【導入事例】エピキュラス様 / SRカンパニー / 東京都
Japan / Tokyo, Aug 2015
ヤマハミュージックエンターテイメントホールディングス傘下であり、ヤマハのグループ会社にあたる株式会社エピキュラス。中島みゆき、上原ひろみなどヤマハ所属アーティストを中心にコンサート制作や音響デザイン・オペレートを行う同社は2014年に創立20周年を迎えるにあたり、メインスピーカーシステムとして新たにNEXOフラグシップ・ラインアレイスピーカーシステム「STMシリーズ」を導入。既に様々な現場で運用されており、その様子を音響グループ・マネージャーの鳥羽氏および同・武中氏にお伺いしました。(以下、敬称略)
メインスピーカー導入の経緯をお聞かせください
鳥羽:
ここ10年以上、当社ではミキサーは一定量を所有する一方でスピーカーシステムを所有せず、主にコンサート企画制作と音響デザイン・オペレートという部分にリソースを集中させる方針をとってきました。これは効率化という部分においては一定の結果が出た反面、時間が経過するに従って、社内の技術蓄積や人材育成といった部分で将来性に不安が出てきました。SRカンパニーとしてもう一度原点に立ち返って仕事を進めていくにあたり、やはりスピーカーシステムを自社所有すべきであるとの結論に至り、そこから色々なスピーカーを探し始めました。
ヤマハグループだから、というのもあるかと思いますが、「STMシリーズ」を選択した理由は?
鳥羽:
ご指摘の通り、やはり当社がヤマハグループの中にいるというのは大きな理由ではありますが、自社のビジネスに合わないものを無理して導入しても意味がないため、極力フラットな目線で選ぼうと考えていました。様々なスピーカーを使用してきた経験のなかでスピーカーを選択しようとしていた際に、タイムリーに「STMシリーズ」がリリースされました。
当社はハイエースで回るような小さな現場から大規模なコンサート、ツアーまで幅広く仕事をしております。「STMシリーズ」はモジュラーシステムとなっているため、そういった仕事への対応力が期待出来ると考えました。実際に色々な仕事をする過程で「STMシリーズ」の音を聴く機会があり、これならば大丈夫だと思いましたし、導入してみてそれは確信に変わりました。
実際に現場で使用した際のご感想をお教えください
鳥羽:
初めは小規模な現場に使用してみました。センターステージの現場で、周囲にSTM M28 x 3台を4クラスター配置し、フォローでPS15を4本フライング設置したのですが、NEXOの異なるキャビネット同士でもNXAMPを使用すれば位相特性がピタリと一致するため、音色の差異も少なく均一な音場を作ることが出来ました。
また、高い明瞭度が得られました。コンソールはQL5を使用していたので、NXAMPまでフルDanteネットワークシステムを組んだことで、仕込みも早く出音もクリアになったのではないかと思っています。
武中:
大きめな現場ということであれば、上原ひろみさんの「Alive」日本ツアーにSTMを持ち回ったのですが、その東京国際フォーラム(ホールA)公演でしょうか。シングルコラムの中で、上からメインモジュールM46*4台、ベースモジュールB112*6台を挟み、再びM46*6台、そしてダウンフィルにオムニモジュールM28*3台という構成で挑みました(写真参照)
ベースモジュールを間に挟むというのはSTMならではの構成ですね。フライング時はアレイが正対で吊り上がっていき、最終的にコンプレッションで角度が決まる構造であるため、安全かつ極めてスピーディにフライングすることが出来たのが印象的でした。乗り打ちで時間のない現場だったため大変助かりました。
鳥羽:
これだけのシステムで、片側NUAR(NXAMP4X4が2台入ったシステムアンプラック)が2ラックで鳴っています。必要な電力量を加味してC30A x 4口を使用しましたが、これだけでこの会場規模のメインアレイとサブが鳴ってしまうのには驚きです。
武中:
出音という点においても、カバーエリアを3つに分割して補正を行うことが出来たため、細部まで追い込んで調整することが出来ました。良い音、悪い音というと主観的な評価になりがちですが、コンソールから来た音をロスすることなくそのまま拡声することがアウトシステムの役割だと思っています。
今回のシステムプランでは、オペレーターが求める明瞭度・分解能・量感といった要素を満たし、ジャズの即興演奏の中でフェーダーの繊細な操作に追従するようなシステムを構築することが出来たのではないかと考えています。オペレーターの方からも「音楽ジャンルを問わずに感性を表現出来るスピーカーシステム」と高い評価をいただけたので、ホッとしました(笑)
今後の展望をお聞かせください。
鳥羽:
せっかく導入したので色々な現場に使っていくのはもちろんですが…それ以上に、音楽をコアにして楽器製造・音楽教室・アーティストそしてPAと一気通貫した事業を行うヤマハグループの一端を担う会社として、シナジー効果を出しながら音楽シーンに貢献出来るような、そんな未来に向けて頑張って行きたいと思っています。
そういったことをずっと続けていって、自信を持って次世代に渡していけるように日々取り組んでいきたいです。
本日は、ありがとうございました。
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