藤田宜久

 

 

小谷:それでは、今日は、作曲家・編曲家の藤田宜久さんに、スタジオにお越し頂きましたー!
小谷、小南:初めまして、よろしくお願いします!
藤田宜久(以下、藤田):よろしくお願いしますー。どうも!

==藤田宜久プロフィール==
1992年 ヤマハEOSサウンドコンテストグランプリ受賞
1994年 ヤマハ株式会社にて、製品のトラブルシューティングインフォメーションを経てインストラクター、商品開発(EOSB2000など)にも携わる

テニスの王子様1stED「You got game」の作曲、編曲、同アニメのキャラクターソング及び他のアニメ楽曲を多数手がけ、現在もアーティスト「Kimeru」の楽曲制作を担当。
プロデュース集団「アゲオシ製作所」所員、アイドルユニットnotallの編曲にも参加。「ヘッドホン女子」の異名を持つアーティスト「かをる★」への楽曲提供も精力的に行う

藤田さんとMC小谷さんは似た者同士?

藤田:ちなみに、ちなみになんですが……。
小谷:はい。
藤田:私も、魚が嫌いです……!

(コーナー前に、小谷さんが「水が苦手」という話題を出していました)

小南:わー!仲間だー!!(小谷を指差しつつ

(一同爆笑)

小谷:どういうことですか?!魚、見るのも嫌だってことですか?
藤田:いや!見るのは全然大丈夫なんですけど、食べるのが若干苦手で……!
小南:逆だ!(小谷さんは食べるのは大丈夫
小谷:ということは、じゃあお刺身とか……?
藤田:刺身も、最近は食べられるようになりましたけど……。
小谷:ほー、そうなんですねえ。
藤田:なので、お寿司屋さんとかに行くと、未だに、子供みたいなメニューしか食べないんです。
小谷:あーなるほど、あのマヨネーズがかかった軍艦とか。
藤田:そうですそうです!

(一同笑)

藤田:あの、「魚風味」のあんまりしないのがいいです。

(一同爆笑)

小谷:なるほど(笑)。

あの浅倉大介氏に師事していた、
藤田さんのインストラクター時代

小谷:そんな魚嫌いの藤田さん、早速ですが、ご自身の自己紹介など、お願いしてもよろしいですか?
藤田:はい。えー、主にアーティストさんに楽曲を提供しつつ、曲だけでなくアレンジ等も含めて、それこそ半分「プロデュース」と言ってもいいくらいな感覚で活動しています。
他にも、アニメソングとかやったり、リミックスもやったり、色々やってます!
小谷:なるほど。音楽のキャリアとしては、いつ頃から、どんなかたちでスタートされたんですか?
藤田:元々、ヤマハのイントラクターをやらせてもらってまして。
小谷・小南:ほー!
藤田:そこから、浅倉大介先生のところで色々勉強させて貰ったりとかして、それから作家デビューしました。
小谷:インストラクターは、どういったことをされていたんですか?
藤田:そうですね。いわゆる「デモ演奏」とか、楽器屋さんで「こういう楽器が発売されました!」っていうイベントとか……あとは、インフォメーションセンターってところで、いわゆるサポートセンターの男をやってました(笑)。
小谷:ではそこから、作曲家・編曲家としてのスタートを切られたきっかけは、どういったものがあったんですか?
藤田:きっかけは、もう全て、ヤマハさんにいた時に、色々なアーティストさんとお会いする中で、「お前そういう事ができるのか」とか、「こんなことやってる奴がいるんです」とかってお膳立てがあって。そこからですね。
小南:元からずっと、作曲はされていたんですか?
藤田:そうですね、はい。上京した時から、バンドをやったり、曲を作ったり。
小谷:今、「上京」と仰りましたが、どちらのご出身なんですか?
藤田:あ、私、すっごい標準語喋ってはいますけど……拙いところがちょっと出そうになるので、ネイティブにしようかなと思いつつ……京都です。
小南:へえー!分からなかった!
小谷:京都なんですね!全然そんな感じしませんね!
藤田:えー、じゃあ、戻してもいいですか(京都なまりで)。

(一同笑)

小南:急に!(笑)
小谷:あ、今そんな感じになりました!(笑)
藤田:やった……戻った……!
小谷・小南:(笑)
小谷:では、この先は気にせず(京都弁で)喋って頂いてOKです!
藤田:本当に大丈夫ですか?……ありがとうございます!

