東海大学付属高輪台高等学校 畠田貴生先生、島川真樹先生

バンド紹介をお願い致します。

1972年創部。部訓「自分に自信、友に信頼、人に感謝」。
これまでに全日本吹奏楽コンクールに16回出場し、11回金賞を受賞。全日本マーチングコンテストに8回出場し、4回金賞を受賞。2022年はアンサンブルコンテスト、吹奏楽コンクール、マーチングコンテストのすべて大会に、東京代表として全国大会に出場をしました。その他にも、隔年で海外演奏旅行を行うなど海外との交流も活発であり、2019年3月には、オランダ(アムステルダム)、ドイツ(コブレンツ)、オーストリア(ウィーン)への演奏旅行を実施し、コンセルト・へボウやウィーン楽友協会ホールにて特別演奏会を開催。
2021年2月には高輪台高校吹奏楽部史上初となるサントリーホールでの単独公演を開催しました。
日本テレビ「逆転!学べるスクール」「24時間テレビ」、テレビ朝日「題名のない音楽会」「関ジャム完全燃SHOW」「MUSIC STATION」「芸能人格付けチェック」「THE鬼タイジ」などメディアへ出演多数。
2020年新型コロナウィルスの影響による休校期間中のリモート合奏や感染拡大予防への取り組みなどが日本テレビ「news every」、NHK「週刊まるわかりニュース」等で取り上げらました。
2023年度スローガンには『邁進~一心不乱の努力~』を掲げ、演奏を聴いてくださる全ての方々へ“夢”を与えられるような演奏を部員全員が一丸となって目指しています。

先生のプロフィール

畠田貴生先生
1971年北海道出身。1993年早稲田大学理工学部卒業。
1994年東海大学付属高輪台高等学校に理科の教員として勤務、吹奏楽部の指揮者に就任。
2002年~2022年までに東海大学付属高輪台高等学校と東京隆生吹奏楽団の指揮者として、全日本吹奏楽コンクール全国大会に27回出場し、20回金賞を受賞した。2019年には全日本吹奏楽連盟より「長年出場指揮者」として表彰を受ける。
東京佼成ウインドオーケストラ、なにわ《オーケストラル》ウィンズの客演指揮者や、ウィーン楽友協会ホールをはじめとする、海外ホールでの演奏会に指揮者として出演。
現在、全日本高等学校吹奏楽連盟常任理事、21世紀の吹奏楽「響宴」会員。


島川真樹先生
東海大学付属高輪台高等学校吹奏楽部 顧問
東京隆生吹奏楽団 団長

マーチングとの出会いをお聞かせください。

島川先生) 高校時代に文化祭で少しマーチングをするくらいの経験はしていました。
本格的に始めたのは本校に勤め始めてからになります。そこをきっかけにマーチングに関しても勉強するようになりました。

畠田先生) 小学生の時、特設音楽クラブで運動会にマーチング(パレード)をしたのが初めの出会いになるかと思います。中学校はほとんど経験せず、高校生の時に習志野高校さんの定期演奏会のステージマーチングを初めて見たときはびっくりしたのは今でも覚えています。
本校は2000年あたりからマーチングを始めました。
部員数も増えてきているところで、中には中学時代にマーチングを経験し全国大会に出場していた生徒もいました。当時のその生徒から、「高輪台でもマーチングをやりませんか?」と提案され、当時私はマーチングコンテストなど大会を観たこともなく分からなかったので、生徒からDVDを貸してもらい観始めました。
そこからまずは、コンクールのA編成でないメンバーでやりたい生徒達でやってみようとなり、マーチングを始めていきました。
吹奏楽コンクール3年連続出場制度最後の年(2013年)に当時の3年生からマーチングの全国大会を目指したいという話が出て、そこから本格的に始めました。

指導をされる上で気を付けているポイントは何ですか?

島川先生) 生徒主体で進めることを1番のポイントとしています。
もちろん分からないことは大人がアドバイスするようにしていますが、吹奏楽と違い目に見えて間違いが分かったり、目に見えるから注意しあえるところがマーチングの特徴でもあると思うので、演奏も含め縦横を合わせるなどできた・できなかったを生徒同士で確認しあえるようにするというのが1番のポイントにしているところです。
あえて大人の影をできる限り出さないようにしています。
もちろん音楽的な指導も行いますが、まず歩いて楽器が吹けるようになるまでであったり、ショーを作り上げる中でのコンテを読んで自分たちがどうしたいのかというところまでは生徒達に任せることによって、普段の部活動にも反映されお互い意見を出し合えたりできる環境作りにもなっていると思います。マーチングにも大きく関わる部分ではありますが、上級生が下級生にだけではなく、下級生も上級生に発言し合えるチーム作りになっているかと思います。

畠田先生) まずはマーチングを楽しんでやった方がいいよということは生徒たちに伝えています。
ただ楽しくやるためには一人一人が責任感をもって取り組まないといけないということも一緒に伝えるようにしています。
音楽と同じで、作曲家が作った音楽を自分たちがどのように演奏していくかを考えるように、作ってもらったコンテを自分たちがどのような動きをすればいいのかを理解して、その位置に立ちどう表現するかが大切ということも伝えています。
生徒はまず座奏が好きで入部してくれていますが、高輪台で初めてマーチングに出会い魅了される生徒達もたくさんいますね。

練習場所や練習方法で工夫されていることはありますか?

