仁愛女子高等学校 櫛桁眞理子 先生

バンド紹介

仁愛女子高等学校マーチングバンド・ドラムコーは昭和40年1月に発足し令和7年に60年目の活動を迎えました。発足から打楽器の魅力を追及し鼓隊編成に拘って活動してきましたが3年前に学校の方針で吹奏楽部と合併し管楽器を入れた編成に移行しました。それぞれ熱量や文化が違う2つの部が一緒に練習をすることは困難で最初は生徒たちも指導者も戸惑いが多かったです。それでも練習を重ねるごとに大人が心配をするより早く生徒たちはその垣根を取り払ってくれているように思います。これからも新しい中にも仁愛らしさを失うことなくこの活動に取り組んでいきたいと思います。
「継続は力なり」を活動のモットーにしています。1つのことを継続していると壁に当たります。その時に諦めずに努力を続けると力になる!を毎日の活動目標にしています。
全国大会出場・そして金賞受賞は生徒たちにとっても私にとっても大きい目標ですが、それ以上に生徒達にとって毎日の活動が仲間を思いやる心やチームの一員としての責任感を養う場であってほしいと考えています。

先生のプロフィール

仁愛女子高等学校入学後にマーチングバンドに出会い入部、カラーガードを担当
卒業後、日本マーチングバンド協会個人会員になり指導の勉強を始める
平成2年4月より母校、仁愛女子高等学校マーチングバンド部で指導
平成11年マーチングバンド公認指導員ライセンスを取得
現在は仁愛女子高等学校マーチングバンド部に加え県内の幼稚園・保育園を指導

マーチングとの出会いをお聞かせください。

中学生のときは吹奏楽もマーチングもしておらず、陸上少女でした。
マーチングを始めたのも仁愛女子高に入学してからですね。
正直に言うと、最初からやりたかったわけではありません。学校の中で強い部活という理由で始めたのがきっかけです。ただ、続けるうちに、その奥深さに引き込まれていきました。
そこから「高校を卒業したら、自分はマーチングの指導者になる」と自然と進路を決めていました。
高校のコースで特進コースに進んで大学を目指す道もありましたが、指導者になると決めた時点で、当時は大学に進学する必要はないと思い込み、部活動に集中しやすいコースへ転入もしました。
結果的に3年間マーチングを続けたことが、今の原点になっています。
学生のときはカラーガードを担当していて指導者として学び始めた頃は、音符のこともほとんど分かりませんでした。ピアノとトランペットの譜面が違うことすら知らずで・・・そこからのスタートでした。

指導をされる上で気を付けているポイントは何ですか?

「練習とは何か」を常に問い続けています。
本番で間違えないため、動きや演奏を揃えるために練習するのは当然ですが、それ以上に「意識できることを増やす時間」だと思っています。
意識してできることを積み重ねると、無意識でも体が動く段階に行きます。ただ、そこまで行ったら終わりではなく、もう一度頭を使って意識する。その繰り返しが成長につながると考えています。
マーチングのショーは8分ほどあり、春先から長期間にわたって練習を重ねます。
生徒自身、できてもできなくても途中で飽きてしまうことがあります。
そういうときこそ、「今、何が必要なのか」という原点に立ち返らせ、もう一度意識を向け直す。そのサイクルをとても大切にしています。
時代の流れに合わせて指導方法・方針もかなり変化しました。以前は、叱れば伝わると思っていた時期もあります。
また、途中で担当楽器を替えるような練習をしていたこともありましたが、それでは意味がないと気づき、やると決めたなら最初から最後までやりきる。その覚悟を伝えることも指導には必要だと、長年の経験を通して私自身も学びました。

練習場所や練習方法で工夫されていることはありますか?

普段は決まった練習場で練習していますが、天候や暑さ次第では屋外で練習を行ったり、雨の日には体育館の狭いスペースで練習することもあります。
十分に体を動かせない環境の中で、どう工夫して練習するかは、今も続く大きな課題です。

マーチングのスタイルの変化について

仁愛女子のマーチングと言えば、パーカッション(とガード)だけのマーチングのイメージを持たれているかと思います。
パーカッションのみだと音が単調になりがちな部分もあるので、管楽器が入ることでサウンドがより華やかになりました。
学校から吹奏楽部との合同について相談されたときも、迷わず「いいと思います」と答えました。
ただ、実際に始めてみると両部のスケジュール調整や練習内容の線引きなど、簡単ではありませんでした。最初は部分的に合わせ、少しずつ全体での練習を増やしていきました。
音の厚みや表現の幅が広がったことにより、「やってよかった」と感じる場面もあり、生徒たちの反応も良かったです。
一方で、止まって演奏する吹奏楽と、動きながら演奏するマーチングでは、体の使い方や呼吸の意識がまったく違います。その違いをどう言葉で伝えるかは、今も試行錯誤しています。
吹奏楽とマーチングの両方を経験した生徒は、音楽面だけでなく、人としても大きく成長していると感じています。周りを見て動く力や、視野の広さが身についてきていると思います。

ヤマハの楽器のいいところ(選択されている理由)をお聞かせください。

20年以上長年にわたりヤマハの楽器を使用しています。
数年前バッテリーの入れ替えにあたり講師の先生方にも相談したところ、打楽器を買うならヤマハがいいとなり、そこから担当の方をお繋ぎいただいて、試奏から購入までのサポートも迅速に対応してくれたので、その点でも信頼のおけるメーカーという印象を持っています。
県のクラウドファンディングの話をいただき、長年使用していたバッテリー類をふるさと納税を活用して入れ替えることができました。

これからマーチングを始める方、指導される方へメッセージをお願いいたします。

無理に規模を大きくするよりも、今いる生徒たちが力を発揮できる環境を整えることがまずは大切なのではないかと思います。
完璧を目指さなくてもいい。まず始めてみて、見えてきた課題を一つずつ乗り越えていく。
先生や指導者そして生徒と一つのことを積み重ねて創り上げるものとして、マーチングはとても良い取り組みになると思います。
マーチングに興味はあるけれど、一歩踏み出せない先生方には、「大丈夫ですよ」「一緒に考えましょう」とぜひ伝えたいです。