ヤマハに入社を直訴?!藤田さんのキャリアの原点

小谷:事前に頂いたプロフィール等も拝見させていただいたんですが、キャリアの初期に、ヤマハのコンテストの実績があるとのことなんですが、その辺りのお話を頂けないでしょうか?
藤田:はい。元々、ヤマハのシンセサイザー「EOS」シリーズ、小室(哲哉)さんがプロデュースなさってたシンセサイザーのサウンドコンテストがありまして、そこで1992年にグランプリを頂きました。
小谷・小南:ほー……!
藤田:それで、そこから僕もう舞い上がっちゃったんで、優勝した翌日に、ヤマハの会社に行って「ヤマハに入りたいんですけど、どうしたらいいですか?」と(笑)。
小南:へー、すごい!
藤田:そしたら、さすがヤマハさん、真摯に対応して頂いて、「それならば、ちゃんと勉強してから、もう一度来なさい」と。
小谷:ほー。
藤田:で、2年専門学校で勉強して、もう一度ヤマハの門を叩いたら、「じゃあ、入りなさい」となりまして……。
小谷:なるほど、ではそこから先は、先ほど仰っていたインストラクターをやられたり等されて、作曲家としてもデビュー、と。
藤田:そうですそうです!

小谷:その、キャリアスタートの頃の、先ほど仰っていた浅倉大介さんとの繋がりは、どういったところからなんでしょう?
藤田:そうですね、所謂「勉強」という意味で、ヤマハに出社しながら、退勤後に浅倉先生のところへ行き……当時は(浅倉先生は)Accessをやられていたんですが、そのライブアレンジであるとか、リミックスであるとかを作っていらっしゃる後ろでじっと見たりとか、浅倉先生が「じゃあ僕はもう帰るから、この曲を君なりにアレンジしてみなさい」と仰って下さったりとか。
小南:へー……!そんなこともあるんですね……!
小谷:すごいですね……!
藤田:で、翌日浅倉先生が聴いてくださって、「このシーケンスが良いから、シーケンスだけ貰う」等と仰って下さったりとか。
小谷:ほー……すごい経験ですね……!
藤田:もう、毎日コンテストみたいな感じですよ(笑)。

(一同笑)

小南:それはドッキドキですね〜!
小谷:それでは、そんなキャリアを持つ藤田さんの楽曲を、僕らも是非聴いてみたいのですが、曲紹介をお願いできますか?
藤田:はい!では、私が今、楽曲を提供させて頂いております「かをる★」さんを紹介させて頂きたいのですが。所謂「ヘッドホン女子」とか「Twicas女子」と呼ばれている方で……。
小南:私、知ってます!
藤田:ありがとうございます!そんなかをる★さんが、ちょうど楽曲をリリースしまして、ハイレゾ配信サイトのランキングで1位を頂きました!
小谷・小南:おー!
藤田:今回、アレンジを担当させて頂きました!それでは聴いてください。「千本桜」。

試聴はこちらから

作家デビューのきっかけも浅倉大介氏から

小谷:ところで、以前藤田さんが曲提供されていた「LAZY KNUCK」について、お聞かせいただけますか?
藤田:そうですね、先ほどの浅倉先生の流れから、僕が24(歳)くらいの時に「じゃあ君、曲を書いてごらんなさい」と仰って頂いて、「分かりました!書きます!」と。そこから作曲家デビューさせてもらった感じです。それがLAZY KNUCKというユニットだったんです。
小谷:なるほど、メンバーとして参加されていたワケではないんですね?
藤田:はい。そこで作家デビューというかたちです。
小谷:なるほどなるほど。
藤田:なので、(当時の話をすると)懐かしい、というか。でも今のEDMシーンとか聞いてても、段々ハウスが流行ってきたりして。当時僕が作家デビューした時も、ハウス、当時で言うガラージュハウスが流行ってたんですよ。
小谷:なるほど、ありがとうございます!