島川先生) 決められた練習場所はありません…学校の廊下で練習をしています。
FM(フォワードマーチ)・RM(リアマーチ)・MT(マークタイム)など基本動作を中心に普段は練習しています。
部外の生徒や職員室の先生のご迷惑にならないように気を付けながら練習しています。
大会前になると運動部が終わった後に、10~15分くらいアリーナ(体育館)を使用させていただき練習しています。
普段から体力作りの為に筋トレ等もしていますが、あくまで個人に任せて、いざマーチングとなった時に困らないように各自の責任の下やっています。
学校から電車に乗るまでFMで帰り、電車乗る前にHighMTをするなど実際やるかどうかは別として、大袈裟かもしれませんが普段からの心掛けとして生徒には意識してもらうようにしています。
畠田先生がよく『生活をマーチングに』と仰られていますが、歩くときは常にマーチングを意識することで、実際に楽器を吹きながらや、コンテを付けた際スムーズに繋がるようになってくるかと思います。
練習場所は無いですが、普段の生活から楽器を持ったとき、動いたときに自然になるよう意識して行うように心掛けています。

畠田先生) 私は外部の広い練習場を使用した練習も大事だとは思いますが、普段からリーダーたちには学校の中の限られたスペースでできる練習方法を編み出すよう伝えています。

コンクールとマーチングを両立する方法や吹奏楽連盟とマーチング協会の両大会に出場される理由などあればお聞かせください。

畠田先生) 吹奏楽連盟のマーチングコンテストは、音楽第一に評価をいただきます。演奏に動きをつける事で、座奏よりも目に見える形でお客様や審査員の方々に音楽を伝える・届ける事が出来るのが魅力です。音楽重視という事でコンクールと両立するという意味では負担も少なくマーチングコンテストは取り組みやすいと思います。
マーチングだからと言って、無理をして吹くのではなく目を瞑って聴いたとき動いてない時と同じくらいに感じるような演奏ができるといいですね。
マーチング協会の大会は、人数制限が無く部員全員で取り組める大会として出場しています。
3年生でコンクール、マーチングコンテストのどちらかにしか出場できない部員がいたり、1年生はどちらにも出ることができなかったりする部員もいるので、マーチング協会の大会に全員で出場することで1つの音楽・マーチングを作り上げる楽しさを感じてもらえたり、1.2年生はこれからの主力メンバーになるのでそのための経験になることを考えても、すごく意義があり価値があると思います。

島川先生) 高輪台の部員の場合は体を動かすことが楽しい・リフレッシュになる部員も多いので、座奏の練習の後にマーチングの練習をして気持ちよく汗を流して帰るみたいなところもあり、そういった点でも両立に繋がっているのではないかと思います。

畠田先生) マーチングの練習の時間はみんな妙にテンションが高くなりますね。
できるできないやコンテストに係わらずみんなマーチングを楽しく取り組んでいますね。

島川先生) 楽しさにも色々な楽しさがあると思いますが、ただワイワイガヤガヤやるのではなく、列が綺麗に揃ったときの喜びや、音楽が伝わった時の嬉しさなど、追求する楽しさを感じながらやっていますね。

ヤマハの楽器のいいところをお聞かせください。

畠田先生) 細かいところまでよくできていて、メンテナンスがすごく楽にできるところはいいですね。
子供たちが扱いやすいし、音も素晴らしいと思います。
楽器屋さんの手厚いサポートにも感謝しています。

島川先生) 初心者でも演奏しやすい楽器もあり、いい音が出せるのは魅力的ですね。

これからマーチングを始める方、指導される方へメッセージをお願いいたします。

島川先生) マーチングは思っていたよりも形式が固く無く、その場その場で生徒たちにあった歩き方やショーを作れることが魅力的だと感じています。
始められる方にとってはハードルが高く感じてしまうかもしれませんが、子供たちと体を動かしてそれに音楽を付けるだけでも楽しく取り組めると思います。座奏のポップスとかでよく楽器を動かしたりしますがそれに簡単なステップを少しつけるだけでもマーチングだと思います。なのであまり壁が高いものと考えずに始めていただければと思います

畠田先生) マーチング経験者の方や若いマーチング指導の先生もたくさんいらっしゃるので、生徒・先生・指導者で一緒に動いてみるところからはじめてみると楽しいと思います。
マーチングで地域の活性化にも繋がると思いますし、地域の方や保護者の方にも応援してもらえると思いますので、是非取り組んでみてください。