。
全員が考えるのがベストですが、責任を任された部員を中心にどんどん成長していくと思います。

吹奏楽連盟とマーチング協会の両大会に出場されるメリットなどあればお聞かせください。

これまで吹奏楽連盟のマーチングコンテストにしか出場していませんでしたが、部員数増に伴ってマーチングバンド協会の大会にも出場するようになりました。
ピットパーカッションが入ることで音楽表現の幅が広がり、こうしたいという場面での自由度が増えたように思います。
逆にパレードコンテストが寂しく感じるくらい。ティンパニ持って、マリンバ押して歩いてほしいと思うくらいです。笑
でもパレードコンテストは規定演技があるからこそ、マーチの基本的なところを意識できることで美しい動き、演奏が出来る点は大きいと再認識しましたね。
特に打楽器に音楽を感じられるはすごく大きなポイントと思っています。テクニックに走ってしまいがちですが、そこに音楽があるのか?ということを大事にするよう指導もしています。

ヤマハの楽器のいいところをお聞かせください。

ヤマハの良さは管楽器も打楽器もそうですが、打楽器に関しては扱いやすさと国内のメーカーならではの品質の高さ、種類の豊富さじゃないかと思います。
スクールバンドで1番大事なところでもある、普通に吹いてちゃんとした音程で鳴ってくれるというのが強い印象ですね。
打楽器もアンサンブルを意識した音色だと思います。

これからマーチングを始める方、指導される方へメッセージをお願いいたします。

難しい・しんどい・敷居が高いと思わずとにかく始めてほしいと思います。
滝川第二高等学校でも入部する生徒の約半数が未経験者です。でも卒業する頃には、その未経験者がコンテを描けるくらいまで成長します。嫌だったらそこまで成長しないと思いますよ。
また見て分かりやすいので、保護者の方をはじめ、地域の方やいろんな方からの応援も得られやすいと思います。
いきなり難しいことはしなくても大丈夫です。体育祭や文化祭で披露できるような、前行って後ろ行って右行って左行ってみるような簡単な少しの動きから取り組み始めてみてください。
見て思う事よりも、実際にやってみて分かることの方がマーチングは特に多いと思います。
コンテストで勝つ!とかも大事ですが、ちょっとした演奏会でパッとマーチングをすることで華やかさも変わりますし、なにより子供たちがしっかり反応してくれます。
子ども達が楽しく取り組んでくれる反応が見られると思います。
まずは勇気を持って一歩を踏みだしてみてください。