ヤマハシンセサイザーReface CS登場!

小谷:ところで、今日はスタジオに、ヤマハさんからシンセサイザー「Reface CS」をお持ち頂いてまして。

(シンセ音)

小谷:おっ、早速!音を鳴らして頂いております!
小南:おおっ!



小南:Foooooo!かっこいい!!
藤田:ありがとうございます!
小谷:おぉーっ!
藤田:今のサウンド、どうなっているのかを説明しますと、リズム部分は、スマホのアプリから出していまして、何故それがRefaceと一緒に鳴るかと言いますと、このReface自体がAux Inputを持っていますので、スマホを直接接続して、Refaceのスピーカーから一緒に音を出せるんです。
小谷・小南:ほー……!
藤田:なので今は、スマホで鳴らしたリズムに合わせて、Refaceを弾いていた感じですね。
小谷:いやこのRefaceシリーズ、今日コレを持ってきていただくってことで、僕すごい楽しみにしていて……最近よく見かけるので、めっちゃ気になるアイテムだなと……!
藤田:ですよね!去年、楽器フェアで見た時も、僕すっごい気になってて、無性に触りたい目をしてたら、ヤマハの知り合いの方から「触りたいんだったら触ればいいじゃん」と、普通なコメントを言われたりしました(笑)。
小谷:なるほど(笑)。このReface、4種類があるとのことで、今日はその中から「Reface CS」という白いモデルをお持ち頂いています。このCSの特徴はどんなところでしょう?
藤田:そうですね、なんというか、「直感性」に優れたシンセですね。このRefaceシリーズ、このCS(アナログシンセ)以外にもオルガンのYC、FM音源のDXといったものがあるんですが、それぞれの音源に特化した部分が如実に表れている。
小谷:それぞれのRefaceが、それぞれの楽器に合わせて特化されていると。
藤田:そうですね!その中で、CSというのは、「自分で音色を作る」、「いじりやすい」という部分が、とてもいいんです。さっきのダブステップっぽい音も、これ、普通にこの数少ないパラメータをいじるだけで作れてしまうんで。
小谷:ですよね。今も、瞬時に音を操作されて作られてますものね!ちなみに、鍵盤の上に、3cmくらいの短いフェーダーが沢山並んでいるんですが、これ特徴的だなあと思うんですが……具体的に、どんなことができるんでしょう?
藤田:そうですね、じゃあ、その辺の機能説明からちょっとやっていきましょうか。
小南:音が聴きたいですね!
小谷:うん、聴きたい!
藤田:はい、じゃあちょっとセッティングしていきますね〜。

小南:めっちゃカッコイイ!
藤田:ですよね!そう思いました!

(一同笑)

Refaceの鍵盤タッチに小南さんも驚愕!

小谷:Reface CS、見た目がすごく可愛いですよね。
小南:サイズも結構小さいですよね!
小谷:そう!横幅40cmくらいかなぁ。
藤田:ちなみに、Refaceに対するヤマハのコンセプトが、「ハイグレード・コンパクト」なんですよね。
小谷・小南:ふむふむ。
藤田:搭載している音源は、もうプロ級!……なんだけど、形はコンパクト。
小谷・小南:ほー……!
藤田:で、こだわっているポイントとしては、この鍵盤!
小谷:そうですよね!実は僕、昨日コレ(Reface CS)楽器屋さんで触ってきたんですけど、めちゃめちゃ弾き心地いいですよね!
藤田:いいですよね!僕も、あんまり鍵盤を弾ける方ではないんですけど、この触った瞬間の「タッチ感」がいいんですよ。
小南:えー!触ってみたい!
藤田:あ、どうぞどうぞ。

