技術について
積み重ねてきた経験と培ってきたノウハウ
気兼ねなく美しい音を楽しめる「理想的な音の環境づくり」のために、ヤマハが積み重ねてきた経験と培ってきたノウハウ。
ヤマハには長きにわたる研究と経験から、音響と音場に関する膨大なデータが蓄積されています。そのすべてを注ぎ込んだのが、ヤマハの防音室「アビテックス」です。
独自の技術が随所に息づく洗練された品質で、あらゆる防音環境を創造します。
遮音壁パネル
振動を伝えない構造により、薄い壁厚でも高遮音性能を確保
1.遮音壁の振動を制御
振動を抑える最適な構造を採用。
2.伝搬音をカット
遮音壁内部に遮音材・吸音材を取り付けることにより固体伝搬音・空気伝搬音を遮ります。
3.伝搬音の位相を制御
遮音壁内部に遮音材・吸音材を効果的に配置し、遮音壁の振動位相をコントロールすることで共鳴透過、コインシデンス効果*を抑制。
*共鳴透過およびコインシデンス効果とは、特定の周波数の音が物体に入射すると、物体の共振現象により音が透過し遮音性能が低下する現象。
遮音床構造
階下遮音性能を強化
アビテックスの床には浮床構造を採用しています。防振ゴムによりお部屋の床への振動を絶縁することで、高い遮音性能を実現。特にセフィーネⅡではマンション設置において階下への音漏れを配慮し、剛性の高い床フレームを採用。階下への遮音性能をより強化しています。
さらに剛性を高めた高剛性床(オプション品)により、階下への防音効果をより高めることができます。
調音パネル
「吸音」と「散乱」を最適なバランスにコントロール
ヤマハ独自のパネル構造により、125~4000Hzの広い帯域でほぼ平坦な吸音特性を発揮。
散乱特性も併せ持っているため、グラスウールパネルや合板といった一般的な吸音材では実現できない、音響障害のないクリアで心地よい音響空間をつくります。
吸音性能と散乱性能をバランスよく両立
1枚のパネルで「吸音」と「散乱」作用をバランスよく両立させることをねらいました。
音響共鳴管を適切に組合わせるなど、低音から高音にわたる領域で性能を確保する工夫を施しています。
調音パネルと一般的な吸音材の残響室法吸音率の比較
特許
確かな技術の裏づけ。アビテックスでは次の特許・実用新案を出願しています。
防振材入り固体伝搬制御パネル
遮音壁に防振材を効果的に取り付けることにより、固体伝搬音を制御。これにより防音性能が向上。
芯材の無い固体伝搬制御パネル
遮音壁の中心部から芯材を取除くことにより、固体伝搬を制御することに成功。
トータル振動カットシステム
- パネル内部に吸音材を効果的に配置し、振動をカット。また、二重パネル内・外遮音ボードの振動位相コントロール。
- 窓ガラス部の共振をコントロールし、振動カット。この2つの技術を組合わせることにより、トータル振動カットシステムを実現。
分割浮床システム ※セフィーネⅡ
遮音床(浮床)を分割することにより、ピアノを別の部屋に持ち出すことなく、防音室を組み立てできるようになりました。
音場パネル制御技術
薄さ3cmのパネルが、音の響きを快適にコントロール。ヤマハの調音パネルは、わずか3cmの薄さで室内の響きのバランスを巧みにコントロール。良質で快い響きの音場空間を、省スペースに実現します。