(小南さん、試奏中)

小南:おー!えっ、これ、ミニ鍵盤と思って弾いちゃダメですね。
小谷:なんかね!
小南:えっ、すごーい!
藤田:なんというか、この「触感」と言ったらいいんですかね(笑)。
小谷:触感(笑)。食べる方じゃなくてね?
藤田:そう!(笑)
小南:触る方ですよね、触る方!(笑)
藤田:なんかね、その「触感」が、普通の、いわゆる標準鍵盤のタッチとすごく似てる。それが、すごく第一印象として良くて、コンセプトとして「そこ攻めてきてるんだな」っていうのが如実に分かるんです。
なんというか、音とも似てますよね、「触感で分からせる」っていう。
小谷:そしてあれですよね、これ、本体にスピーカーも内蔵しているんですよね?
藤田:そうですそうです!
小谷:それもすごいことですよね。
小南:すごい!しかも、電池でも動くんですよね?すごいなあ。膝の上で使えるってことですもんね。
藤田:そう、本当にカジュアルに使っていけるんです。

小さいボディにすごいサウンド!

藤田:で、さっき言ったような音色作りも、数少ないパラメータですごい幅広くできたりするんで……ちょっと色々波形出してみますね。



小南:このちっちゃいツマミで、コロコロ音が変わっていきますね!

小南:すごーい!この短いフェーダーからは想像もできないほど……!
藤田:いや、本当にね、このプロ仕様と言ってもいいくらいの音色で、フィルターとかもすごい効きがいいんですよ。



藤田:今何したかっていうと、レゾナンスを思いっきり上げて、カットオフだけいじってる。
小谷:はー……!
藤田:なので、R2D2……さっきC3POって言っちゃったけどR2D2ですね(スターウォーズに登場するロボット)……のフィギュアを机に置いて、こういう音を出すと、地味に面白いです(笑)。

(一同笑)

藤田:そうですね、そういうこともできますし、あとは、色々いじった音色を鳴らしてみますね。



小谷:へー楽しい!僕、昨日楽器屋へコレ見に行ったのも、僕、今ライブの制作で関わってるアーティストさんがいて、ステージでパフォーマンスに使うのに、何がいいかなと思って触りに行ってたんですよ。で、「なんだこれめっちゃ触り心地いいー!」ってなって……でもコレ、音色の保存ってできるんですか……?そこだけが分からなくて。

藤田:……実は……、保存もできるんです……!
小谷:……なんと……っ!
藤田:えぇ……!できるんです……!
小谷:なんと……!!

(一同笑)

小南:なんか、ショッピング番組みたい!(笑)
藤田:ちょっとクサかったですかね(笑)。いや、実は、iPhoneと専用ケーブル(USBカメラコネクションキット)があるとですね、「Reface Capture」というアプリで、iPhoneにReface全種類(4機種)の音色が保存できるんです。
小南:ワァ〜オ!
藤田:で、「保存できないんだぁ」と僕も当初同じ悩みを持っていたんですが、おもむろにiPhoneでフェーダーの写真を撮り……(笑)

(一同笑)

小谷:そうですよ!そうなりますもの!そうなのかなあとずっと思ってましたけれども。
藤田:でも、アプリでできちゃうんです!
小南:じゃあライブとかの時は、アプリで仕込んでおけばいい。
藤田:そうです!瞬時に音色を呼び出せます!
小南:すごいですね!

小谷:これは考えますね……!

小谷:そして、このお話、もっともっと聞きたいんですけれど、そろそろお時間が来てしまいまして……!
小南:うそー!!

小谷:ということで、本日は作曲家・編曲家の藤田宜久さんにお越しいただきました!ありがとうございます!
藤田:こちらこそありがとうございました!
小谷:最後に一曲、ご紹介いただけますでしょうか?

藤田:それでは、僕がプロデュースもさせて頂いておりますKimeru君で、「Meteor」です!